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大量生産に欠かせない!ボックスを搬送するリフターの選び方

2022年4月5日
食料品店やスーパーでは、食パンから菓子パンまで、日々数多くのパンが並びます。そのためパン工場では、1日何万個という単位でパンの製造が行われており、私たちの食卓を支えています。それだけ多くのパンを製造するためには、もちろん人の手でだけでなく、さまざまな製パンの製造機械が必要です。
パン作りの工程自体は、パン工場であっても小さなベーカリーであっても変わりませんが、大量生産だからこそ必要になる製造機械もあります。今回は、そんな製パンの製造機械のひとつであるリフターについて、リフターがどんな機械なのか?製パンの工程でどのように使用されているのかをご紹介します。
 
◎リフターとは
リフターは、ボックスエレベーターという別名でも呼ばれている製パンの製造機械です。
ベーカリーなど小さなパン屋さんでは使用されることがなく、製造ラインを使って大量生産を行うパン工場でのみ使用されています。

リフターという言葉自体は、何かを持ち上げるための道具や機器を指して使われる言葉ですが、製パン機械のリフターは、別名のボックスエレベーターという名前に含まれているように、パン作りの工程で使用する「ボックス」を上げ下げするための機械です。
パン工場で使用されるボックスとは、ステンレスなどの金属でできた長方形の箱で、ボックス一杯で食パン1000斤以上分の生地が入るほど大きなものです。ボックスにはフタがなく、下にタイヤがついていて、ボックスごと移動させることができるようになっています。このボックスはどこで使用され、リフターを使ってボックスをいつ持ち上げる必要があるのか、パン作りの工程から見てみましょう。
 
パン作りの工程は、まず中種という生地のもとになるものを作ることからはじまります。
小麦粉と水、酵母をミキサーという機械でこねて中種を作り、できた中種は、ボックスごとに分けられて、発酵させるための保管部屋に移されます。発酵が完了した中種は、さらにバターや砂糖などの材料を加えるためにもう1度ミキサーに投入され、ミキサーでこねてできたパン生地は、またボックスに移されます。ボックスには、1000斤以上分のパン生地がひとまとまりになっているため、分割機という機械によって、製造するパンの大きさにひとつひとつ分けられます。その後、分割機で分けられたパン生地は、製造ラインにのって丸めや発酵、焼きあげへと進んでいきます。

このようにボックスは、分割までの工程でパン生地を保管したり移動させたりするために使用されており、ボックスでひとまとまりになっている大量のパン生地は、そのままミキサーや分割機などの機械へ投入されます。その際にボックスを持ち上げ、パン生地を機械の投入口まで運ぶために使用されるのがリフターです。

◎リフターが必要な理由
パン工場では、1日に何万個ものパンを製造しており、大量生産するためには、生地づくりの段階からたくさんの材料をまとめて生地を作り、作業を効率化する必要があります。
パン生地は、生地の状態によって焼き上がりの大きさや美味しさが変わってしまう繊細なものなので、作業を効率化させつつも、なるべく生地にダメージを与えないようにしなければなりません。とくにパン生地を切る作業は、生地にダメージを与えやすいため、分割機で製造するパンの大きさに小さく分けるまでは、まとまった生地のまま作業し、生地ダメージを減らすことが大切になります。
そのため、ミキサーや分割機にパン生地を投入する際も、ボックスでまとまった生地のまま投入する必要があるのです。

ボックスにまとまった大量のパン生地は、かなりの重量になり、タイヤを転がして移動する際も作業者2人くらいで押さないと動かせない重さです。機械に投入する際は、ボックスを高所に上げる必要があるため、リフターによる機械の力が必要です。リフターを使用することによって、作業者の負担なく自動でボックスを搬送することが可能になります。

◎リフターの種類
リフターには、ミキサー用と分割機用の2種類があり、どちらも仕組みは同じです。リフターは、頑丈な2本の柱にボックスをセットできるシンプルな構造をしており、操作盤を使って操作を行います。リフターの柱上部までボックスを上昇させ、上昇したボックスを反転して、ミキサーや分割機の上部へパン生地を投入する仕組みになっています。
 
ミキサー用リフターは、発酵させた中種をミキサーに投入して、再度生地をこねる際に使用され、分割機用リフターは、ミキサーでこねた生地を分割機に投入する際に使用します。
 
分割機用リフターは、1度にすべての生地が投入されないよう、生地センサーによって一定の生地量が投入されるとシャッターがしまるようになっているものもあります。また、パン生地の温度を測定できる温度測定装置や生地の量を記録する計量記録装置が備えられているリフターもあります。
◎まとめ
リフターは、パンの大量生産を行っているパン工場で、重量のある大きなパン生地を、ミキサーや分割機へ投入するために使用されており、ボックスを使用しているパン工場では、欠かせない製パンの製造機械です。KOKIでは、シンプルな構造で頑丈なリフターの開発や販売を行っています。ぜひお気軽にお問合せください。