独自の食文化を育むチリのパンの特徴とは
◎チリの食文化に根付いたパン
チリの西側は太平洋に面し、東はアンデス山脈を通じてアルゼンチンと接しており、南北に4,300キロメートル続く細長い国土となっています。南半球にあり、日本とは季節が反対の国で、細長い地形のため緯度の違いや高低差が大きく、北は砂漠で南は雨が多い気候です。たとえば、夏に30℃を超える日があれば、冬は0℃近くまで気温が下がるなど、寒暖差が大きくなっています。このような気候をいかして多様な農林水産業を展開し、ワイン・果実・水産物を広く世界に輸出しています。温暖で乾燥した気候や豊富な水がある環境は、高品質なぶどうの生産を可能にします。害虫が少なく、多くはオーガニック栽培で生産され、そのぶどうをもとに作られるチリのワインは有名です。
チリの南北に細長い地形は、気候の変化をもたらすだけではなく食文化にも影響します。北部や中部、南部では異なる食文化が育まれています。チリの食文化は、スペインによる植民地時代の影響を受けており、異国文化も混ざり合っている点が特徴となっています。基本的によく利用される食材は、とうもろこしやじゃがいも、豆類です。海に面した地域もありますが、魚介系は価格が高めとなっているため、肉が好んで食べられています。伝統的な食事は塩とレモンでシンプルに味付けられ、スペインから伝わった料理は濃い味に調理されます。クミンや唐辛子などの香辛料で味付けした料理も人気です。
そのような食文化を持つチリでは、消費量が南米で最大といわれるほどパンを食べています。朝食や昼食の付け合わせに加えて、夕方まで1日中パンが食卓に並ぶのです。チリ特有の食事形態で、オンセと呼ばれる時間があります。オンセは、パンをベースにした軽い食事を意味し、家族や友人で集まり、1日を振り返る大切な時間となっています。異国の文化も取り入れつつ自国の伝統を守り続け、その食文化にパンが根付いているのです。

◎チリを訪れたら食べたいパンの種類
チリでは1日に何度もパンを食べるため、種類も豊富に作られています。食事で提供されることの多いパンは、やわらかいマラケタです。小麦粉と塩、酵母によって作られるフランスパンで、外側はカリっと、なかはふんわりしています。エンパナーダは具入りのパンで、見た目は大きな餃子のような形です。なかに詰める具材は、鶏肉や牛肉が定番となっています。牛肉や玉ねぎをクミンなどの調味料で調理し、ゆで卵とオリーブを包んで焼きます。皮には小麦粉やとうもろこし粉が使われ、揚げたり焼いたりとさまざまな味わいが楽しめます。エンパナーダは軽食として食べられるため、屋台などで購入し食べ歩く人もいるほどです。ほかにも、冬に定番のパンとしてソパイピージャがあげられます。カボチャ生地の揚げパンで、ケチャップや粉砂糖など多様なトッピングと合わせて食べる、家庭の味として人気のパンです。
小麦粉ではなく、重曹入りのとうもろこし粉で作られたトルティージャというパンもあります。とうもろこし粉は料理でも使われることが多く、ペーストにして具材を混ぜ込むなど、地域ごとに工夫されています。街の出店では多くのパンが売られており、鶏肉を挟んで食べるチュラスカという平たいパンもそのひとつです。また、スパイシーなホットドッグのコプレトも人気となっています。ソーセージやアボカド、トマトにピクルスを挟んだパンに大量のマヨネーズがかかっています。バリエーション豊かなパンも人気ですが、パン自体をレシピに合わせて調理することもあります。海辺の町で提供されるチュペデマリスコスは、炒め煮したパンと牛乳にシーフードを入れ、スイートコーンをのせたグラタンです。スペインとアンデスの食文化が混ざったレシピで、パンが料理の一部となっています。

◎チリを代表するパンの作り方
チリを代表するパンのマラケタは、やわらかく噛むほどに小麦の味わいが感じられます。材料は強力粉にイースト、砂糖、塩で、作り方もシンプルです。まずはボウルに材料を入れて混ぜ合わせ、ぬるま湯を加えて捏ねます。生地のべたべたがなくなり表面がピンと張るくらいまで捏ねたら、1次発酵させます。成形して2次発酵させ、生地を少し濡らして200℃のオーブンで焼いてください。軽く濡らすことで、表面の水分がパン生地のでんぷんに反応し、加熱されたときに糊化します。その結果、焼き上がりの表面がパリッとするのです。表面の水分はパンの乾燥を防ぐ作用もあり、生地が膨らみやすくなる効果をもたらしてくれます。マラケタは、丸くした生地を2個ずつくっつけて並べた形が特徴的で、ハムやチーズを挟み朝食として食べられています。チリ風のアヒージョや煮込み料理に添えてたっぷりと浸して食べれば、美味しいスープがしみ込むでしょう。
家庭の味として親しまれているエンパナーダは、パイのようにサクサクしている具入りのパンです。発酵させる必要がなく、気軽に作れる点が家庭で親しまれている理由です。パン生地には薄力粉、水、塩と油に卵を使用します。薄力粉を使うことでサクサクした軽めの食感を生み出しますが、より贅沢な仕上がりにしたいときは、油の代わりにバターを使います。材料を混ぜ合わせたら、表面がつやっぽくなるまで生地を捏ねてください。耳たぶくらいのやわらかさになったら、濡れた布巾かラップをかけて10分ほどベンチタイムをとります。生地を2mmほどの薄さになるまで伸ばしたら10cmほどの大きさに丸くくりぬきます。閉じるときがポイントで、餃子のように具材を包んで縁をねじりますが、具材が端に挟まっていると油分でしっかりと閉じられません。中身が出てきてしまうため、注意が必要です。縁を5mmくらい指で押さえて閉じ、後ろから折り曲げるようにねじると、綺麗に包めます。最後は溶き卵を塗り、200℃のオーブンで焼き上げます。パン生地の味があっさりしているため、中身はインパクトのある味付けにするのがおすすめです。

◎まとめ
チリでは独自の食文化を発展させ、そのなかでパンは常に重要な位置を占めてきました。このように世界で親しまれているパン作りには、品質を維持しながら大量生産ができる製パン機械が欠かせません。KOKIで開発・販売している製パン機械について知りたい方は、お気軽にお問い合わせください。
