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豊富な栄養素が魅力!全粒粉パンを作るときのポイント

2024年1月30日
全粒粉を使用したパン生地には、普通の小麦粉で作ったパン生地とは、風味や食感に違った良さがあります。また全粒粉パンには、栄養素の面でもメリットがあります。この記事では、全粒粉パンの特徴や、全粒粉を使ってパン生地を作るときのポイントをご紹介します。
◎全粒粉を使ったパンの特徴
小麦の粒は、胚乳、胚芽、表皮の3つの要素で構成されています。普通の小麦粉は、胚芽、外皮が取り除かれており、胚乳部分のみが残るよう、綺麗に精製された状態です。全粒粉は小麦の胚芽、外皮を取り除かず、そのまま全て粉にされたものです。
 
全粒粉パンとは、小麦粉だけでなく、全粒粉を加えて作ったパンのことをいいます。小麦粉のみを使用したパンよりも、少し茶色がかっているのが特徴です。胚芽や外皮が含まれている分、食べたときに小麦の香ばしさと、噛みごたえのある食感を楽しめます。
 
パン生地作りでは、普通の小麦粉を使用した場合、しっかりとグルテンが形成されるので、ふんわりとしたパンが焼き上がります。一方で、全粒粉を使用してパン生地を作ると、グルテンが形成されにくいため、パン生地が膨らみづらくなります。そのため、普通の小麦粉を使用したパンに比べると、ボリュームが出づらく、どっしりとした食感のパンになります。

全粒粉を使ったパンの特徴
◎全粒粉パンに含まれる栄養素
全粒粉には、胚芽と外皮が含まれているため、栄養価が高くなっています。その栄養価は、小麦粉の約3倍以上で、食物繊維、ビタミン、鉄分、ミネラルを豊富に含みます。100gあたりの全粒粉パンには、11.2gの食物繊維が含まれており、これは1日に必要な食物繊維の約半分にあたります。普通のパンを全粒粉のパンに置き換えるだけで、不足しがちな食物繊維を補うことができます。100gあたりの全粒粉パンに含まれるビタミンB1は、0.34mgになっており、疲労回復の効果が期待できます。
 
小麦粉と比較して、全粒粉は栄養価の高さと、カロリーの低さから健康志向の人に好まれています。100gあたりのカロリーは、全粒粉を使用したパンは約328kcalで、小麦粉を使用したパンだと約365kcalになります。全粒粉を使用したパンの方が、小麦粉を使用したパンよりもカロリーが少しだけ低くなっています。全粒粉の含有量が多いものを選ぶと、カロリーを抑えられるだけでなく、栄養素も多く摂取できるので、積極的に取り入れるとよいでしょう。

全粒粉パンに含まれる栄養素
◎全粒粉を使ったパンの配合割合
市販の全粒粉パンは、含まれている全粒粉の割合に差があります。全粒粉だけを使用して、パン生地を作ると硬くて食べにくいため、普通の小麦粉と混ぜて使われることが多いです。
 
使用する全粒粉の割合ごとに、パン生地の特徴は変わります。全粒粉を100%使用しているパン生地は、膨らみにくいため硬くなり、素朴な食感のパンになります。ほんのり小麦の風味をプラスしたいときには、小麦粉に全粒粉を20%加えるとよいでしょう。全粒粉を40%使用すると、しっかりと全粒粉の風味がして、やわらかさもあるので、もちもち感と歯切れのよさの両方が楽しめます。全粒粉を60%加えると、全粒粉の風味をしっかりと感じられ、歯切れのよいパンになります。
 
自宅で全粒粉入りのパン生地を作る際は、まずは小麦粉を10%くらい全粒粉に置き換えて作りはじめてみましょう。徐々に全粒粉の割合を増やしていくと、自分好みの全粒粉パンに仕上がります。

全粒粉を使ったパンの配合割合
◎全粒粉を使ったパンづくりのポイント
全粒粉に含まれる胚芽や外皮は、グルテンの形成を妨げます。全粒粉入りのパン生地は、水分を吸収しにくい構造から、捏ねているときに普通の小麦粉を使用するよりも、べたつきやすくなるのです。胚芽に含まれる油も、グルテンが形成されにくい原因になります。全粒粉を事前に水に浸しておき、胚芽や外皮に水分を吸収させることで、パン生地のまとまりがよくなります。べたつきを回避するためには、パン生地の状態をみながら、水分の量を調整したり、打ち粉をするとよいでしょう。スケッパーを使って、手や作業台についたパン生地を取りながら丸めるのも効果的です。全粒粉の配合が多めの場合には、パン生地を長めに捏ねて、発酵時間も長めに取る必要があります。全粒粉が入っているパン生地は、グルテン膜が破れやすくなります。生地を薄く伸ばしたときに、グルテン膜がなめらかで、指の腹が透けるくらいまで広げられるとグルテン膜が完成した合図です。
 
全粒粉には、あらびきや細かく挽いたものなど、粒度に種類があるため、好みで選びましょう。細かく挽いたものだと、生地に馴染みやすく、口当たりもよくなります。そのため、一般的には細かく挽いたものを、パン生地作りに使うことが多いです。やわらかめのパンを焼きたいときや、はじめて全粒粉パンを作る人は、細かく挽いたものを使いやすいです。一方で、あらびきの全粒粉は、ハード系やどっしりしたパンを焼きたいときに適しています。
 
小麦粉に比べて全粒粉は、含まれている脂肪分が多いのが特徴です。脂肪分が多いと、保存性が悪くなってしまうので、開封したら早めに使い切るようにしましょう。全粒粉に小麦粉を加えることで、グルテンの形成がしやすくなり、膨らみやパン生地の硬さを改善できます。全粒粉を入れすぎると、パン生地が硬くなるので、小麦粉の10〜30%程度を全粒粉に置き換えるのが、美味しいパンを焼き上げるポイントです。
 
全粒粉入りのパン生地を焼き上げるときは、オーブンの温度を普通のパン生地を焼くときよりも少し低めに設定して、焼き時間を長めに取ると上手に焼き上げることができます。その都度、焼き上がりを確認しながら調整してください。

全粒粉を使ったパンづくりのポイント
◎まとめ
全粒粉を加えたパンは、手軽に豊富な栄養素を摂取できます。全粒粉のパン生地作りで注意するべきポイントを押さえて、美味しい全粒粉パンを作りましょう。配合によってパンの風味や食感が変わるので、好みの配合を見つけてくださいね。

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