多加水パンは生地の扱いが難しい!均一に生地を分割できる分割機の役割
◎多加水パンの特徴と作り方
多加水パンとは、パン生地の水分量が多く、しっとりとした食感に仕上がるパンをいいます。一般的に、パン生地の水分量が全生地の60%~80%のパンを、多加水パンと呼びます。生地の水分量が多いと粘りが強くまとめにくいため、多加水パンを捏ねあげるには、水分量が低いパン生地よりも高度な技術が必要になります。
多加水パンを焼き上げると、外側はカリッと内側はしっとりとした仕上がりになります。多加水パン特有の高水分の生地は、通常の水分量の生地より発酵が進みやすいため、風味が豊かになるという性質があります。また水分量が多いので気泡が大きく、軽い食感になります。さらに、外側が硬く内側がしっとりとしている多加水パンは、生地の保水率が高く、硬い外側が水分を逃がさない構造になっています。そのため多加水パンには、水分が抜けにくく日持ちが長くなるという特徴があります。
多加水パンの生地で作られる馴染みのあるパンの種類には、バゲットやパテ・ド・カンパーニュ、フォカッチャなどがあげられます。どれも表面はやや硬めで、内側は軽めの食感に仕上がるパンばかりです。パテ・ド・カンパーニュは、酸味と独特の風味がありますが、内側の生地が軽めの焼き上がりのため副菜と合わせやすく、食事パンとして世界各国で愛されています。
多加水パンの一般的な作り方は、小麦粉、水、イースト、塩などの材料を準備して混ぜ合わせます。混ぜ合わせるときは、水分量が多いため混ぜ方に工夫が必要です。多加水パンの生地を捏ねる際は、通常のパン生地を捏ねるときよりも長時間捏ねたり、パン生地を傷つけないように優しく混ぜ込むなど、手間をかける必要があります。多加水パンの生地作りが上手くいかない場合、使用する水を変えてみるという方法があります。日本の水道水は軟水ですが、多加水パンであるパテ・ド・カンパーニュやバゲットなどは、硬水がメインのフランスなどで広く作られています。現地の環境を再現するために、市販の硬水を購入して多加水パン生地を作成すると、捏ね上げ作業がしやすくなり生地のまとまりがよくなります。

◎多加水パンの生地の分割に役立つ分割機
多加水パンは、その水分量の多さからパン生地の扱いが非常に難しく、手作業による分割などには、高度な技術が必要となります。また家で多加水パンを焼き上げる場合は、ひと晩寝かせている間に多加水パン生地の発酵を進ませるオーバーナイト法を用いることができます。しかし、中規模以上の生産工場で効率的に安定した供給を叶えるためには、各工程にかかる適切な時間配分や作業負担なども考慮しなければなりません。
製パンの現場で多加水パンの均一な焼き上がりを維持するためには、分割機などの製パン機械の投入が欠かせません。分割機は、パン生地を一定の大きさに分割するための製パン機械です。分割機を使用するなら、扱いの難しい多加水パン生地も均一に分割でき、焼きムラを防げます。手作業と比較して、作業にかかる時間も大幅に短縮でき、安定した生産が可能になります。
分割機には、生地を投入するための大きな投入口があり、材料を捏ねてひと固まりになったパン生地を投入します。次に、生地を分割するための刃やローラーが設置されている箇所にパン生地を移動し、パン生地に圧力がかけられ均一にカットします。この分割の工程は、人の手で行うと均一性が保てなかったり多くの時間がかかるなど、大幅にコストが増加しやすい作業です。分割機で均一に分割されたパン生地は、次の工程に向かうためにトレイやコンベアに乗せられて進みます。分割機を導入するなら、安定した品質の多加水パンを生産できます。

◎分割機を選ぶ際のポイント
分割機はデバイダーとも呼ばれており、パン生地の質や用途、工場の規模などに応じてさまざまな製品が提供されています。そのため、パンの製造規模や目的に合わせて、適切な製品を選択する必要があります。分割機を選ぶ際は、品質や機能性、メンテナンスのしやすさなど、さまざまな面から慎重に検討を進めましょう。
分割機の導入を検討する際、とくに注目したいのがメンテナンスのしやすさや操作性です。手作業より簡単に高クオリティな品質で生産できる分割機ですが、操作やメンテナンスの難易度が高いと、コストにつながってしまうので注意が必要となります。清掃空間がどれぐらい確保できるのか、オイル使用量がどの程度かといった点も、比較検討しなければなりません。
KOKIで製造している、多加水パン生地にも対応できる小型サーボ分割機は、4つのポケットで分割重量が25g~120gの場合、毎時900個~4,560個に生地を分割できます。
( ※多加水生地ついては2ポケット~2,280個/時間が最大となります。)
そのため、中規模以上の生産ラインにも対応可能です。またサーボ制御機能により、さまざまなタイプの生地に合わせて適切な圧力で分割できます。手作業では分割が難しい多加水パン生地を均一に分割できるだけでなく、定番の食パンや菓子パンなどの生産にも対応可能な分割機です。すべての分割をプログラム化しているため、安定した分割をシンプルな構造で実現できます。メンテナンス性にも優れており、コンベアは単体で簡単に着脱できるため、清掃できる空間が拡大されてメンテナンスの作業負担を軽減することができます。またKOKIで製造している分割機には、従来品と比べてオイル使用量を50%削減できる製品もあり、導入や買い替えの際のコストカットにつながります。
◎まとめ
多加水パンの生地を捏ねあげて分割し、焼き上げるには高い技術が必要です。とくに分割は、扱いが難しく失敗しやすい工程となっています。KOKIでは、多加水パンにも対応できる分割機など、さまざまな製パン機械の開発や製造を行っています。ご興味がありましたら、お気軽にお問い合わせください。

