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これぞ文明開化の味!職人の工夫が詰まった日本のパンの魅力とは

2024年7月9日
お米を代表的な主食としている日本でも、パンはいまや毎日の食卓に欠かせない存在として、老若男女問わず親しまれています。日本のパンは、世界各国から伝わったパンをアレンジしたものが多いため、個性的で種類も豊富です。この記事では、日本のパンにはどのような特徴や種類があるのか、作り方のポイントについてもご紹介します。
◎日本のパンの特徴
日本ではじめてパンが作られたのは、19世紀半ばのこと。当時は軍用の携帯食糧として開発されましたが、明治時代に入り文明開化を迎えると、一般向けにも流通するようになりました。
 
他国から伝わったものを工夫してアレンジする技術に長けている日本では、世界各国から伝わったパンにさまざまなアレンジを加えて、多種多様なパンを生み出してきました。そんな日本のパンは生地のなかにフィリングや具材の入ったものが多く、その代表ともいえるのがあんぱんです。
 
あんぱんは、明治2年に創業した木村屋の創業者・木村安兵衛氏によって明治7年に開発されました。当時はイーストが手に入らず、パンの発酵にはホップを使用していたため、固い食感でした。そこで、木村氏は日本人の口に合う食感を研究し、米と麹を使用した酒種酵母の開発に成功したのです。酒種酵母を使用することでしっとりとした生地に生まれ変わり、あんぱんはたちまち人気に。明治8年には、桜の花の塩漬けを埋め込んで焼き上げた桜あんぱんを明治天皇に献上しました。こうしてあんぱんは、日本人なら誰もが知っている国民的なパンとなったのです。
 
日本の伝統的な菓子であるまんじゅうの製法にヒントを得た和洋折衷のパンには、あんぱんのほかにクリームパンやジャムパンなど、さまざまな種類のパンが存在します。自分たちの文化に合わせた工夫が得意な日本の職人たちにより、日々独創的なパンが生まれています。キャラクターや動物の形をしていたり、カラフルなフィリングが折り込まれていたりと、職人たちの創造性を感じるパンも豊富です。
 
日本人の口に合わせて酒種酵母が開発されたように、日本のパンは他国のものと比べてもやわらかくしっとりとした食感が特徴です。あんぱんに代表される甘い菓子パンが多いのも、日本ならではといえるでしょう。昔からお米を主食としてきた文化があるため、主食とするよりもおやつや軽食として楽しめるよう、菓子パンや総菜パンが種類豊富に開発されてきたのです。他国にはない特徴をもつ日本のパンは、いまや世界中から愛されています。
日本のパンの特徴
◎代表的な日本のパンの種類
さまざまなお店で目にする機会の多いメロンパンは、パン生地のうえにクッキー生地をのせて焼き上げた、日本発祥の菓子パンです。メロンパンという名前の由来には諸説あり、焼き上がりの格子模様がメロンの皮に似ていることや、メロンエッセンスを加えて作られることなどさまざまです。フランスの焼き菓子であるガレットを元に発明されたともいわれています。
 
和洋折衷のおいしさが魅力のあんぱんは、明治時代に木村屋によって開発された菓子パンです。パン生地のなかに包むフィリングにはつぶあんとこしあんの2種類があり、こしあんぱんにはケシの実、つぶあんぱんには黒ゴマをつけるという取り決めがあったそうです。
とんかつから構想を得たとされているカレーパンは、カレーを包んだ生地にパン粉をつけて揚げた総菜パンです。昭和2年に、名花堂が作ったものが元祖とされています。油で揚げる製法が一般的ですが、近年はオーブンで焼き上げるカレーパンも増えています。
代表的な日本のパンの種類
◎日本のパン作りのポイント
まんじゅうの製法にヒントを得て開発されたあんぱんは、まさに日本を代表するパンといってもよいでしょう。あんぱんを作れれば、ジャムパンやクリームパンなど、さまざまなフィリングを包んで焼き上げるパンにその技術を応用することができます。
 
あんぱん生地の主な材料は、強力粉、砂糖、塩、ドライイースト、スキムミルク、卵、バター、水です。あらかじめ卵とバターは常温に戻しておきましょう。ボウルに強力粉、砂糖、塩、ドライイースト、スキムミルク、卵、水を入れ、ドライイーストを溶かすように少しずつぬるま湯を加えてしっかり混ぜ合わせます。粉っぽさがなくなるまで混ぜたら、生地をこね台に出して手前から奥に伸ばすようにしてこねましょう。生地にまとまりが出てきたらバターを加えて、ツヤが出てくるまで10~15分ほどこねます。こねあがったら生地をひとまとめにし、閉じ目を下にしてボウルに入れます。乾燥しないようラップをかけて、あたたかい場所でひとまわりほど大きくなるまで発酵させましょう。
 
発酵が完了したら、生地を手で優しくつぶしてガス抜きし、6等分にして丸めます。閉じ目を下にして濡れ布巾をかぶせ、10分ほどベンチタイムを取りましょう。ベンチタイムを設けることにより、次の成形作業がスムーズに進みます。ベンチタイムが終わったら、閉じ目を上にして生地を伸ばし、丸めたあんをのせて包みましょう。あんを包んだ生地は少し平らになるよう形を整え、閉じ目を下にしてクッキングシートを敷いた天板にのせます。乾燥しないようラップをかけて、生地がひとまわりほど膨らむまで25~30分ほど二次発酵させてください。発酵完了の5分ほど前になったタイミングで、オーブンを190℃に予熱しておきます。
 
強力粉をつけた指先で生地の真ん中を軽くくぼませ、刷毛で生地の表面に溶き卵を塗ります。フィリングがこしあんの場合はケシの実、つぶあんの場合は黒ゴマを振りかけて、予熱したオーブンで12分ほど焼き上げれば完成です。

日本のパン作りのポイント
◎まとめ
日本のパンは、他国から伝わったものを日本人の口に合うようアレンジしたものが多く、多種多様で独創的な特徴をもっています。文明開化の歴史を感じる日本のパンを、家庭でも楽しんでくださいね。KOKIでは、分割機や丸目機を中心に製パン機械に関わる製造や販売などの一連の業務を行っております。製品についてのご相談やご質問などは、当社までお気軽にお問合せください。
 
これぞ文明開化の味!職人の工夫が詰まった日本のパンの魅力とは