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パン生地をこねる時間と労力を軽減!パンこね機と製パン機械のミキサー

2024年4月30日
パン生地のこね作業は、パンの膨らみや食感にかかわる大切な工程です。しかし、手ごねを行おうとすると、多くの時間や労力がかかります。この記事では、大変なこね作業で使用できる家庭用のパンこね機と、ベーカリーや製パン工場で用いられている製パン機械のミキサーをご紹介します。 
◎パン生地をこねる重要性
小麦粉や水、イーストなどの材料を混ぜてひとつにまとめてこねる作業は、パン作りの最初に行う工程です。はじめはベタベタとくっついている生地ですが、こねるほどまとまっていき、モチモチとした感触に変わっていきます。
 
パン生地作りにおける「こね」は、ただ材料を混ぜたり均一にするだけでなく、グルテンを生成するために行います。パン作りの工程では、何度か生地を休ませて発酵させる時間を取ります。発酵によってイーストが炭酸ガスやアルコールを発生させることによって、生地を膨らませてボリュームが出るようになり、パン特有のふわふわとした食感が生み出されます。この発酵によって発生した炭酸ガスをしっかり抱えて混むために必要なのがグルテンです。
 
グルテンが生成されるとグルテン膜となって生地がつながって強くなり、発酵によって発生した炭酸ガスを多く抱え込めるようになります。そうすると、炭酸ガスによってきれいに膨らんだ、やわらかいパンが焼き上がります。こねが足りないと、グルテン膜が弱い状態で生地がつながらないため、発酵しても膨らみが弱かったり、きめの粗いパンが焼き上がってしまいます。パン生地のこね作業は、パンの味や見た目、食感、焼き上がりにかかわる大切な工程なのです。 

パン生地をこねる重要性
◎家庭で使われるパンこね機の種類
強いグルテン膜を持つパン生地を作るためには、時間をかけてこねる必要があり、労力もかかる大変な作業です。家庭で多くのパンを作りたい、おいしいパンを焼きたいと思っていても、こね作業が大変だからできないという場合もあるでしょう。そんなときに役立つのが、パン生地をこねるための機械、パンこね機です。ホームベーカリーもパンこね機と同じようにパン生地のこねを行う機械ですが、ホームベーカリーは発酵や焼き上げまでの作業を行う機械で、パンこね機はパン生地のこねに特化した機械です。パンこね機は、ホームベーカリーよりも1度に多くのパン生地を作れます。手ごねのようなもっちりとした生地に仕上がるのも、パンこね機の特徴です。 
 
パンこね機には、さまざまなサイズがあります。家庭用パンこね機は、食パン1斤分の250gから600gほどの容量があり、パン教室や小規模店舗などで使用できる業務用パンこね機は、1kg以上から2kgほどの容量で、大量の生地をこねられます。パンこね機には、大きく分けて2つの形状があります。スタンドミキサータイプのパンこね機は、下部にボウルをセットし、上部にミキシングできるアタッチメントをセットしてこねを行います。パンこね機の製品によって付属しているアタッチメントが異なり、こねを行うドゥフックだけでなくホイッパー付きのパンこね機であれば、生クリームや卵液の泡立てができるため、ほかの料理にも活用可能です。パンこね機のもうひとつの形状は、パンニーダータイプです。パンニーダータイプのパンこね機は、ボウルの内部に羽根をセットし、回転させてこねる仕様になっています。パン生地のこねに特化したシンプルなパンこね機ですが、うどんやパスタなどの小麦製品を作れるニーダータイプのパンこね機もあります。 
 
パンこね機には、さまざまな機能が付いています。スピード調整機能があるパンこね機は、パンの種類や生地に合わせてこねるスピードの切り替えが可能です。また、こねすぎや発酵し過ぎを防げるタイマー機能付きのパンこね機もあります。さらに、生地をこねるボウルが本体のなかに収納されている内釜方式のパンこね機と外側に付いている外釜方式のパンこね機があります。収納やお手入れのしやすさ、生地の温度調整のしやすさなど、重視するポイントに合わせてパンこね機を選びましょう。

家庭で使われるパンこね機の種類
◎製パン工場で使われているミキサー
家庭では、パンこね機を使ってこね作業の時間や労力を軽減できますが、ベーカリーやパン工場などの大量生産を行う製パンの現場では、パンこね機よりも大型のミキサーと呼ばれる製パン機械が用いられています。ベーカリーで多く使用されているのは、縦型ミキサーやスパイラルミキサーです。サイズは大きくなりますが、どちらもパンこね機のスタンドミキサータイプと似た形状をしています。縦型ミキサーは、ボウルを下部に固定し上部にセットしたJ型のドゥフックを使って、パン生地をこねます。ドゥフックが回転しながら、生地をボウルにたたきつけるような動作をしてグルテンを生成するので、食パンや菓子パンなどやわらかいパンの生地を作るのに向いています。スパイラルミキサーは、名前の通りらせん状のフックを回転させてパン生地をこねます。フックと同時にボウルも回転しながら、練るようにパン生地をこねるので、フランスパンなどの硬めの生地に向いているミキサーです。 
 
大量のパンを生産している製パン工場では、大型の横型ミキサーが多く使用されています。横型ミキサーは大きな箱型の形状をしており、内部にボウルとパン生地をこねるためのアジテーターと呼ばれるバーが設定されています。バーの仕様が2本やY型の3本、さらにZ型など、さまざまな種類の横型ミキサーがあります。ミキサーの上部から材料を投入できるのに加えて、ボウル側面を開けて横から投入したり排出したりすることも可能です。生地の種類に合わせてアジテーターとボウルの隙間を調整する機能や、生地の温度が上がり過ぎないように冷却機能が付いている横型ミキサーもあります。

製パン工場で使われているミキサー
◎まとめ 
パンこね機は、パンがしっかり膨らむために大切なこねを行う機械です。製パンの現場では、こねた生地の分割や丸めなどでも専用の製パン機械を使用しています。KOKIは、分割機や丸目機などの開発や製造を行っています。製パン機械のご相談は、お気軽にお問い合わせください。 

パン生地をこねる時間と労力を軽減!パンこね機と製パン機械のミキサー