無形文化遺産にも登録!レバノンのパンの魅力とつくり方
◎無形文化遺産に登録されているレバノンのパン
レバノンは、日本の四国とおおよそ同じ緯度に位置している中東の国で、シリアとイスラエルに囲まれています。レバノンの面積は、それほど広くありません。日本でたとえると、岐阜県と同じくらいの広さです。岐阜県の人口は200万人以下なのに対して、レバノンの人口は500万人以上になるため、比較するとレバノンの人口密度の高さが分かります。面積は小さいものの、レバノンには6件もの世界遺産が登録されています。カディーシャ渓谷と神の杉の森、アンジャル、ビブロス、バールベック、ティルス、トリポリのラシード・カラーミー国際見本市会場です。
レバノンの伝統的なパンであるアル・マヌーシェは、無形文化遺産に登録されています。無形文化遺産とは、慣習や技術、表現など、形のない文化遺産として認められているものを指しています。伝統的なパンが無形文化遺産に登録されるほど、レバノン国民にとってパンは大切な存在といえます。レバノンのパン屋さんでは、注文すると店内の窯でパンを焼いてくれます。焼きたてのパンが楽しめるのも、レバノンのパン屋さんの魅力です。また、レバノンのほとんどのスーパーでは、ホブスというパンが販売されています。ホブスはレバノンの主食です。日本で食事に白米が欠かせないように、レバノンではホブスが大切な主食となっています。

◎代表的なレバノンのパンの種類
レバノンの代表的なパンには、食材を巻いたりペーストをディップして食べるシンプルなパンと、ピザのように食材をのせて食べるパンがあります。レバノンで人気のあるシンプルなパンは主食でもあるホブスで、レバノンでは定番となっています。ホブスは、厚みが約1ミリの非常に薄いパンなので、食べ応えがないように感じますが、生地がモチモチしていてさまざまな食材を巻いて食べられるため、主食に選ばれています。ペーストをつけたりチキンや豆、野菜などを巻いて食べますが、なにも巻かずにそのまま食べることもあります。ほかにも、ラバシュというシンプルなパンも人気です。ホブスと同ようにパン生地が薄く、丸い形が特徴のパンですが、モチモチした食感ではなくパリッとしています。なにもつけずにそのまま食べることもありますが、肉や野菜、チーズと一緒に味わうこともできます。
ピザのように食材を上にのせて食べるパンには、無形文化遺産に登録されているアル・マヌーシェがあります。レバノンでは、朝食や前菜として食べられています。パン生地は丸く、チーズや肉をのせて食べるため、見た目はピザに似ています。ほかにも、レバノンで朝食として食べられているパンは、マナイーシです。昼食やおやつとしても食べられています。ラム肉やチーズをのせたり、ザアタルとよばれるスパイスをかけるなど、アレンジして食べられるのが特徴のパンです。スフィーハは、軽食としても食べられているパンで、店舗によってパンの厚みや大きさが異なるので、それぞれのパン屋さんならではのスフィーハが楽しめます。パン生地の上にトマトやひき肉をのせて焼いたり、松の実やレモン汁を加えたりして味わいます。

◎レバノンで親しまれているパンのつくり方
レバノンの代表的なパンは、比較的シンプルなつくり方で、材料もパンづくりに必要な基本的な食材と変わりません。日本の総菜パンやピザのつくり方に似ています。
◯ホブス
レバノンの主食で、レバノン国民がよく食べているホブスをつくる材料は、強力粉、水、ドライイースト、砂糖、塩です。まず、水以外の食材を均等に混ぜます。泡だて器を使って混ぜるのもよいでしょう。材料がよく混ざったら、水を少しずつ加えます。生地がまとまりだしたときが、手でこねるタイミングです。パン生地をこねる回数が少ないと、グルテンがしっかりできずに失敗してしまうことがあるため、手でしっかりとパン生地をこねると、おいしいパンをつくれます。パン生地をこね終わったら30分ほど発酵させ、発酵させた生地を麺棒で薄くのばして焼きます。この焼く工程で重要なポイントが、オーブンではなくフライパンで焼くことです。フライパンで片面を焼くと、パン生地に空気が入って1分も経たないうちにぷっくり膨れてきます。パン生地に火が通ったらひっくり返しますが、裏面はフライパンでは焼かずに火で軽く炙ります。軽く焼き目がついたら完成です。そのままでもおいしいですが、お好みで好きな具材を巻いて食べるのもよいでしょう。
◯ラバシュ
ラバシュは、パリッとした食感が特徴のパンです。ホブスと同ように、材料は基本的なパンと変わりありません。ラバシュの材料は、強力粉、ドライイースト、塩、水です。店舗によっては、オリーブオイルを使用している場合もあります。まずは、水以外の材料を均一になるまで混ぜます。次に、水を少しずつ加えて、まとまってきたら手でこねます。ホブスと同ように、パン生地はよくこねて、こね終わったパン生地を約30分発酵させます。発酵が終わったら生地をのばしますが、のばす工程がラバシュづくりで重要なポイントです。ラバシュは薄いパンなので、生地をしっかりと薄くのばしてから、オーブンで焼かなければいけません。焼きたてのパンはまだやわらかい状態ですが、時間が経って冷めるとパリパリになります。乾燥しているため、保存にも優れています。そのままでもおいしいですが、肉やチーズ、野菜と一緒に味わえるパンです。

◎まとめ
レバノンでは、パンが主食として親しまれており、無形文化遺産に登録されているパンもあります。世界で親しまれているパンづくりには、製パン機械が便利です。KOKIでは、さまざまなパンづくりに対応する製パン機械の開発や製造を行っています。お気軽にお問い合わせください。
