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少ない量で効率的に打ち粉ができる!丸目機に取り付ける回転シュートとは

2023年3月20日
パン生地作りにおいて打ち粉は、作業効率の向上だけでなく生地を傷めないために欠かせない工程です。製パン工場でパン作りを行う上でも重要といえるでしょう。この記事では、打ち粉の重要性や注意点、少ない量で効率的に作業できるラウンダー用の回転シュートについてご紹介します。
◎パン生地作りにおける打ち粉とは
パン生地作りの工程で「打ち粉」というものがあります。打ち粉とは、作業をするときに手や台、パン生地に振りかける小麦粉のことをいいます。粉を振りかける理由は、パン生地を触って作業をするとき、手や台にパン生地がベタベタとくっついてしまうのを防ぐためです。ベタベタとくっつきながら作業をすると、生地を上手く扱うことができないので大幅に時間がかかってしまいます。効率的に作業をするためには必要不可欠なのです。
 
振りかけるのは、一般的に粒子が大きくサラサラしている強力粉を使います。薄力粉は、粒子が小さいためパン生地を離したりするのに向いていません。強力粉がどうしてもないという場合は、少量であれば薄力粉を代用することは可能です。代用して振りかけるとき必要以上に振りかけると、パン生地が粉っぽく仕上がってしまうことがあります。量が多くなりすぎないようにハケで落としたり、冷凍庫でしっかり冷やして使用したりします。また高温多湿を避けグルテンが発生しないように注意して作業をしましょう。

◎打ち粉をする効果
打ち粉は、単に作業をしやすく時間を短くするだけではありません。ベタベタとくっついている生地に触ると、その分パン生地のロスが発生してしまいます。また、触りすぎることでパン生地を傷める原因にもなります。
 
ほかにも、パン生地にクープとよばれる切れ込みを入れる作業をしやすくします。パン生地にクープを入れる目的は、パン生地の中の水分を外に逃がして、パンの形を崩さないようにするためです。パン生地にナイフを入れようとするとナイフがなかでくっついてしまい、うまく切ることができません。打ち粉をすることで、ナイフとパン生地がくっつくのを防ぎます。
 
パンの種類によりますが、焼き色を付けたくないパンを焼くときに打ち粉をすることがあります。焼く前のパン生地に振っておくことで、その部分に焼き色が付きにくくなります。白くて焼き色のないパンはこのような方法で焼くことがあります。

◎打ち粉をするときの注意点
うち粉をするときは、パン生地と同じ粉を使います。しかし振りかける分の粉は、パン生地づくりの材料には含まれていません。そのため、大量に作業台に広げると、必要以上にパン生地のなかに粉が含まれてしまい、分量と異なるパンに仕上がってしまう恐れがあります。
 
もうひとつ気をつけなければいけないのは、作業台の上に多くの粉を広げても、作業が終わって片付ける際に、あまった粉は処分しなければならなくなってしまうことです。食材のロスにつながってしまうので、振りかけるときは袋から直接出して広げるのではなく、少しずつ手に取りながら、パン生地や作業台にすり込むようにしましょう。そうすることにより、使う量を最小限に抑えることができます。

◎製パン工場で使うラウンダー
製パン工場ではパンを大量に生産するため、多くの工程は機械化されています。丸める作業を行う機械はラウンダーと呼ばれ、この機械で丸めたパン生地が出てくるところに「回転シュート」とよばれる機械をオプションとして設置することができます。当社では、丸める際のパン生地の締めつけ具合や、作業速度や規模によってさまざまなタイプのラウンダーをご用意しております。なかでも適度な締めつけが特徴で、比較的小型のタイプ「丸目機 Cup Cone Rounder CCR08」をご紹介します。
 
このラウンダーは、「適度な締めつけできれいな丸目」を追求しています。またシリンダーの表面が、上から覆い被さるような形状となっているため、生地を適度に締めつけがありながら包み込むような丸めができます。また丸めにかかる作業距離が短く、時間を短縮することができます。作業時間が短くなることで、パン生地の回復発酵を早めることができるのです。シリンダーの部分が逆円錐形となっているラウンダーは、吸水量が低いので硬めの生地に向いています。また、ベンチタイムの後の再丸めや冷凍用生地の丸めにも向いています。衛生面においては、生地が付着しにくいシンプルな構造になっているので清掃しやすくなっています。

◎粉量削減と飛散防止を可能にするドラム式回転シュート
大きい製パン工場では、パン作りの工程を一貫して機械で行っています。当社が取り扱っている粉付けの機械は「回転シュート」と呼ばれるドラム式のものになります。ラウンダーとよばれる丸目機にオプションとして回転シュートを取り付けると、丸めたパン生地に粉付けをした状態で出てきます。ラウンダーのオプションとして取り付けるタイプなので、別に製パン機械を導入する必要はなく、設置スペースも最小限で済みます。
 
回転シュートはドラム型であるため、少ない量で効率的にまぶすことができることから、粉量の削減にもつながります。手作りでパン生地を作るときは作業台の上で振るので、無駄に消費してしまうことになります。しかしこの回転シュートは、ドラムの中で回転しながら振りかけるため、少ない量で満遍なくパン生地にまぶすことができるのです。
 
また、ドラムのなかで粉付けを行うため、機械の外に粉が飛び散る心配がありません。作業台の上で行う場合は、粉が周りや床などに飛び散るため、終わってからの清掃も考慮しなければなりませんが、回転シュートなら飛び散らないので、工場内を清潔に保つことができます。ドラム式回転シュートは、生地玉の大きさに合わせてトラフガイドの自動調整が3段階で可能です。

◎まとめ
パン生地作りにおける粉付けは、製パン機械で行うことで作業時間を大幅にカットできます。当社が取り扱うドラム式回転シュートは、少量の粉で効率よくパン生地に粉付けをすることができます。周囲に飛散しないため掃除の負担も軽減されます。丸目機や回転シュートのことに関しては、お気軽にお問い合わせください。