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徹底した温度と湿度の管理ができる!プルファーの選び方

2022年3月8日
今回ご紹介するのは、プルファーと呼ばれる製パンの製造機械です。焼き上げまでにいくつもの工程を必要とする製パンですが、1日に大量のパンを焼き上げるパンメーカーやパン屋さんでは、それぞれの工程に合わせた製造機械を使用し、効率的に作業を行いながら、焼き上げるパンの品質を安定させています。

プルファーとは、どの工程で使用する製パンの製造機械なのか、またプルファーの種類やどのようなプルファーが最適なのかについてご紹介します。
◎プルファーとは
プルファーとは、パン生地を最終発酵させる際に、生地を休ませておくために使用する製パンの製造機械です。
パン生地は、製造するパンの大きさに合わせて分割して丸めたのち、再発酵を行うベンチタイムを設けてから、成型して焼き上げます。分割したあとのパン生地は、グルテンが傷ついた状態になっており、分割で生地に力が加わったことにより生地全体が引き締まって弾力も強くなっています。
その状態でパン生地を伸ばすと、生地に伸展性がないため、グルテンが切れたり生地が縮んだりしてしまい、きれいに成型することができません。そのため分割後のパン生地は、成型する前に10分から20分ほどのベンチタイムを設けて再発酵し、傷ついたグルテンを回復させ、新たな発酵ガスを発生させることで、生地がゆるみ柔らかく伸ばしやすい生地になるようにします。

成型前のこの工程は、パン生地をきれいに成型し、ふっくらとやわらかく膨らむパンを焼き上げるために大切です。プルファーは、このベンチタイム中のパン生地を、再発酵に適した環境で休ませておくことができる機械です。パン生地の最終発酵は、発酵の働きを活発にするために一定の温度と湿度が必要になりますが、プルファーを使用することで、温度と湿度を管理し、高温多湿の最適な環境を保った、密閉した空間を作ることが可能になります。

◎プルファーの種類
プルファーには、街のパン屋さんに置けるような中型サイズのプルファーと、パン工場で使用するような大型サイズのプルファーがあります。

まず中型サイズのプルファーは、縦長の冷蔵庫のような四角い箱型で、中に何段もの段があり、たくさんのパン生地を休ませておけるような仕様になっているものが多いです。ヒーターやスチームなどの装置を使って温度と湿度を管理して、パン生地を置いた庫内に最適な空気を送り、発酵に適した環境を保つことができるようになっています。
プルファー内の温度や湿度は、パン生地に合わせて自由に設定することが可能です。パン生地の発酵具合が見えるよう、ガラス扉になっているプルファーや製造する量に合わせてサイズや内部の構造を選べるプルファーなどもあります。

続いてパン工場で使用するような大型タイプのプルファーは、製パンの製造ラインに組み込んで設置することができ、分割した生地を丸める丸目機と呼ばれる機械から、丸められたパン生地がそのままプルファーに流れていくようにすることが可能です。
大型のプルファーは、たくさんのラックがついていて生地を置けるタイプやたくさんのバスケットにパン生地を入れて、バスケットを移動させながら休ませるプルファーなど、仕様はさまざまです。
大量のパン生地を、設定した温度と湿度の環境で一定の時間置いて休ませることができ、設定した時間休ませたパン生地は、そのままガス抜きのための機械に等間隔で排出され流れていくようにすることができます。

◎最適なプルファーとは
最適なプルファーを選ぶ際、製造量に合わせた大きさ以外にも、知っておきたいポイントがあります。
まずは、徹底した温度と湿度の管理ができるという点です。製パンにおいて、最終発酵の工程はパンの焼きあがりを左右するため、製品の品質に大きく関わる工程です。そのため、プルファーによって厳密な温度と湿度の設定や管理ができること、プルファーの庫内でも温度や湿度にムラが出ない均一な環境を確保できることが重要なポイントとなります。

次に、安全性にも配慮する必要があります。食品を扱う機械は、異物混入などがないよう厳重なチェックが欠かせません。異物落下防止や異物除去の対策がされているプルファーを使用したり、ガラス扉や透明なカバーなどにより、内部を目視でチェックできるプルファーを使用したりするなら、安全性を確保することができます。

最後は、清掃しやすいという点もポイントとなります。清掃やメンテナンスがしやすければ、衛生管理が簡単になり、作業時間や人件費の削減にもつながります。中型であれば、ヒーターなどが庫内になく水洗いできるプルファー、大型のプルファーであれば、内部に入って清掃できるようなものがおすすめです。

◎まとめ
プルファーは、分割で傷ついたパン生地を休ませ、伸ばしやすく成型しやすい生地にするための、最終発酵の工程で使用する製パンの製造機械です。プルファーを使用するなら、一定の温度や湿度を保ち、発酵に適した環境でパン生地を休ませることができます。
KOKIでは、機能性が高いだけでなく、メンテナンスしやすく、衛生面や安全面も重視したプルファーの開発・販売を行っています。ぜひお気軽にお問合せください。