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パン生地づくりに欠かせないこね台の種類と選び方

2023年10月24日
パン生地をこねるときや麵打ち、クッキーの型抜きで使用するのがこね台です。素材やデザインは多くの種類があり、木製やプラスチックのほか滑り止めやガイド付きの製品などが展開されています。この記事では、パンづくりにおいての「こね」の役割や、こね台の種類や選び方のポイント、代用品についてご紹介します。
◎パン生地づくりで便利なこね台
こね台は、パン生地だけでなくクッキーの型抜きや麺打ちをする際にも使用できます。ペストリーボードやのし台、麺台、パン板など、さまざまな呼び名があります。キッチンの作業台が狭く、パン作りができないと諦めている方もこね台を導入することでテーブルが作業台となるため、非常に便利なアイテムです。パン生地がつきにくく、打ち粉の使用量を減らせるため、粉まみれになることなく美しい仕上がりとなります。
 
パン生地作りにおける「こね」の役割は、パンの基礎となる「グルテン」を作ることです。グルテンには弾力性と粘性があるため、こねればこねるほど性質が強くなるとされています。パン生地をしっかりこねて強いグルテン膜を作ると、発酵により作られる炭酸ガスを逃がさないために、ふくらみの大きなやわらかいパンが完成します。パン生地作りでの「こね」の作業は、非常に重要な工程です。
パン生地づくりで便利なこね台
◎好みで選べるこね台の種類
こね台にはさまざまな種類がありますが、種類によってパンの仕上がりが変わることはほとんどありません。パン生地の仕上がりは、レシピや材料、手法と発酵時間、温度・湿度といった発酵時の状況によって左右されます。種類によって異なるのは主に熱の伝わり方や、耐久性、お手入れ、使いやすさです。自身の好みや使い勝手に応じて適切なアイテムを選んでください。
 
○木製
木製のアイテムを使用してパン生地をこねる際のメリットは、温度を一定に保てることです。温度管理がしやすいためパン作りが初心者という方にとくにおすすめの素材です。表面が丁寧にコーティングされているタイプが多く、最小限の打ち粉でパン生地をこねられます。適度な重量で安定感があり、使いやすいのも特徴的です。ただし、木製は湿気や水分によって変形したり割れたりする可能性があるため注意が必要です。
 
○大理石
大理石のこね台は、一定の温度で発酵する必要がある場合に活躍します。熱伝導率が低く、パン生地がべたつきにくいのも特徴です。パン生地が均一に伸ばしやすく、どっしりとした重さもあるため、すべりにくく作業しやすいでしょう。
 
○シリコン
シート状に作られているものが多いシリコン製は、パン生地をこね終わった際に省スペースで収納が可能な点が魅力です。水を弾きやすくカビも発生しにくいので、パン生地を作る機会が少ない方にはシリコンがおすすめです。また、パン生地がくっつきにくいため少量の打ち粉で楽に扱えるのも特徴的。シリコン製のタイプに多い耐熱・耐冷対応であれば、パン生地をこねる役割だけでなく、クッキングマットやオーブンシートの代用としても使えます。パン生地の成形や、二次発酵の後にそのままオーブンに入れて焼くこともできるので、パン生地を移動する時間や手間を短縮できるのも人気の理由です。
 
○プラスチック
プラスチック製は非常に軽く、気軽に扱えるのが特徴です。パン生地を作り終えたあとのお手入れも簡単なため、洗い物の時間も短縮できます。プラスチックは、軽くて滑りやすいので粉をまいたりパン生地をこねやすくするための工夫が必要です。滑りにくくするためには、こね台の下に濡れたふきんを敷くとよいでしょう。
好みで選べるこね台の種類
◎こね台を選ぶポイント
こね台選びには、使いやすさのほかに、キッチンに置きやすいサイズとのバランスが重要です。バゲットやミニロール、コッペパンなどの小型のパンであれば、長辺が約30cm以下のサイズで十分です。長辺が約40~50cm程度であれば、サンドイッチやフランスパンなど中型のパンに適しています。大型のパンは、50cm以上を用意する必要があります。大型のパンを作るのに小さなサイズを使用すると、パン生地がこねにくくなったり、はみ出してしまう可能性が大いにあります。作りたいパンの種類を選択してから、そのパン生地のサイズに合うアイテムを選んでください。
 
また、メモリ付きやガイド付きのタイプもあります。パン生地のサイズやサークルガイドが付いているものだときれいな円形のパン生地ができることや、分割、成形を素早く行えるので、スムーズな作業ができます。パン生地を伸ばしたり、大きさを整えたりする際、1cm刻みでの調整が必要なシーンや分量を均一に揃えたい場合にも使いやすいです。パン生地を頻繁に触ることなく成形できるので、パン生地が傷むことも妨げます。また、裏面にはじめから滑り止めが付いているタイプであれば、滑りにくくする工夫がいらないため便利です。
こね台を選ぶポイント
◎こね台にできる代用品
もしこね台が手元になくても、身近なアイテムで代用することが可能です。まずひとつめは、キッチン台をそのまま使用する方法です。大理石やセラミックス素材で広々としたキッチン台であれば、音も響かず表面がつるつるとしているためパン生地づくりの代用品に適しています。料理をする上で欠かせない「まな板」も代用品として使用できます。ただしパン生地をこねるのに一緒に持ち上がってしまうほど軽いまな板は、スムーズに作業できないため代用品には適しません。大きいサイズである程度の重量があるまな板が代用品には適しています。
 
最後に紹介する代用品は20cm以上あるサイズのボウルです。プラスチックではなく、ガラスやステンレス製だと重さもあるため、より使いやすいでしょう。パン生地や材料が飛び出すことがないので生地をまとめやすく、深さがあるために力を入れやすいのも特徴です。

こね台にできる代用品
◎まとめ
パン生地作りに欠かせないこね台にはさまざまな種類があり、個人の好みや使い勝手の良さで選択できます。良質なパンを作るために、環境を考えた適切なサイズや素材のこね台を選んでくださいね。

パン生地づくりに欠かせないこね台の種類と選び方