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包餡のコツとは?包餡を自動化する製パン機械の包餡機

2024年3月19日
食パンやフランスパンなど、パン生地のみのシンプルなパンだけでなく、クリームパンやあんぱんなどフィリングや具材を包むさまざまなパンを作るためには、包餡という工程が欠かせません。この記事では、手作りでの包餡のコツや包餡を行う製パン機械、包餡機についてご紹介します。 
◎包餡の代表的なパン
包餡は、焼成前のパン生地のなかに、具材やフィリングを包む工程のことを指しています。あんぱんやクリームパン、ジャムパンなどが包餡を行う代表的なパンですが、流動性のあるフィリングだけなく、カレーパンや中華まん、フルーツを使ったパン、栗やさつまいものパンなど固形物が入っているフィリングを包餡するパンも多くあります。基本的な製パンの工程では、パン生地の分割や丸めが終わり、成形する工程で包餡を行い、包餡後に最終発酵をして焼成に進みます。 
 
パンの種類によっては、パンを焼いてからフィリングを詰める場合もあり、アメリカやヨーロッパなどではその方法が一般的となっていますが、日本では包餡してからパンを焼く方法が一般的です。そのため包餡ができるようになると作れるパンの幅も広がり、よりパン作りを楽しめるようになります。包餡がきれいにできないと、焼成したときにフィリングが飛び出してしまったりパン生地から具材が透けて見えたり、とじ目が分厚くなるといった失敗につながってしまうため、パンの見た目や味、食感などにも関わる、パン作りにおいて大切な工程です。 
◎手作りパンの包餡のコツ 
家庭でパン作りするときでも、いくつかのコツを知っておけば、包餡の工程を上手に行えます。まずは、包餡する前にフィリングを用意しましょう。フィリングは1個分ずつ小分けにし、丸い玉にしておきます。包餡に慣れていないときは、包みやすいようフィリングを少し小さめにし、慣れてきたら量を調整するようにしてください。フィリングを用意したら、分割と丸めまでしたパン生地を、めん棒で丸く伸ばします。パン生地を伸ばすときは、生地の真ん中を少し厚めにし、周りは少し薄めに伸ばすのがコツです。周りの生地を合わせて包むので、薄めにしておくと包んだときに生地の厚さが均等になります。また、硬めのフィリングを包むときはパン生地を大きくしすぎないようにし、油分や水分が多いフィリングを包むときは、少し大きめにパン生地を広げてください。 
 
パン生地を丸く伸ばしたら、生地の中央にフィリングを置きます。上下の生地をつまみ、左右の生地もつまんでから、ひだを中央によせてつまむように包むと、簡単に包餡ができます。生地を包むときは、フィリングがパン生地のとじる部分につかないように包むのがコツです。フィリングが生地についていると、生地同士がくっつきにくくなったり、焼成するときにとじ目がはがれてしまったりする場合があります。手粉を使いすぎるとパン生地が乾燥し、とじにくくなる原因となるため、使う量に注意が必要です。包餡ができたら、最終発酵をしてパン生地を休ませてから焼成します。包餡では、生地の厚さを均等にすることを意識しましょう。生地の厚さを均等にできると、パンの底が厚くなったり焼成したときに穴ができたりすることなく、きれいにパンが焼きあがります。
◎製パン工場の包餡機 
ベーカリーやパン工場など大量生産を行う製パンの現場では、工程ごとにさまざまな製パン機械が使用されています。包餡の工程でも、手作業で行っていると多くの手間と時間がかかってしまうため、包餡機と呼ばれる製パン機械を使って作業の効率化が図られています。包餡機は、ベーカリーなどの店舗に置けるコンパクトタイプの包餡機から、パン工場の製造ラインで使用する大型タイプの包餡機まで、さまざまな種類がある製パン機械です。クリームやあんこのようなやわらかいフィリングだけでなく、栗やさつまいも、フルーツ、ソーセージなどの固形物も包餡機を使って包餡できます。またパン生地とフィリングを1:1にしたりフィリングの量を多めにしたりといった量の調整や、パンの形状の調整などもできる製パン機械です。 
 
包餡機での包餡方法には、大きく分けて2つの方法が用いられています。まずは、手作業で行う工程を、そのまま包餡機を使って行う方法です。この方法を用いた包餡機では、包餡機に丸や四角のシート生地をセットしてコンベアに流します。包餡機のコンベアにセットされたシート生地は、装置を使ってフィリングを自動で充填され、さらに包餡する装置でコンベアの下に吸い込まれるようにして自動でフィリングを包み込みます。包餡できたパン生地は、包餡機の下のコンベアに移されて流れていき、発酵や焼成の工程へ進みます。この方法を用いた包餡機では、上部を開いた状態に成形したり固形の具材を包んだりすることも可能です。 
 
さらに、独自の方法を使ってフィリングを包む包餡機もあります。独自の方法を用いた包餡機では、分割していない状態のパン生地を包餡機に投入し、フィリングも別で包餡機にセットします。包餡機にセットしたパン生地とフィリングは、包餡機のなかでパン生地内に具材が包まれた2層構造に加工され、長い棒状になって送り出されます。長い棒状になったパン生地は、包餡機の装置によって回転しながらカットされ、カット部分も丸く包まれた状態に成形されます。この方法を用いた包餡機では、包み込むフィリングの量を調整したり、カットする長さを調整して細長いパンを成形したりすることも可能です。 
 
このような包餡機を使うことによって、包餡の作業効率は大幅にアップし、バラエティ豊かなパンを短時間で製造できるようになります。包餡機のような製パン機械だけでなく、各工程に合わせたさまざまな製パン機械によって製パンの現場は支えられているのです。 
◎まとめ 
包餡機は、フィリングを包む包餡の工程を自動で行う製パン機械です。包餡機を使っても傷まないパン生地を作るためには、分割や丸めの工程も大切です。KOKIでは、分割機や丸目機などの製パン機械を開発しています。製パン機械に関するご相談は、当社までお気軽にご連絡ください。