製パン機械のメンテナンスは、パンの生産体制や品質に大きく影響します。製パン工場では、よりメンテナンスがしやすい製パン機械を使いたいと考えるでしょう。この記事では、製パン機械をメンテナンスする重要性や、当社が開発した製パン機械のメンテナンス部分について詳しくご紹介します。
◎製パン機械におけるメンテナンスの重要性
製パン機械に関わらず、工場にある設備は使用すればするほど摩耗し劣化していくのは当然と考えるべきでしょう。そのため、定期点検を怠れば故障や品質低下を招きかねません。製パン機械をいつでも安全に稼働できる万全の状態を維持するためには、メンテナンスが重要なのです。メンテナンスは、企業の利益や信頼に大きく関わります。生産ラインが止まってしまうと当然パンが供給できなくなるため、メーカーのみならず私たちの生活にも影響が出ることでしょう。メンテナンスを怠った結果、万が一労災事故が起きれば企業は管理責任を問われることになります。生産の遅延や品質低下、事故の発生は消費者やクライアントからの信頼を落とすことにつながり、最悪会社を維持することが困難になる可能性があります。
こまめにメンテナンスすることで、製パン機械の寿命を延ばせます。もちろんメンテナンスには人的・金的コストがかかりますが、長期的にみれば修理費用を抑えることにつながるのです。定期的なメンテナンスによって、異常にすぐに対処できる体制が整っていれば、重大な事故が起こるリスクを軽減できるでしょう。製パン機械は、パンを生産する企業にとって生命線といえます。製パン機械は常に問題なく動いてこそ、消費者においしいパンを届け、その結果企業に利益をもたらすのです。
◎メンテナンスに重きを置いた製パン機械の選び方
機械のメンテナンスには、定期的な点検や修理を意味する「予防保全」と、トラブルが起きた際の対応からその後の再発防止までを指す「事後保全」があります。機械が故障しないようにすることがメンテナンスの大きな目的ですが、万が一トラブルが起きた際には損害を最小限に抑えることも重要です。トラブルの原因を突き止め、修理を迅速かつ適切に行うためには、機械の構造や問題への対処法を事前に熟知しておく必要があるでしょう。
日頃のメンテナンスの負担を軽くするために、パン工場などではメンテナンスしやすい製パン機械を導入することが大切です。製パン機械を選ぶ際には性能はもちろんですが、メーカーのスタッフの対応は丁寧か、導入後のアフターフォローはしっかりしているかどうかをチェックするようにしましょう。当社では、メンテナンスのしやすさを重視した製パン機械を取り扱っており、相談からアフターフォローまでの一連の業務にも対応しております。
◎KOKIの製パン機械のメンテナンス
当社で扱う製パン機械は、従来品や他メーカー製品と比べてメンテナンスしやすいことが特徴です。お客さま自身によるベアリングへのグリス給油や、各部の目視点検などのメンテナンスは、月に1回行うのが望ましいと考えています。また、当社による定期点検は1年に1回の頻度で行うことをお伝えしております。
◯製パン機械共通
当社の製パン機械は、モーターを含む電装品には国内メーカーの汎用品を使用しています。たとえば、海外メーカーの製パン機械だと電装品も海外製なので、交換のために部品を発注すると輸送コストや時間がかかってしまう点があげられます。その点、国内メーカーであればすぐに手配が可能なので、急なトラブルにも対応しやすいといえます。
◯デバイダー
デバイダーはリンク方式を採用しています。従来の分割機のように駆動モーターからチェーンを使用したものだと、汚れが発生しやすく掃除などが大変ですが、シンプルなリンク構造なら汚れにくくスペースがあるのでメンテナンスが容易にできます。
デバイダーの摺動面は金属ではなく樹脂を使用した結果、耐久性が上がりました。具体的には、主ラムと小ラムはPET樹脂製、ディビジョンボックスや主ラム、トップナイフが摺動するメインチャンバー摺動部には、PEEK樹脂を取付けています。従来品や他社製品のように摺動面が金属のものは、摩耗が早く生地漏れが増えてしまうことや、圧力が逃げてしまうため分割重量が安定しなくなるという問題がありました。摩耗を改善するために部品交換修理をするには、メインチャンバーも交換しなくてはならないため、メンテナンスに数百万円という膨大な費用がかかることもあります。樹脂製なら摩耗時にはメインチャンバーの交換の必要がなく、樹脂交換で済むため、大幅に費用の削減ができるのです。
◯ラウンダー
回転するシリンダードラムには溝がありません。引っかかりを良くするために縦溝や横溝を入れてしまうと、生地が溝に入り込むために生地漏れが多くなるため、清掃が大変です。当社では、溝の代わりにコーティング溶射による表面加工をしています。溝がないので、生地漏れは少なく清掃が簡単に行えます。
シリンダードラムは、鉄やアルミを鋳造したものが多いですが、鋳造だと鋳造巣ができやすくなります。鋳造巣にパン生地の油分が入り込んでしまうと、コーティングの劣化につながります。再コーティングしても、鋳造巣に油が浸透してしまっていればコーティングは長持ちしません。一方で、KOKIの上位機種のシリンダードラムはステンレス製です。ステンレス曲げ加工したシリンダードラムは鋳造巣がなく、半永久的に使用できるほど摩耗にも強い作りになっています。通常、再コーティングする際にはシリンダードラム自体も購入し、2台持って再コートで回す必要があります。しかし、当社のステンレスドラムは摩耗しにくいという強みがあるので、シリンダードラムに再コートし交換するシステムにしています。シリンダードラムによっては200万円程度かかることもあるので、そのコストが抑えられるのは大きなメリットです。
従来は、モーターからの駆動にVベルトを使用してシリンダードラムを回していましが、カスや汚れがでやすい上に、定期的な交換作業が必要になるのが課題となっていました。そこで当社のラウンダーは、駆動に中空軸の減速機を使用しています。シリンダードラムシャフトを直接減速機につなげているため、Vベルトは使用していません。
◎まとめ
お客さまにおいしく安全なパンを届けるために、製パン機械のメンテナンスは非常に重要といえます。KOKIの製パン製品は、他のメーカー品と比べて掃除がしやすく、長期的にみてコストが抑えられるように設計されています。製品に関するご相談はお気軽にお問い合わせください。