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投入口までドゥボックスを運ぶ分割機用ボックスエレベーター

2022年8月23日
パン工場では、製パン専用の機械を組み合わせた製造ラインを用いることによって、パンを生産しています。製パンの製造ラインには、美味しいパンを焼き上げ、安定した品質を保つための多くの工夫がされており、パン工場のような大量生産を行う現場でのみ使用されている製パン機械も少なくありません。この記事では、製パン機械のひとつである、分割機用ボックスエレベーターについてご紹介します。
 
◎成形できる状態に切り分ける分割機
分割機は、発酵させたパン生地を小さく切り分け、成形できる状態にするための製パン機械です。分割機にはさまざまな種類があり、ベーカリーなどで使用できる小型タイプや中型タイプの分割機には、生地の分割を手動や半自動で行うもの、分割のあとの丸めの工程まで行えるものなどもあります。
 
パン工場で使用している分割機は、1度に大量のパン生地を分けることができる大型タイプで、すべて自動で作業を行います。パン工場の製造ラインでは、ミキサーという機械で小麦粉や酵母などの材料をミキシングしたり、ベンチタイムを設けてパン生地を発酵させたりしたあとで、出来上がったパン生地を分割機に投入します。分割機では、焼き上がりが同じ大きさになるよう、パン生地の質量を量りながら正確な分量に切り分けます。
 
分割機で小さく切り分けられたパン生地は、製1ラインに乗って次の丸めの工程へ進み、ラウンダーと呼ばれる製パン機械で丸く成形されます。パン生地は、その後も最終発酵やガス抜き、成形や型に詰める工程を行い、オーブンで焼き上げられます。パン生地を切り分ける作業は、どうしてもパン生地を圧縮してしまうため、生地にダメージを与えやすい工程です。
 
パン生地にダメージを与えてしまうと、焼き上げたときのふくらみ方や柔らかさなど、パンの出来上がりにも影響が出てしまうため、分割機での切り分け作業は、正確な量で切り分けることだけでなく、なるべく生地にダメージを与えないように行う点も大切になります。
◎製パン機械の分割機用ボックスエレベーターとは
分割機用ボックスエレベーターは、分割機にパン生地を投入する際に使用するもので、大量生産を行うパン工場などの現場でのみ使用されている製パン機械です。パン工場では、ミキシングを行うミキサーも大型の機械を使用しており、1度にたくさんの材料をこねることができるため、ミキシングをして出来上がった、分割機で切り分ける前の大量のパン生地は、ドゥボックスと呼ばれる大きな長方形のボックスで保管されています。
 
ドゥボックスは、ミキシングした大量の生地をそのままの状態で保管したり移動させたりするために、パン工場で使用されている道具の1つです。ドゥボックスは下にタイヤが付いており、パン生地を発酵させるための部屋から分割機まで、ドゥボックスに生地をいれたまま移動させることができます。
 
ドゥボックスで保管している大量のパン生地は、小さく分割するために分割機に投入されますが、パン生地へのダメージをなるべく避けるためには、ドゥボックスに入れたままの状態で投入する必要があります。分割機のパン生地を投入する部分は機械の上部にあるため、分割機の投入口までドゥボックスを運ぶために使用されているのが、分割機用ボックスエレベーターです。
 
分割機用ボックスエレベーターは、エレベーターという名前の通り、エレベーターのようにドゥボックスを機械の力で上げたり降ろしたりすることができる機械です。分割機用ボックスエレベーターには頑丈な2つの柱があり、分割機の横に設置することができます。分割機用ボックスエレベーターの柱部分にドゥボックスを取り付けられるようになっており、取り付けたドゥボックスは、分割機の投入口部分まで自動で上昇します。上昇したドゥボックスは自動で反転させることができ、分割機にパン生地を投入できる仕組みになっています。
◎分割機用ボックスエレベーターの種類
分割機用ボックスエレベーターには、分割機用ボックスエレベーターと二連式分割機用ボックスエレベーターの2種類があります。複数の製造ラインを使用することで、さらに大量生産を行うことが可能になったり、さまざまな種類のパンを製造することができたりするため、パン工場によっては、複数の製造ラインを稼働して生産を行っている場合もあります。
 
1つのミキサーでミキシングしたパン生地を、2つの生産ラインを使って同時に製造するために二連式の分割機を使用している工場では、2つの分割機に同時にパン生地を投入するために二連式分割機用ボックスエレベーターを使用しています。
 
ボックスエレベーターには、ほかにもミキサー用ボックスエレベーターやドゥフィーダー用ボックスエレベーターなど、パン生地を投入する機械に合わせた専用のボックスエレベーターがあります。さらに、パン生地を機械に投入する前に、生地の温度を測定できる温度センサーが付いており、生地温度の測定を行ってからドゥボックスを上昇させるよう設定できるボックスエレベーターなどもあります。
 
◎まとめ
分割機用ボックスエレベーターは、パン工場で使用されている製パンの機械で、パン生地を小さく切り分ける工程を行う分割機にパン生地を投入する際に使用されています。重量のあるパン生地を分割機の投入口まで上昇させ、作業者の負担を軽減したり生地ダメージを減らしたりすることができます。KOKIは、生地にやさしい分割機やラウンダーなど、製パン機械の開発や設計、販売などを行っています。製パン機械に関するお問い合わせは、お気軽にKOKIまでご連絡ください。