短時間で手軽にできる!ベーキングパウダーを使ったパン作りのポイント
◎ふっくら焼き上がるパン生地の理由
そもそもパンはなぜふっくらと焼き上がるのか、その理由にはパン生地の材料のひとつである、イーストが関係しています。イーストは酵母菌の一種で、パン生地に含まれる糖類を分解する性質があります。糖を分解する際に発生した炭酸ガスが、パン生地をふくらませるのです。これが発酵と呼ばれる工程ですが、一定の時間イーストが活動しやすい温度を保つ必要があるため、時間と手間がかかります。
ベーキングパウダーは、炭酸ガスを発生させる重曹に保存時のガス発生をおさえる原材料を加えたものです。ベーキングパウダーに水分や熱を加えると炭酸ガスが発生し、パン生地をふくらませます。イーストによって発酵させなくても、パン生地をふくらませることができるため、ベーキングパウダーを使ったパン生地作りでは時間と手間がかからないのです。
とはいえ、イーストで作るパン生地レシピをベーキングパウダーに置き換えただけでは、おいしいパンはできません。ふくらみが足りず、目のつまった硬いパンになってしまいます。これは、ベーキングパウダーのパン生地をふくらませる力が、イーストより弱いためです。ベーキングパウダーを使ったパン生地作りでは、上手に炭酸ガスを発生させて、ふくらみやすいパン生地にする必要があります。

◎ベーキングパウダーで作る伝統的なソーダブレッド
アイルランドでは、古くからベーキングパウダーを使ったパンが作られています。およそ200年前から作られてきた、ソーダブレッドと呼ばれる伝統的なパンです。ソーダは、重曹のことを指しています。短い時間で手間なくできるため、家庭で日常的に作られ食べられてきました。
材料は、薄力粉、砂糖、塩、ベーキングパウダー、バター、ヨーグルト、卵です。ボウルに粉類を入れ、泡立て器でよく混ぜます。そこに1センチ角に刻んだ冷たいバターを入れ、バターが豆粒ほどのサイズになるまでフォークや指先で細かくします。別のボウルにヨーグルトと卵を入れてよく混ぜ合わせ、粉類とバターの入ったボウルに入れます。混ぜるときは手でこねずに、ゴムベラを使ってパン生地を折りたたむようにします。大体まとまったら、打ち粉をしたまな板にパン生地を出し、30秒だけ手でこねます。成型時にはきれいに仕上げようとせず、パン生地がある程度まとまった段階で成型完了です。そのため、ごつごつとした仕上がりになります。
天板に敷いたクッキングシートの上にパン生地をのせ、キッチンバサミを使って生地の中央に十字の切れ込みを入れます。190度に余熱しておいたオーブンで焼き、途中で焼き色の様子を見て、足りないようなら最後の3~5分は200度に上げて焼き色をつけます。できあがったソーダブレッドは、粗熱をとってからカットします。あたたかいうちに食べると、外側の食感はかりっと内側はふわっとしています。本場アイルランドでは、シチューと一緒に食べたり、はちみつやバター、ジャムをつけて食べます。翌日になると固くなりますが、電子レンジで20秒ほど温めるとふんわりします。

◎ベーキングパウダーでおいしいパン生地を作るポイント
ソーダブレッドを作るときにまずポイントとなるのが、材料にヨーグルトを使っているという点です。ヨーグルトの酸とベーキングパウダーが合わさると炭酸ガスが発生しやすくなるため、パン生地がふくらみやすくなります。また、強力粉ではなく薄力粉を使い、こねすぎないようにパン生地を成型している点もポイントです。強力粉をこねて作ったパン生地の場合、ベーキングパウダーから発生する炭酸ガスではふくらみが悪くなります。
強力粉には、小麦粉をこねることでできる粘り気のもとに、グルテンが形成されやすい性質があります。ベーキングパウダーは、パン生地をふくらませる力が弱いため、粘り気のあるグルテンを持ち上げてパン生地をふくらませることができません。そこで、グルテンが形成されにくい薄力粉を使いつつ、こねすぎないようにしてグルテンの形成を防ぐと、ふくらみやすいパン生地を作れるのです。
生焼けを防ぐために切れ込みを入れるという点もポイントとなります。ベーキングパウダーから発生する炭酸ガスはパン生地を持ち上げる力が弱いため、ひとつひとつの気泡が小さく、なかまで熱がとおるのに時間がかかります。そのため、パン生地の中央に切れ込みを入れると熱のとおりをよくして、しっかり焼き上げることができます。このようなポイントに注意して作るなら、ベーキングパウダーを使って時間と手間をかけずにおいしいパンを作れます。慣れてきたら、パン生地にナッツやドライフルーツを混ぜたり、成型時に分割してプチパンにするなど、アレンジしながらパン作りが可能です。
ソーダブレッドのレシピでは冷たいバターを使用しますが、バターの代わりにサラダ油や菜種油など液体の油を使うと、さらに短時間で手軽に作ることができます。サラダ油を使用する場合は、ヨーグルトと卵を合わせた液体に油を混ぜてから、粉類を合わせたボウルに投入します。パン生地のふくらみは少し減りますが、素材のおいしさが味わえる素朴なパンができます。

◎まとめ
ベーキングパウダーを使用すると、短い時間で手間なくおいしいパンを作ることができます。KOKIでは、さまざまなパンの製造に必要な製パン機械の開発・販売をしています。製パン機械の導入について検討されている方は、当社までお気軽にお問い合わせください。
