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パン生地の冷凍でいつでも焼きたてのパンを!

2022年3月29日
手作りのパンで嬉しいのは、なんといっても焼きたてを食べられることですよね。「パンはやっぱり焼きたてが1番おいしい!」と思われる人は多いのではないでしょうか♪
とはいえ、パンを食べるときに合わせて、いつも生地からこねるのは、なかなか大変です。1度に多くの生地を作って、保存しておけたら便利なのに…と思われる人におすすめなのが、パン生地の冷凍保存です。今回は、パン生地の冷凍について、生地のおいしさを保つ冷凍のポイントや解凍方法などご紹介します。
◎パン生地を冷凍する方法
パン生地の冷凍と聞くと、生地のまま冷凍してふくらむの?どの段階で冷凍するの?など、いろいろな疑問がわくかもしれません。パン生地の冷凍は、ベーカリーなどでもよく行われている保存方法で、冷凍や解凍の仕方を間違えなければ、自宅でも生地のおいしさを保ちながら保存することができる方法です。
 
パン作りは、材料を混ぜて生地をこねることからはじまり、一次発酵させて分割し丸め、二次発酵のあとに成型し最終発酵と、焼き上げまでにさまざまな工程があります。その工程のいろいろなタイミングで冷凍することができますが、今回はパン生地を冷凍できる3つのタイミングをご紹介します。
 
1つめのタイミングは、生地を分割して丸めたあとのベンチタイムで冷凍する方法です。通常は、このあと成型の工程に入りますが、丸めた状態でそのまま冷凍してしまって大丈夫です。丸めたパン生地を、ひとつひとつラップに包み、保存袋にまとめて冷凍してください。解凍したときは、改めてベンチタイムの時間を取って発酵させてから成型し、焼き上げます。解凍してから成型できるため、生地を作るときにどんなパンを焼くか決まっていない場合やいろいろな種類のパンを焼きたい場合におすすめの冷凍方法です。
 
続いて2つめは、成型したあとのタイミングです。ベンチタイムで発酵させてからガス抜きをし、成型してから冷凍します。成型した形をくずさず冷凍するために、まずバットなどに成型したパンを並べ、ラップをかけてそのまま冷凍しましょう。その状態である程度凍ったら、パン生地をひとつひとつラップに包み、改めて保存袋などにまとめて冷凍保存してください。解凍したあとは最終発酵させて、生地がしっかりふくらんだら焼き上げます。成型してから冷凍すると、解凍してすぐに焼くことができるため、焼きたいパンが決まっている場合や焼き上げに時間をかけたくない場合におすすめの冷凍方法です。ピザ生地も、このタイミングで、伸ばした状態のまま冷凍保存することができます。
 
最後に3つめのタイミングは、パン生地を成型したあとに、最終発酵まで行ってから冷凍する方法です。この方法なら、最終発酵まで終わっているので、冷凍のままオーブンに入れて、解凍しながら焼くことができます。ただ、最終発酵が終わったパン生地は、ショックや衝撃に弱く、上手に冷凍しないとしぼんでしまうこともあるため、少し難易度が高い方法です。

◎冷凍したパン生地の解凍方法
パン生地の冷凍保存は、冷凍の方法も大切ですが、それ以上に大切なのが解凍方法です。上手に解凍ができると、冷凍したパン生地もおいしく食べることができます。
 
自然解凍で解凍する場合は、パン生地のなかまでしっかり常温になるまで解凍することが大切です。季節によって違いがありますが、室温で1時間から2時間くらいはおいておきましょう。気温を気にせず解凍したい場合は、冷蔵庫での解凍がおすすめです。冷蔵庫にうつして8時間ほど経てば解凍できるので、冷蔵庫に一晩おいておけば、翌朝にはちょうど焼き上げられる状態になっています。冷蔵庫で解凍する際は、解凍のし過ぎにも注意が必要なので、解凍してから18時間以内には焼くようにしてください。
 
時間がないときは、電子レンジで解凍することも可能です。パン生地をラップにくるんだまま、レンジの1番弱いワットで20秒から30秒くらい温めます。生地を熱くし過ぎるとイーストが死滅してしまうので、解凍していなければ、10秒ずつ様子を見ながら慎重に解凍してください。
 
成型前に冷凍した生地の場合、生地が冷たいままで成型すると発酵の力が弱くなってしまいます。解凍した生地の温度が10度から15度くらいまで上がってから成型してください。パン生地の温度が戻ると発酵もどんどん進んでいくので、解凍したまま長く放置しないようにも気をつけましょう。

◎冷凍パン生地をおいしく作るポイント
パン生地を冷凍保存できるのは便利だけど、冷凍するとおいしさが半減してしまうのでは…?と思われる方も多いかもしれません。そこで、冷凍のパン生地をおいしく作るためのポイントもいくつかご紹介します。
 
まず冷凍に向かないパン生地は避けましょう。冷凍に向かないパン生地とは、フランスパンやライ麦パンなどの、リーンな生地といわれる砂糖や油分の配合量が少ないパン生地です。リーンな生地は、冷凍すると発酵が弱くなったり生地がうまく伸びたくなったりしてしまいます。冷凍に向いているのは、ロールパンやクロワッサンなどの砂糖やバターを使ったパン生地です。また、45g以上の大きめのパン生地も冷凍にはおすすめできません。大きいパン生地は、冷凍や解凍のときに生地の温度が一定になりづらく、生地の状態が安定しにくいため冷凍には不向きです。

 
ほかにも、パン生地を冷凍すると、発酵のためのイーストの活動が弱まってしまうことがあるので、通常の生地よりも少し多めにイーストを入れておくことことポイントです。糖耐性が強いタイプのイーストは冷凍にも強いため、可能であればそのようなイーストを使うものよいでしょう。さらに、パン生地は乾燥に弱いため、冷凍する際に乾燥させないよう注意することもポイントになります。ラップや保存袋で、しっかり密封して冷凍しましょう。解凍するときも、霧吹きで水分を与えたり濡れふきんをかけたりといった乾燥対策をしてください。
 
冷凍したパン生地の保存期間は、2カ月以内が目安です。長く冷凍すると、発酵の力が弱くなってしまうため、冷凍後はなるべく早めに使いきることをおすすめします。
◎まとめ
パン生地をまとめて作って冷凍保存しておけば、食べたいときに合わせて焼くことができ、いつでも焼きたてのパンを食べられます。冷凍のタイミングや解凍方法など、ちょっとしたポイントをおさえれば、冷凍でもおいしいパンが焼けますよ。ぜひ試してみてください♪