パンスライサーとは、パンを真っすぐ同じ厚さにカットするために使う道具です。手作りの食パンや1本丸ごと購入したパンをカットする際には、パンスライサーがあると好きな厚さに切れるので便利です。この記事では、パンスライサーの種類や選び方についてご紹介します。
◎パンスライサーの種類
家庭用のパンスライサーには手動と電動がありますが、手動のものが一般的です。パンをカットするための専用のナイフや、決まった厚さにパンをカットするための溝がついた器具もパンスライサーといいます。ナイフ型のパンスライサーは「ブレッドナイフ」とも呼ばれています。手動のパンスライサーはカットガイドともいい、2~5段階にパンの厚さを設定できるものが多いです。電動のパンスライサーは、パン置きにパンをセットしてスイッチを入れると、円盤状の刃が回転してパンをカットする仕組みとなっています。
業務用のパンスライサーのなかでも私たちに身近なものは、ベーカリーのカウンターなどに設置しているものです。3枚切りなどの厚切りから12枚切りのサンドイッチ用など、さまざまな厚さにミリ単位で設定できます。 ほかにも、1本の長い食パンを等間隔にカットするものや、サンドイッチ用にパンの耳部分を取り除いて1枚ずつ薄くカットする業務用のパンスライサーなどがあります。
珍しいパンスライサーだと、ハンバーガー用のパンを横からカット(腹割り)したり、ホットドッグ用のパンを上からカット(背割り)できるものがあります。サンドイッチの具材を挟んだままパンをカットできるものなど、業務用のパンスライサーにはさまざまな種類があります。
◎家庭用パンスライサーの特徴
パンを料理用の包丁でカットすると、パンの表面が粗くボロボロになってパンくずも出やすくなります。パンスライサーのなかでもナイフ型のものを使用すると、パンをカットしている途中に刃がパンに引っかかりにくく、パンの表面をなめらかにカットできます。
ナイフ型のパンスライサーは、刃の形が波打ったウェーブ刃のものや通常の包丁と同じような平刃のもの、先端や根本がウェーブ刃でそれ以外の部分が平刃と平刃とウェーブ刃を組み合わせたものがあります。店頭やオンラインショップではウェーブ刃のものが人気です。食パンをカットするなら「食パンの幅+α」の刃の長さがあるものが使いやすいです。目安としては、刃渡りが20~26センチくらいのものになります。柄の素材が刃と一体型のステンレス製はお手入れがしやすく、木製は握り心地が柔らかく感じます。また、樹脂素材を選べば全体が軽くなるでしょう。ナイフ型のパンスライサーを選ぶ際は、できれば実際に現物を持ってみて、ご自分の手になじむか・重たくないかなどを確認できると良いでしょう。ウェーブ刃は普通の砥石では研げないため、ウェーブ刃も研げるシャープナーを用意するか、メーカーでメンテナンス可能なものを選ぶと長く使用できます。
パンを同じ厚さに何枚もカットしたい場合には手動のパンスライサーを使うときれいにカット可能です。手作りの食パンもいつでも好みの厚さで食べられるのがうれしいポイント。パンをパンスライサーの指定の位置に置いて、軽く押し付けながらガイドの溝に沿ってカットします。
折り畳み式のものを選ぶとコンパクトで収納しやすく、必要な時だけ取り出して使えます。部品を分解できるなど洗いやすい手動のパンスライサーは、清潔感を保ちやすいです。すべり止めがついているものは、パンをカットする際に手動のパンスライサーが作業台の上ですべらず安定します。もし手動のパンスライサーにすべり止めがついていない場合は、ぬれ布巾などを置いて対応することも可能です。
パンを大量にスライスしたい場合は、電動のパンスライサーを選ぶとスムーズにパンをカットできます。ただし、設置する場所や作業スペースが必要で、電動のためパンをカットする際の音が大きく感じることもあります。 パン以外にもハムやチーズなどの食品もカットできる電動のパンスライサーがほとんどですが、4枚切りなどパンを厚めに切れない製品もあります。
◎パンに合ったパンスライサーの選び方
ナイフ型のパンスライサーは、ウェーブ刃のものはパンの表面に刃が引っかかりやすく、やわらかい食パンやハード系のフランスパンもカットしやすいです。製品の種類も多いため、迷ったときはウェーブ刃のものを選ぶとよいでしょう。平刃のものはウェーブ刃に比べてパンくずが出にくいですが、やわらかいパンをカットするのに向いているので食パンや丸パンなどをよく食べる方に適しています。
ウェーブ刃と平刃の両方を組み合わせたものは、ウェーブ刃でパンに刃を入れて中間部分の平刃でパンカットします。どちらかというとやわらかいパンを好む方におすすめです。手動のパンスライサーは縦型と横型があります。食パンには縦型のものを使うのが一般的ですが、高さのある食パンには対応していない製品もあるので、よく食べるパンの大きさを考えて選びましょう。
横型のものは本体の上に直接パンを置き、パンの下側からカットしていくので、食パンだけでなく丸いパンなどもカットしやすく、焼きたてなどのやわらかいパンにも対応しています。縦型のものとは異なりガイド部分と別にパンを置くスペースが必要ないのでよりコンパクトになります。
ほかにも、手動のパンスライサーにはナイフがセットになっているものや、パンの保管用ケースが一体になったものなどがあります。材質はプラスチック製が多いですが、木製や竹製・金属製などもあるので、好みやカットしたい厚さに合わせて選びましょう。
◎まとめ
パンスライサーは、毎週パンを食べる方やきれいにパンをカットしたい方に役立つ道具です。使用する際にはパンが焼きたてだと上手く切れないことが多いので、冷めてから作業することもきれいにカットするポイントです。 いつものパンがよりおいしく感じられます。さまざまなパンスライサーから自分に合ったものを選んでくださいね。