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難しいバケットの成型を簡単に!製パン機械のバケットモルダー

2024年4月16日
バケットは、スーパーやベーカリーなど、どこにでもある定番のパンのひとつです。シンプルな形をしているバケットですが、成形が難しくコツが必要といわれています。この記事では、バケットの成型を行う製パン機械、バケットモルダーや大型のモルダーについてご紹介します。 
◎難しいバケットの成型 
バケットは、細長い形でハード系の食感をしており、フランスパンとも呼ばれています。バケットの中には大きな気泡が多くあり、もっちりとした食感が特徴的ですが、クラストと呼ばれるバケットの表面は香ばしく、カリっとした食感が楽しめます。バケットの材料は、小麦粉と水、イースト、塩とシンプルで、シンプルがゆえに味にごまかしがききません。材料を合わせて生地をこねてから発酵させ、バケットの大きさに合わせて生地を分割してから、丸めと成形を行います。手作業で行うバケットの成型にはコツが必要で、同じ材料でも成形の違いによって味が変わるといわれています。バケットの生地は、高加水という水分量が多い生地なので、通常のパン生地よりも扱いにくく、扱いやすくするために水分量を減らしてしまうと焼き上がりが硬くなってしまいます。また生地の表面がしっかり張っていないために、表面に切り込みを入れたクープがきれいに開かないというのも、バケットの成型でよくある失敗のひとつです。 
 
バケットを成形する際のコツは、丸めの段階で成形しやすいように長方形に伸ばしておくことです。成型する形に近い状態にして生地の厚さも均一になるようにしておくと、成形時に余計な作業をせずに済み、生地へのダメージを減らせます。また成型前には、生地を軽くたたいて適度にガス抜きをします。ガス抜きをして、成形前の一次発酵によって発生した気泡を均一にすることにより、生地のキメが整います。ガス抜きには、グルテンをほどよく引き締める効果もあるので、生地の伸びがよくなり、しっかりとふくらんでボリュームのあるバケットが焼きあがります。丸めやガス抜きが終わったら、長方形に整えた生地を三つ折りにしてから巻き込みを行い、丸い棒状にしていきます。三つ折りにする際は、生地が重なる部分を使って芯を作り、巻き込みをする際は、表面に出る生地をしっかり張らせることが、バケットの成形のコツとなります。巻き込みを行ったら、コロコロを転がして太さや長さを調整します。 
難しいバケットの成型
◎製パン機械のバケットモルダー  
難しいバケットの成型を手作業で行っていると、作業者によって仕上がりが変わったり、時間がかかってしまったりしてしまう場合があります。バケットを多く製造する必要がある製パンの現場では、成形の効率化や安定化を図るためにバケットモルダーと呼ばれる製パン機械が使用されています。バケットモルダーは、パン生地のガス抜きと成型を行える製パン機械です。バケットモルダーは、小型・中型の製パン機械で、ベーカリーなどの店舗で使用しやすいサイズになっています。バケットモルダーの種類にもよりますが、中型のバケットモルダーは、機械が腰の高さくらいになるように足が付いていて、立った状態でバケットモルダーを使用できます。タイヤが付いているバケットモルダーであれば、使用するときだけ取り出して、限られた作業スペースを有効活用することも可能です。 
 
バケットモルダーを使用する際は、まずバケットモルダーの上部にある投入口に、分割と丸めまで行ったパン生地を投入します。バケットモルダーの内部にはローラーがあり、投入されたパン生地がローラーの間を通ることによって平らに伸ばされ、ガス抜きを行います。バケットモルダーの種類によって2本や3本のローラーが使用されており、ローラーの間隔を調整することも可能です。生地の大きさに合わせて調整できるため、バケットモルダーを使ってもパン生地に圧力をかけ過ぎず、生地を傷めない成形ができます。ガス抜きを行ったパン生地は、そのままバケットモルダーのコンベアに落とされて、コンベアで流れながらロール状に成形されます。ロール状に成形した状態でバケットモルダーの下部から排出されるため、形を少し整えるだけでバケットの成形が完了します。 

製パン機械のバケットモルダー
◎製造ラインで使用する大型モルダー 
バケットモルダーは、ベーカリーなどの店舗で使用しやすい中型の製パン機械ですが、大量生産を行う製パン工場では、バケットモルダーよりも大型のモルダーが使用されています。製パン工場では、分割や丸め、ベンチタイムなどそれぞれの工程ごとに製パン機械が使用されており、パン生地が自動でコンベアを流れて焼き上げまで進む製造ラインが使用されています。大型モルダーも製造ラインに組み込むことができる製パン機械です。 
 
分割されたパン生地がモルダーに流れてくると、まず圧延ローラーを使ってガス抜きを行います。圧延ローラーでガス抜きされたパン生地は、モルダーのコンベアを進んでロール成形を行います。ロール成形を行うのは、モルダーのカーリングネットと呼ばれる金属製の網です。パン生地がカーリングネットとコンベアの間を進み、カーリングネットがパン生地の先端を持ち上げてくるくるとロール状に巻いていきます。ロール成形が完了したパン生地は、モルダーを離れて次の工程を行う製パン機械へ進みます。大型のモルダーも、バケットモルダーのようにローラーを使ってガス抜きを行いますが、ローラーの間隔だけでなく各ローラー単体で速度を調整できるモルダーもあり、パン生地の種類に合わせて微妙な調整を行うことが可能です。タッチパネルでデータを入力して速度調整ができたり、ローラーを取り外してメンテナンスが簡単にできたりと、大量生産の現場に合わせた機能性やメンテナンス性を兼ね備えた製パン機械です。 

製造ラインで使用する大型モルダー 
◎まとめ 
製パン機械のバケットモルダーは、バケットの成型を行い、均一な製品を製造するための製パン機械です。KOKIでは、製造ラインに組み込めるモルダーやデバイダーなど製パン機械の開発や製造を行っています。製パン機械に関するお問い合わせは、お気軽にご連絡ください。
 
難しいバケットの成型を簡単に!製パン機械のバケットモルダー