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世界屈指のパン王国!ドイツのパンの魅力

2024年4月9日
世界中の食卓で親しまれているパン。ソーセージやビールが有名なドイツですが、実は世界一パンの種類が多いということをご存じでしょうか。ドイツのパンは、なんと1,500種類以上も存在するといわれています。この記事では、ドイツのパンにはどのような特徴や種類があるのか、作り方のポイントもご紹介します。
◎ドイツのパンの特徴
地域によってさまざまな特徴のパンが存在し、大型パンは約300種類以上、小型パンは1,200種類以上もあるとされる、パンの国ドイツ。寒冷地のドイツでは、小麦よりも寒さに強いライ麦がよく育つため、原料にライ麦を使った黒いライ麦パンが主流です。ライ麦はグルテンを含んでいないため膨らみにくく、その分ずっしりとした噛み応えのあるパンに仕上がります。また、ライ麦にはミネラルや食物繊維、ビタミンB1が豊富に含まれており、小麦を多く使用するパンよりも多くの栄養を摂取できるというメリットがあります。グルテンが含まれないライ麦パンの発酵には、イーストではなくライ麦の天然酵母であるサワー種を使用するため、ドイツのパンからはサワー種特有の酸味や独特の香りを感じられます。ライ麦だけでパン生地を十分に発酵させることは難しいため、ドイツのパンには小麦を混ぜて作られるものも多く存在します。
 
ライ麦と小麦の配合率により、ドイツのパンは大きく5種類に分類されています。ライ麦の配合率が90%以上のパンはロッゲンブロートとされ、ずっしりとしていて重量感があり、酸味の強いのが特徴です。食物繊維やミネラルが豊富で腹持ちがよく、薄くスライスしてスモークサーモンやチーズなど、好きな具材をトッピングして食べるのに適しています。ライ麦配合率が50%以上90%未満のパンはロッゲンミッシュブロートといわれ、ロッゲンブロートよりも酸味とクセが抑えられており、比較的食べやすいドイツのパンだといえます。1cm程度の薄さにスライスしてオープンサンドとして食べるのがおすすめですが、ドイツのパン特有の風味を楽しみたい場合は、厚めにスライスしてサンドイッチにするとよいでしょう。
 
ライ麦と小麦の配合率がそれぞれ50%のパンはミッシュブロートとされ、ライ麦が持つ独特の酸味が小麦によって中和されており、しっとりとした食感が特徴です。トーストやサンドイッチとして食べるのが基本ですが、ドイツではビールやワインと一緒に食べる習慣もあります。ライ麦配合率10%以上50%未満のパンはヴァイツェンミッシュブロートとされ、ドイツで最も一般的に食べられています。ライ麦よりも小麦の割合が多いため、やわらかい食感とほのかな酸味でクセが少なく、さまざまな料理によく合います。ハムやチーズととくに相性がよく、トーストしてバターやジャムを塗って食べるのもおすすめです。ライ麦配合率が10%未満のパンはヴァイツェンブロートとされ、小麦の割合が多くグルテンがしっかりと形成されるため、ふんわりとしながらも歯ごたえのある食感が楽しめます。食パンのような感覚で、好きな具材をサンドする食べ方が主流です。
ドイツのパンの特徴
◎代表的なドイツのパンの種類
ドイツ発祥の代表的なパンのひとつがプレッツェルです。ハートのような独特の形が特徴的で、ドイツだけでなく世界中で親しまれています。カリッとした塩気のあるものが主流ですが、もっちりとした甘いプレッツェルが好まれている地域もあります。塩気がきいているので、ドイツではビールのおつまみとしても人気があります。
 
隣国オーストリア発祥ながらドイツでも一般的によく食べられているパンが、カイザーゼンメルです。焼きたてがとくにおいしいとされ、焼き上がりから4時間以内に食べることが推奨されています。表面に何ものっていないプレーンタイプのほか、ゴマやケシの実、ひまわりの種などがのった香ばしさなど、さまざまな食感を楽しめるタイプも人気です。
 
ドイツ発祥の伝統的な黒パンで、ライ麦のみで作られているのがプンパニッケルというパンです。16時間以上かけてオーブンでじっくりと蒸し焼きされるため、水分が多くもっちりとした食感に仕上がります。ドイツでは、スライスしてチーズやサワークリームを塗って食べるのが一般的ですが、長めにトーストすることでライ麦の香ばしさをより楽しむことができます。
代表的なドイツのパンの種類
◎ドイツのパン作りのポイント
ドイツのパンは材料にライ麦を使用するため、小麦を多く使用したパン生地よりも扱いやすく、パン作り初心者にもおすすめです。基本的な材料は、ライ麦粉・サワー種・水・塩ですが、甘みを足したい場合は水で溶かしたはちみつを加えてください。ドイツのパン特有の風味を生み出すサワー種は作るのに5日ほどかかるため、代わりにドライイーストと小麦粉を加えてもよいでしょう。サワー種を使用しない場合は、なめらかになるまでよく混ぜたヨーグルトをパン生地に加えて酸味を足すと、本格的な味に仕上がります。材料は、空気を含ませるようにゴムベラなどでさっくりと混ぜ合わせましょう。パン生地の温度は26℃前後になるのが理想的なため、混ぜ合わせる前にすべての材料を26℃前後になるよう調整しておくのがおすすめです。
 
パン生地をこねる際は、手のひらの付け根を使って、台にすりつけるようにしてこねます。パン生地に弾力が出てきたら、叩きつけるようにしてべたつきがなくなるまでこねましょう。10~15分ほど時間をかけてこねると、ドイツのパンの特徴であるもっちりとした食感に仕上がります。パン生地の発酵は25℃以上の室温で行うのが望ましいとされていますが、室温が低い場合はオーブンの発酵機能を使うか、できるだけあたたかい場所で少し長めにパン生地を寝かせましょう。ライ麦を使ったドイツのパン生地は膨らみにくいため、焼き上げる際は高温で予熱したオーブンでパンのなかまでしっかりと火を通すのがポイントです。焼く直前のパン生地に霧吹きで水を吹きかけると、焼き上がりの表面がパリッと仕上がるので、より本格的で香ばしいドイツのパンが家庭で楽しめます。

ドイツのパン作りのポイント
◎まとめ
世界一種類が多いといわれるドイツのパンは、粉の配合によりさまざまな味や食感を楽しめます。主な材料のライ麦には栄養が豊富に含まれており、ドイツのパンは健康志向の方やダイエット中の方にもおすすめです。栄養価が高く香ばしいドイツのパンを、ぜひ食卓で楽しんでくださいね。
 
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