ブログ

芳醇なバターの風味がリッチ!農業大国・デンマークのパンの魅力

2024年6月11日
北欧諸国のなかでもっとも南に位置するデンマークは、酪農が盛んな農業大国。そんなデンマークでは、牛乳やバターなどの酪農品をたっぷりと使ったパンが親しまれています。この記事では、デンマークのパンにはどのような特徴や種類があるのか、また作り方のポイントをご紹介します。
◎リッチもリーンも!風味豊かなデンマークのパン
ヨーロッパ諸国のなかでもっとも小さな国でありながら、国土の約60%が農用地として利用されているデンマーク。とくに、バターやチーズなどの酪農品の品質は世界市場でも高く評価されています。そんなデンマークでは、生産が盛んな牛乳やバター、卵をたっぷりと使用したリッチなパンが愛されています。
 
デンマークを代表するパンといえば、日本でも親しみのあるデニッシュです。デニッシュはオーストラリアの首都・ウィーン発祥のパンであり、デンマークでは「ウィーンのパン」を意味する、ヴィエナブロートと呼ばれています。デニッシュは、パン生地にバターを重ねて何層にも折り込んだ風味豊かなパンで、表面はサクサク、なかはふんわりとした食感と、濃厚なバターの味わいが特徴です。デンマークでは、食事としてだけでなく、フルーツをトッピングしたりチョコレートを折り込んだりして、スイーツとしても食べられています。デニッシュはその形もさまざまで、四角いものやハート型、フレーバーを折り込んだマーブル状のものまで、多様なアレンジを楽しむことができるパンです。
 
また、日本でいうところのごはんにあたる主食として、ルブロというライ麦パンが親しまれています。ルブロは、ライ麦粉を使った生地をサワー種という天然酵母で発酵させた食事パンで、サワー種特有の酸味や苦味が強く、ずっしりとした食感が特徴です。おもにオープンサンドとしてアレンジされますが、デンマークには日の経ったルブロをビールや水で煮たおかゆのようなものを、朝食や前菜として食べる文化があるそうです。このように、リッチなパンからリーンなパンまで、デンマークの食卓にとってパンは欠かせない存在なのです。

リッチもリーンも!風味豊かなデンマークのパン
◎デンマークの代表的なパンの種類
デンマーク発祥のパンのなかでも、代表的なものがスパンダーです。スパンダーは、四角い板状の生地を中央に向かって折り込み、真ん中にマジパンフィリングとカスタードクリームをのせて焼き上げたリッチなパンです。粉砂糖や季節のフルーツ、スライスアーモンドなどをトッピングしたアレンジが人気で、おもに朝食やスイーツとして食べられています。
 
もちろんリッチなパンだけでなく、コーヒーや紅茶と一緒に楽しめるシンプルなパンも人気です。台形のデニッシュにケシの実をトッピングしたティビアキスというパンは、薄い生地が何層にも重なっており、軽い食感とバターの香りが特徴です。砂糖をたっぷりと使用したり、スイーツのようなアレンジが多かったりするデニッシュですが、ティビアキスは甘さ控えめのシンプルなパンなので、バターをたっぷりと練り込んだ生地のおいしさを味わうことができます。
 
デンマークではライ麦を使ったリーン系のパンも好まれています。そのひとつが、トレコンブロートです。トレコンブロートは、小麦粉、全粒粉、ライ麦粉の3種類の穀物とゴマを混ぜ合わせた生地の香ばしさが魅力のパンです。生地のなかと表面にたっぷりとゴマを使っているため、栄養価が高く健康的なパンとして親しまれています。サーモンやチーズを挟んで、オープンサンドにアレンジするのが人気の食べ方です。

デンマークの代表的なパンの種類
◎デンマークのパン作りのポイント
デンマークのパンは、バターの風味と何層にも重なった生地のサクサクした食感が最大の特徴です。材料は主に、準強力粉、牛乳、砂糖、卵、イースト、バターを使用します。準強力粉は、強力粉よりもたんぱく質が少なくミネラルが多く含まれるため、サクサクした軽い食感に焼き上げることができます。準強力粉が手に入らない場合は、強力粉7~8割に対し、2~3割の薄力粉をブレンドすることで代用可能です。
 
ボウルのなかで粉の材料をすべて混ぜ合わせ、常温に戻しておいたバターを加えてなじませます。常温~40℃程度にあたためた牛乳にイーストと溶き卵と合わせたものを加えて、生地がまとまるまでこねましょう。こねすぎてしまうと生地が伸ばしにくくなるため、こね作業は粉っぽさがなくなる程度にとどめます。
生地がまとまったらバットに出して平たく伸ばし、冷蔵庫で10分程度冷やします。冷やした生地を20センチ幅に伸ばしてラップに包み、さらに30程度冷やしてください。生地を冷やしている間に、綿棒で生地に折り込むバターを伸ばしておきましょう。
 
伸ばしたバターを生地の真ん中に置いて包んだら、綿棒で長方形になるように伸ばし、三つ折りにします。生地の折り目が縦になるように置いてさらに伸ばし、もう1度三つ折りにして30分程度冷やしましょう。この工程を2度、繰り返します。生地ができあがったら、縦40センチ、横20センチ、厚さ3ミリ程度になるよう整えます。作りたいパンの種類に合わせたサイズに生地をカットし、三角形やマーブル型など、好みの形に成形してください。成形後、オーブンシートを敷いた天板に生地をのせ、乾燥しないようラップをかけて1時間程度発酵させます。全体がふっくらとするまで発酵させたら、生地の表面に卵液を塗り、220℃に予熱したオーブンで15分焼き上げましょう。
 
チョコレートやカスタードクリームを使用する場合は、焼き上げる前の生地にトッピングしてください。また、パイナップルや黄桃など、シロップ漬けのフルーツを使用する場合も、生地にのせてから焼き上げます。焼き上がったら、すぐにシロップを塗るのがポイントです。パンの乾燥を防ぎ、ツヤのある美しい仕上がりになります。

デンマークのパン作りのポイント
◎まとめ
農業大国のデンマークでは、酪農品がたっぷりと使われたパンが愛されています。デンマークのパンは、サクサクとした軽い食感とバターの豊かな香りが魅力で、朝食やティータイムのおやつにもぴったりです。アレンジの幅が豊富で、リッチなバターの風味を味わえるデンマークのパンを、ぜひ楽しんでみてはいかがでしょうか。KOKIでは、分割機や丸目機を中心に製パン機械に関わる製造や販売などの一連の業務を行っております。製パン機械についてのご相談やご質問は、お気軽にお問合せください。

芳醇なバターの風味がリッチ!農業大国・デンマークのパンの魅力