穀物ごとに異なる味わい!フィンランドのパンづくりのポイント
◎自然を活かして作られるフィンランドのパン
フィンランドでは、ライ麦や大麦を使用したパンが多く提供されています。ライ麦は、寒冷な地域でも育ち、乾燥した空気にも強いことから、国内で広く生産されているためです。フィンランドは国土面積の約7割を森林が占めており、緑豊かな国となっています。
太陽が沈んでも暗くならない白夜が特徴的で、5月中旬から7月末まで続きます。光の当たる量が膨大となる環境は、農業にとって最適な気候です。冬は土壌が凍るほどの厳しい環境ですが、害虫が生きにくく、農薬の使用量が減少できるというメリットがあります。このような厳しい冬を乗り切るには食料の貯蔵が重要となり、塩漬けや燻製などの保存技術が発展しました。
北の地域では、トナカイの肉、西の海岸沿いでは鮭やニシンなどの食品が、保存できるように加工されています。そのため、パンも保存を重視して作られています。保存食品は、フィンランドならではの食文化といえるでしょう。豊かな自然のなかでは、野生のベリーやきのこが豊富に採取でき、鮭やマスなどの魚も食卓に並びます。食材はシンプルで、素材の持つ味わいを残した調理法が用いられています。
フィンランドで食事のときに食べられるパンは、ライ麦・小麦・オーツ麦といった穀物で作られたものです。パンに使用されるライ麦や大麦には、食物繊維やビタミンなどの有益な成分が詰まっています。全粒粉や穀物の配合を調整して生地を作るため、噛むほどに味わいが広がるのです。オートミールも朝食として食べられており、穀物が日常的に取り入れられています。自然に根ざした食生活を大切にするフィンランドでは、酪農も盛んであり、チーズやバターのような乳製品を使用した料理も提供されています。食文化において、伝統を継承する意識が国民に根付いているといえるでしょう。

◎フィンランドで親しまれているパン
フィンランドで代表的なのは、ライ麦パンです。サワー種と塩だけを加えるシンプルな製法で作られ、昔から続く伝統的な味わいです。穴のあいたライ麦パンがポピュラーで、これは、天井につるして乾燥させ保管していた名残といわれています。ライ麦粉を使用したパンは酸味があり、小麦粉だけで作ったものよりも味が強い印象です。また、身が詰まって重めの食感となる点も特徴です。ライ麦パンにふんわりとした食感はありませんが、バターやチーズを塗ったりスープと一緒に食べたりと、食事のときには欠かせない存在です。
そのほかに親しまれているパンとしては、カルヤランピーラッカがあります。国民食といわれるほど馴染み深く、普段の食事から結婚式などの特別なシーンまで広く提供されています。ミルクで煮たお粥やじゃがいもを包んで焼き上げ、甘みのないパイのような味わいです。船をイメージするなど形は数多くあり、ゆで卵とバターを混ぜてトッピングします。
リエスカは、オーツ麦や大麦といった穀物で生地を作り、平たく成形したパンです。パン生地を発酵させないため、もちもちとした食感が特徴です。なかには、じゃがいもを生地に練り込んで作ることもあり、しっとりとして甘みのある味わいが感じられます。リエスカは工程が容易な分、家庭でも頻繁に作られています。カウレイパはオーツ麦を使用して作られていて、酸味が少なく食べやすいパンです。
ナッキレイパは完全に乾燥させる製法のため、一般的なパンほどのやわらかさはありませんが、保存性は高くなっています。ライ麦・水・イースト・塩とシンプルな材料で作られ、バリバリと硬い食感で食べ応えがあります。バターを塗ったり食事に合わせたりと、さまざまな楽しみ方が可能です。フィンランドでは気候を活かした作物がパンにも取り入れられ、多様な形で提供されています。

◎フィンランドのパン作りのポイント
フィンランドで広く食べられているライ麦パンは、ライ麦粉を多く使用します。ただし、ライ麦粉のみで作るとグルテンが形成されず、パン生地がつながりにくくなるため経験が必要です。グルテン形成されない分、パン作りでは、乳酸発酵によって出る粘りを利用します。ライ麦パンを作る場合は、ライ麦の配合を50%以上にすると手にまとわりつき捏ねにくくなります。家庭では10~30%程度に調整すれば、パン生地を扱いやすくなるでしょう。
ライ麦は、水分の吸収率が高い分べたべたした生地になるため、配合が大切です。パン作りの際は、温めた牛乳やサワーミルクに材料を混ぜ合わせてしっかりと捏ねてください。一次発酵させた生地を型にいれ、二次発酵したら焼き上げます。フィンランドでは、ライ麦粉と水で作る発酵種のサワー種を使用していますが、ヨーグルトでも代用可能です。ヨーグルトをパン生地に混ぜ込めば乳酸がパンの発酵を助け、ふんわりとした食感を作り出してくれます。
ライ麦には、細く挽いたタイプから中挽き・粗挽きがあり、挽き具合によってパンの風味が異なります。小麦粉と混ざりやすくパン生地として扱いやすいのは、細挽きタイプです。ライ麦は食物繊維やビタミン・ミネラルが豊富ですが、配合によってはあまり膨らみません。ただし、ライ麦の効果で翌日もしっとりとした食感が楽しめるうえに、栄養価が高いため健康面での効果も期待できます。食べやすい配合を探したり、食べ方を工夫して取り入れたりするとよいでしょう。
クリームチーズやレバーパテなどのスプレッドを塗れば、独特の酸味もアクセントになり食べ進められます。しっかりとした食感を守るべく、フィンランドでは薄くスライスしたりサンドイッチにしたりして食べています。こうすることで、ライ麦の香ばしさと具材が絶妙なバランスで味わえるのです。

◎まとめ
フィンランドの自然を大切にする姿勢は、パン作りにも活かされています。フィンランドのパンは伝統的な食文化を感じさせてくれるでしょう。KOKIでは、パン作りに欠かせない製パン機械の開発・販売を行っています。ご興味のある方は、お気軽にお問い合わせください。
