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パン屋で使われる業務用オーブンの役割と種類とは?

パンの焼成は、食感や風味に直結する重要な工程です。外はパリッと、中はふわっと仕上げるためには、パンの種類によって温度や時間を調整する必要があります。この記事では、パンを焼き上げるオーブンの種類や選び方をご紹介します。

◎パンの焼き上がりを左右するオーブンの役割

パンの焼成は、生地に火を通すだけの工程ではありません。パンの膨らみや食感、焼き色、さらには香りまでを左右する、重要な最終工程です。焼き上がりを安定させるために、使用するオーブンの性能や特性を見極めて選ぶことが欠かせません。焼成能力によって、パンの膨らみ方や焼き色、作業効率が大きく変わるためです。

発酵したパン生地をオーブンの庫内に入れると、生地温度が60度に達するまで発酵を続けます。これは窯伸びと呼ばれる現象で、生地の中に含まれているガスが熱によって膨張し、パンが大きく膨らみます。このとき、オーブンの温度が十分に高く、熱がしっかり伝わるほど力強い窯伸びが起こり、軽くふんわりとした食感に仕上がります。生地温度が60度前後になるとイースト菌の活動は止まり、その後は焼成の工程へと移ります。生地に含まれる水分が蒸発し、デンプンやたんぱく質が熱によって固まることでパンの骨格が形成され、形が安定していきます。同時に表面ではメイラード反応などが起こり、香ばしい焼き色と豊かな香りが生まれます。もし庫内の温度が低すぎたり、熱が均一に回らなかったりすると、パンの膨らみが弱くなったり、焼き色にむらが出たりすることがあります。

とくに、1度に大量のパンを焼き上げるベーカリーでは、庫内温度の安定性と熱の均一な循環が欠かせません。オーブンの扉を開閉しても温度が急激に下がらないことや、庫内のどの位置に置いても同じように焼き上がることが重要になります。たとえ同じ生地を使っていても、オーブンの性能によって焼き色や膨らみ方に明らかな差が生じ、パンの食感や見た目といった仕上がりを大きく左右します。

こうした理由から、ベーカリーや製パン工場では一般的に業務用オーブンが使用されています。業務用オーブンにはデッキオーブンやコンベクションオーブンなどいくつかの種類があり、パンの種類や生産量、求める仕上がりに応じて使い分けられています。機種によって熱の伝わり方や蒸気の使い方が異なるため、焼き色のつき方や水分の残り方にも違いが生まれ、パンの表情や食感に個性を与える要素のひとつになっています。

パンの焼き上がりを左右するオーブンの役割

◎パン屋で使われる業務用オーブンの種類

業務用オーブンは、種類によって加熱方法や焼成の仕組みが異なります。特徴を理解しておくことで焼きたいパンの種類や生産量に合った設備を選びやすくなります。

⚪︎安定した焼成ができるデッキオーブン

パン屋で広く使われている定番のオーブンです。庫内は段ごとに区切られており、上下のヒーターと炉床の蓄熱によって各段を個別に調整しながら焼成できます。炉床がしっかりと熱を蓄える構造になっているため、扉を開けても庫内の温度が下がりにくく、安定した焼成ができるのが特徴です。炉床から伝わる強い下火によってパンの底面がしっかりと焼き上がるため、クラスト(外皮)が香ばしく仕上がりやすく、バゲットやカンパーニュなどのハード系パンとの相性がよいとされています。蒸気を入れて焼くスチーム機能を備えた機種も多く、クープを美しく開かせる焼成が可能です。食パンや菓子パンなども焼けるため、小規模から中規模のベーカリーでは主力設備として導入されることが多く、幅広い製パンに対応できるオーブンといえます。

⚪︎熱風を循環して焼き上げるコンベクションオーブン

庫内に設置されたファンで熱風を循環させながら焼き上げるのが特徴です。ファンによって庫内全体に熱が広がるため、温度の立ち上がりが早く、短時間で一気に焼き上げることができます。熱風によって均一に加熱されるため、天板に並べたパンを効率よく焼くことができ、焼きムラが出にくい点がメリットです。ただし、パン生地に熱が加わるのが早いため、窯伸びでボリュームが出にくい場合があります。そのため、デニッシュや菓子パン、マフィン、クッキーなどの焼き菓子を効率よく焼く用途に向いています。一方で、扉を開けると庫内の熱が逃げやすく温度が下がりやすいため、焼成中の開閉には注意が必要です。省スペースで設置できる機種も多く、ベーカリーの補助オーブンやカフェ併設店舗などで導入されるケースも多く見られます。

⚪︎大量のパンが焼けるラックオーブン

天板を載せた台車(ラック)ごと庫内に入れて焼く大型設備です。ラックごと入れることができるため、1度に大量のパンを焼くことが可能で、中規模から大規模のベーカリーや製パン工場でよく使用されています。機種によってはラックを回転させながら焼成するタイプもあり、庫内の熱を均一に当てることで焼きムラをおさえる仕組みになっています。大量の天板を1度に焼くことができるため、食パンや菓子パンなどを効率よく焼成できるのが大きな特徴です。パンだけでなく、クッキーやケーキなどの焼き菓子の焼成にも対応できるため、多用途の設備として使われることも多く、大量生産を行う店舗では欠かせない設備のひとつとなっています。

⚪︎コンベア式でパンを焼くトンネルオーブン

コンベアの上をパン生地が流れながら焼き上がる連続式の焼成方式です。入口から生地を投入すると、コンベアによって自動的に焼成工程が進み、出口から焼き上がったパンが順に出てくる仕組みになっています。人の手で天板を出し入れする必要がないため、長時間の連続運転が可能で、大量生産に適した設備です。焼成時間や温度はライン全体で管理できるため、同じ条件で安定した焼成ができる点も特徴です。パンや菓子の大量生産ラインで使われることが多く、24時間稼働する製パン工場や大手メーカーの生産設備として導入されています。大量の製品を均一な品質で焼き続けることができるため、工業的なパン製造では欠かせないオーブンといえます。

パン屋で使われる業務用オーブンの種類

◎パン屋のオーブン選びでおさえるべきポイント

業務用オーブンを選ぶ際に確認しておきたいのは、どのようなパンを主力商品として焼くのかという点です。パンの種類ごとに必要な火力や蒸気量、焼成時間が異なるため機種選定が品質に直結します。たとえば、バゲットなどのハード系パンは高温で一気に焼き上げる必要があります。一方、菓子パンやデニッシュは庫内の温度が均一に保たれるオーブンだと焼き色が安定しやすくなります。そのため、まずはどのようなパンを生産する予定かを考慮しておく必要があります。

オーブンの大きさも、生産効率に大きく関わります。1度に焼けるパンの量は機種によって大きく変わるため、天板の枚数や庫内のサイズによって1回の焼成量が決まります。あらかじめ販売量を想定して、オーブンを選びましょう。焼成能力が不足すると焼き上がり待ちが発生し、作業効率が下がる可能性があります。反対に、必要以上に大型の設備を導入すると、導入コストや設置スペースの負担が大きくなる場合があります。

使用する熱源には電気式とガス式があり、それぞれ特徴が異なります。電気式は温度管理が安定しやすく、操作もしやすい特徴があります。ガス式は火力が強く、予熱時間が短い傾向にあるため高温焼成が必要なパンに向いています。焼きたいパンの種類や店舗の設備条件を考慮して選ぶことが重要です。

導入に当たっては、コストと設置スペースの慎重な検討も欠かせません。オーブンの種類やサイズによって価格は大きく異なり、とくに大型設備は初期コストが高くなる傾向があります。そのため、現在の予算だけでなく将来の生産計画も見据えて選ぶことが重要です。また、機種によっては相当な面積を占めるため、厨房内の作業動線を妨げない配置計画も求められます。

パン屋のオーブン選びでおさえるべきポイント

◎まとめ

パンの業務用オーブンを選ぶ際は、焼きたいパンの種類や生産量を踏まえて選ぶことが重要です。KOKIでは、さまざまなパン生地に対応した製パン機械の開発・製造を行っています。導入を検討されている方は、お気軽にお問い合わせください。

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