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パン生地が扱いやすくなる!オートリーズ法のメリットとバケットレシピ

オートリーズ法は、パンづくりの製法のひとつです。こねる前に、小麦粉と水を混ぜ合わせてしばらく置くという工程を追加するだけで、なめらかでつややかなパン生地ができあがります。この記事では、オートリーズ法のメリットや基本のレシピをご紹介します。

◎オートリーズ法の歴史と特徴

オートリーズ法は、フランスのパン研究家レイモン・カルヴェル教授が、1974年に提唱した製パン技術です。フランスでは、1950年代からパン生地を大量かつ高速にこねる製パン機械が普及しはじめ、1970年ごろには製パンの現場で広く用いられるようになっていました。生産性が向上する一方で、従来のフランスパンの香りや風味、自然な甘みが失われていきました。カルヴェル教授は、伝統的なフランスパン本来の味わいをつなぐ製法として、オートリーズ法を考案したのです。

 

オートリーズという言葉は、日本語で「自己融解」という意味で、パン生地が自然と変化することを意味しています。オートリーズ法では、粉と水を混ぜ合わせたあと、数十分間休ませます。そうすることで、小麦粉の酵素であるプロテアーゼやアミラーゼなどが、デンプンやタンパク質を分解します。粉が芯までしっかり水和して無理なくグルテンが形成され、生地が自然とゆるんで扱いやすくなるのが、オートリーズ法の特徴です。

オートリーズ法の歴史と特徴

◎オートリーズ法と従来法のパンづくりの違い

パンづくりにおけるオートリーズ法と従来法の大きな違いは、グルテン形成や発酵の管理方法にあります。従来法では、強い力で長時間こねることでグルテンを形成しますが、オートリーズ法では粉と水を先に混ぜて一定時間休ませることで、自然なグルテン形成をうながします。また、酵母を投入するタイミングも異なり、従来法では最初から加えるのに対し、オートリーズ法ではあとから加えます。

 

従来法では、最初に材料を合わせるときに酵母も加えるため、こねる工程でグルテンが形成されている途中で発酵がはじまります。そうすると、グルテン膜のなかにイーストが発生する炭酸ガスが上手に包み込まれる箇所とそうでない箇所ができ、発酵ムラや過発酵が起こりやすくなります。それに対し、オートリーズ法ではグルテン形成後に酵母を加えて、発酵を開始させます。そのため、すでにできあがっているグルテン膜に炭酸ガスが包み込まれ、まんべんなく全体に均一な気泡ができます。このような違いは、オートリーズ法でのパンづくりにおける作業性や安定性に関係しています。

オートリーズ法と従来法のパンづくりの違い

◎気軽においしいパンが焼けるオートリーズ法のメリット

こうした工程の違いにより、オートリーズ法を用いるとパン生地づくりの作業性が向上し、パンの焼き上がりもよくなります。オートリーズ法を取り入れることで、こね時間が短く済み生地が扱いやすくなります。こねる工程で時間と強い力をかける従来法では体力や技術力が必要ですが、オートリーズ法では必要ありません。オートリーズ法で自然にグルテンが形成されたパン生地は、こね時間が大幅に短くなり、強い力を加えなくてもなめらかで整った仕上がりになります。また、グルテンが無理なく形成されているため、パン生地が必要以上に硬くなったりべたつくといった失敗が起こりにくいのも特徴です。

オートリーズ法のメリットはそれだけなく、オートリーズ法を用いることで発酵が安定し、パンの食感が格段によくなります。オートリーズ法では、発酵時にでる炭酸ガスの気泡が均一になるため窯伸びが良くなり、焼き上がりが美しく、口あたりの軽いふっくらとしたパンに仕上がります。さらに、休ませている間に酵素が活性化して小麦粉のデンプンが分解され、糖がつくられます。この糖により、焼成時にメイラード反応が起こります。メイラード反応が上手にでるとパンの焼き色は美しく、香ばしい香りがし、味わいは奥深くなります。オートリーズ法でつくったパンは見た目が美しく、味もおいしいのです。失敗しづらく、仕上がりが安定しているオートリーズ法は、製パンの現場だけではなく、家庭にも取り入れやすい製パン法といえます。

気軽においしいパンが焼けるオートリーズ法のメリット

◎家庭でできるオートリーズ法のバゲットレシピ

家庭でも手軽に試せる、オートリーズ法によるバゲットレシピがあります。材料は、準強力粉250g、水170g、ドライイースト2g、塩5gで、水と粉は20〜22℃の室温にしておきます。オートリーズ法では、パン生地の温度が安定しやすい陶器やガラス製のボウルを使うとよいでしょう。まず粉と水をボウルに入れ、数回に分けて水を加えながら手で軽くまとめます。オートリーズ法ではここではこねず、均一に混ざれば完了とします。まだイーストと塩は入れません。まとめたパン生地は、ラップや濡れ布巾で覆い、20〜24℃の室温で30分休ませます。

30分休ませたら、イーストと塩を順に加えて手で混ぜ、パン生地を作業台に移して5〜10分ほど優しくこねます。オートリーズ法では、強くこねることはしません。べたつく場合は、カードを使ってまとめながら行います。生地がつるりとまとまったら丸め直してボウルに戻し、24〜26℃で90〜120分発酵させます。途中2回パンチを入れるとパン生地の強度が増し、発酵ムラも防げます。2倍に膨らみ、指で開けた穴が戻らなければ発酵完了です。

発酵したパン生地を2分割してから丸め、15〜20分ベンチタイムをとります。そのあと、パン生地を軽く押してガスを抜き、長方形に整えてから三つ折りにしてなまこ型にします。さらに手のひらで転がして長さ30cmのバゲット型に仕上げます。オーブンシートにのせ、ラップまたは布巾をかけて30〜40分二次発酵します。発酵中にオーブンに天板を入れて、250℃で予熱します。発酵が終わったらクープを3本入れ、霧吹きで水を吹きかけて、230〜240℃で25分焼きます。底を叩いて空洞音がしたら焼き上がりです。網にのせて粗熱をとります。外側は香ばしく、内側はしっとりした、風味豊かなバゲットが完成します。

家庭でできるオートリーズ法のバゲットレシピ

◎まとめ

オートリーズ法を用いると、扱いが難しいフランスパンのパン生地も扱いやすくなります。KOKIでは、さまざまなパンづくりの製法に適した、製パン機械の開発や製造を行っています。オートリーズ法に適した製パン機械にご興味がありましたら、お気軽にお問い合わせください。

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