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加えるだけで栄養満点のパン生地に!製パンに適したシードの種類

2022年9月6日
パン生地は小麦粉・イースト・水・塩と4つの材料があれば作ることができますが、より栄養価の高いパン生地を作るならシードを加えるのがおすすめです。この記事では、パン生地にシードを使うメリットや、製パンに適したシードの種類をご紹介します。
 
◎製パンにシードを使うメリット
ナッツ類やドライフルーツと比べると使ったことがある方は少ないかもしれません。実はシードはビタミンやミネラルが豊富に含まれており、パン生地に混ぜたりトッピングしたりすることで、パンの栄養価をより高くすることができます。
 
含まれている栄養素は種類によって異なりますが、抗酸化作用の多い栄養素や食物繊維などが豊富に含まれているものが多いことから、美容効果や便秘解消効果が期待できるでしょう。
 
また、シードはパン生地の栄養価を高めるだけでなく、食感や風味をプラスしたり、パンの見た目を鮮やかにしたりするメリットもあります。ナッツ類やドライフルーツとの相性も抜群なので、一緒にパン生地づくりに使ってみてもよいでしょう。
 
◎製パンによく使われるシードの種類
シードとは種実類のことを言いますが、パン生地づくりにおいては、同じく種実類と呼ばれるナッツとは別物として考えられています。ナッツ類は主にアーモンドやくるみなどがパン生地に使われ、シードはかぼちゃの種、ひまわりの種、ごまなどがよく使われています。では、これらはそれぞれどのような特徴があり、どんなパン生地づくりに使われているのでしょうか。
 
○かぼちゃの種
かぼちゃの種はビタミンAやビタミンB1、B2、ビタミンE、ナイアシン、リノール酸など、栄養素が豊富な種子として知られています。
 
パン生地づくりに使う時は白い殻を取り除き、なかに入っている緑色の種子をトッピングしたり、製パンの過程でパン生地に混ぜ込んだりして使うほか、オイルに変えてパン生地に塗ることもあります。
 
ローストすることで種子が膨らみ、カリカリとした香ばしさが出るのが特徴です。パンプキンブレッドのトッピングに使われることが多く、ハロウィンの時期はとくに人気です。

 
○ひまわりの種
ひまわりの種は、血中のコレステロール値や中性脂肪値を下げる作用があるリノール酸が多く含まれており、健康志向の方に人気の食材です。
 
フライパンで炒めてからはもちろん、しっかりと天日干しすれば生のままで食べることができます。ただし、縞模様の部分は殻のため食べることができないので、パン生地に加える際は必ず殻を剥いてから使いましょう。
 
ひまわりの種を使ったパンは、オーストラリア発祥のライ麦パンであるゾンネンブルーメンが有名です。ゾンネンブルーメンはオーストラリアの隣国であるドイツでもおなじみのパンで、トッピングだけでなく、生地のなかにもひまわりの種が使われているのが特徴です。

 
○ごま
ごまは、強い抗酸化作用を持つごま特有の成分・ゴマリグナンをはじめ、鉄分や亜鉛などのミネラル、オレイン酸やリノール酸などの脂質が豊富に含まれています。
 
パン生地に練り込む、トッピングする、ペーストにして塗るなど、さまざまな使い道があるだけでなく、黒・白・金とどのゴマを使うかによって見た目も変わってくるので、パン生地づくりのレパートリーを増やしたい方にもおすすめです。
 
製パンにおいては黒ゴマがあんパンづくりによく使われています。元々は、パンの中に入っているあんが粒あんかこしあんか一目で見分けがつくように使われるようになったのがはじまりとされています。一般的に粒あんパンにはごま、こしあんパンにはケシの実が使われています。

○ケシの実
ケシの実はポピーシードとも呼ばれ、くるみのような香ばしさとプチプチとした新鮮な食感が特徴的です。栄養価も高く、ビタミンB群やミネラル、食物繊維が豊富に含まれています。
 
食用のケシの実は白いタイプと、ブルーポピーシードと呼ばれる青黒いタイプがあります。青黒いタイプはヨーロッパで使われることが多く、見た目が華やかなパン生地をつくりたいときにおすすめです。
 
パン生地づくりにおいてはあんパンのほか、オーストラリアやドイツでよく食べられるカイザーゼンメルのトッピング材料としても使われています。

 
○キャラウェイシード
キャラウェイシードは種子として扱われていますが、植物学上では果実の部分に当たります。
 
スパイスとして使われるクミンと似た形をしていますが、風味はまったく異なり、柑橘系のような香りとほのかな甘みが感じられるのが大きな特徴です。
 
爽やかな味わいのパン生地に仕上がるので、肉料理や脂の多い料理と一緒に食べるパンをつくる時におすすめです。

 
○チアシード
スーパーフードとしても知られているチアシードは、グルコマンナンと呼ばれる食物繊維が含まれており、水につけておくと水分を吸収して膨らむのが特徴です。パン生地に混ぜる場合も分量の水に浸してから使います。
 
ほかのシードに比べてレシピのレパートリーは少なめですが、味がほとんどないため、食感が気にならなければどんなパン生地づくりにも使うことができます。ナッツ類やドライフルーツと上手く組み合わせれば、より栄養価の高いパン生地ができるでしょう。

 
◎シードを使ったパン生地づくり
パン生地づくり初心者さんだと、どのようなパン生地にシードが合うのかわからないという方も多いかと思います。そこで、シードが使われているパン生地をいくつかご紹介します。シードを使ったパン生地づくりでお悩みの方はぜひ参考にしてみてください。
 
○フォルコンブロート
ドイツ語でフォルコンは全粒粉、ブロートは大型パンを意味します。フォルコンブロートは文字通り、全粒粉を使った大きなパンのことで、ずっしりとした重みがあり、目が詰まって固くなっているのが特徴です。
 
全粒ライ麦と全粒小麦を合わせた生地にかぼちゃの種やひまわりの種、ごまなどを加えて作ります。栄養価が高く、健康志向の方におすすめです。

○ザルツシュタンゲン
ザルツシュタンゲンはオーストラリアでよく食べられているパンで、ザルツは塩、シュタンゲンは棒を意味します。パン生地を薄くのばした後、テーブルロール(バターロール)のようにくるくると巻いていき、細長い棒状に形成してつくります。
 
名前に「ザルツ」が付いている通り、トッピングは主に塩が使われますが、キャラウェイシードやアニスシードなどの種子を一緒にトッピングすることもあります。

 
◎まとめ
シードは、パン生地づくりに加えることで栄養価を高められるほか、レシピのレパートリーを増やすことに一役買ってくれます。パン生地に練り込む、トッピングするなど、調理方法によって食感や見た目も変わってくるので、ぜひパン生地をつくる時に使ってみてくださいね。