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こね作業をもっと簡単に!フードプロセッサーを使ったパン生地作り

2024年6月18日
パン生地作りにおいて、こね作業は欠かせない工程のひとつですが、こね作業は時間や労力がかかります。そこで、フードプロセッサーを使えば、簡単にパン生地を作れるのをご存知でしょうか。この記事では、フードプロセッサーでパン生地を作るメリットや、製パン工場でこね作業に使われているミキサーについてご紹介します。
◎フードプロセッサーでパン生地を作るメリット
ふんわりとしたパンを焼き上げるために欠かせないグルテンは、パン生地をしっかりとこねることで形成されるため、こね作業は重要な工程です。手でこねる場合は15分〜30分ほどかかりますが、フードプロセッサーを使えば2分ほどでこね上げが完了するので、時短になります。
 
時間に余裕があるときは手ごね作業を楽しみ、忙しいときはフードプロセッサーに任せるなど使い分けてもよいでしょう。また、こね作業はパン生地を叩いたり伸ばしたりと力を使いますが、フードプロセッサーを使えばその労力も必要ないため、こね作業が楽になるのです。こね作業を終えたあと、手についたパン生地がなかなか取れないという経験のある方も多いでしょう。しかし、フードプロセッサーでこね作業を行えば手がべたつくことはほとんどありません。フードプロセッサーを洗う手間はかかりますが、使用後の容器はほぼ汚れがつかないため後片付けは簡単です。
 
フードプロセッサーを使って素早くこねたパン生地は、キメが細かくなめらかで、焼くとふわふわのパンに仕上がります。こね時間の短縮や焼き上がりの食感がよいことなど、こね作業にフードプロセッサーを取り入れるメリットは多くあります。

フードプロセッサーでパン生地を作るメリット
◎フードプロセッサーを使ったパン生地作りのポイント
こね作業にフードプロセッサーを使用する際は、こね用のアタッチメントがついたものを選ぶことが重要です。フードプロセッサーは、主に食品を刻むために使用する調理器具なので、こね作業に通常の刃を使用すると、グルテンが断ち切られて膨らみの悪いパンに仕上がってしまいます。さらに、モーターへの負荷がかかりすぎてフードプロセッサーが故障してしまう可能性もあります。そのため、フードプロセッサーでこね作業を行う場合は、必ず専用のアタッチメントに交換してから使用しましょう。
 
こね作業に使用するフードプロセッサーの容量は、食パン約1斤分である300グラムの粉をこねることができる1.9リットルがおすすめです。これより大きな容量のフードプロセッサーを選んでしまうと、モーターが空回りしてこね作業がうまくいかない恐れがあります。反対に、容量が小さすぎる場合は必要な量の材料を1度にこねることができないため、何度もこね作業を行う必要が生じてしまうのです。フードプロセッサーの容量は、必要な分量にあわせて適切なものを選ぶことが大切です。パン生地をこねすぎるとグルテンが破壊されて弾力がなくなってしまうため、フードプロセッサーの容器は中の様子が確認できるプラスチック製を選ぶとよいでしょう。
 
フードプロセッサーは、基本的に粘度のある食材を撹拌するのには適さない調理器具です。こね作業をメインとして使用するのであれば、モーターの強いフードプロセッサーを選ぶことも重要なポイントといえます。材料のうち、まずは粉類だけをフードプロセッサーに投入し、スタートボタンを押しましょう。フードプロセッサーを使用すると、手ごねよりも短時間でこね上がるので、発酵を促すためにイーストはぬるま湯に溶かして液状にしておきます。イースト液や牛乳などの液体材料は、粉の材料が混ざりはじめてから投入することで、全体にまんべんなく行きわたらせることができます。
 
液体材料を粉類と一緒にフードプロセッサーに投入するとまとまりにくくなり、こね作業に時間がかかってしまいます。短時間でこね上げが完了するフードプロセッサーの魅力が半減してしまうため、液体材料は粉類のあとから投入するようにしましょう。なお、水分量の多いパン生地を作る場合は、フードプロセッサーの絡まり防止機能が働いてモーターが停止する可能性があるため、液体材料は様子を見ながら少しずつ投入してください。
ある程度まとまってきたら、バターを投入します。混ざりやすくするために、小さくカットしておくのがポイントです。こねすぎを防ぐため、30秒おきにパン生地の状態をチェックしましょう。とくに、フードプロセッサーを回しはじめてから1度目のチェック時には、容器の底に材料の粉が残ってしまっていることもあります。その場合は、ゴムベラなどを使ってまとまっているパン生地と残った粉を合わせてあげてください。
 
最終チェックできれいなグルテン膜が形成されていれば、こね上げ完了です。フードプロセッサーを使用してこね作業を行うと、モーターの稼働熱でパン生地の温度が上がりやすいため、材料をあらかじめ冷蔵庫などで冷やしておきます。そうすることで、こね上げ温度の上がりすぎを防ぐことができます。こね上げの適正温度は26~28℃ですが、冷やした材料を使用してもそれ以上の温度になってしまった場合は、常温発酵ではなく冷蔵庫の野菜室で発酵させるとよいでしょう。こね上げ温度が高い状態のまま常温発酵させると、過発酵を起こしてしまうため注意してください。
 
フードプロセッサーを使ってこね作業を行うことで、手ごねよりも簡単にパン生地を作ることが可能です。なお、製パン工場では1度に大量のパンを生産しているため、こね作業には業務用のミキサーが使われています。

フードプロセッサーを使ったパン生地作りのポイント
◎製パン工場で使われているミキサー
製パン工場やベーカリーでは、工程ごとに適した製パン機械が使用されています。ほとんどの製パン工場でこね作業に使用されているのが、業務用の横型ミキサーです。横型ミキサーは、箱形のボディの中に材料を入れるための大きなボウルがあり、そのボウルの中には2~3本のアジテーターというバーが備えつけられています。アジテーターを回転させることで材料をムラなく撹拌し、こね上げまでを行います。
 
多くの製パン工場では、代表的なパンの製法である中種法でパンを生産しています。中種法は、50%ほどの材料をこねてから1度発酵させたあと、残りの材料を合わせてこね上げる製法です。中種法を用いて焼き上げたパンは、ふんわりとして日持ちするのが特徴です。さらに、2度に分けてこね作業を行うことにより、グルテンが強化されて傷みにくいパン生地に仕上がるため、中種法は横型ミキサーをはじめとする製パン機械を使用したパンの生産に適しています。
 
横型ミキサーは、作るパンの種類によって、アジテーターとボウルの隙間であるクリアランスを調整することで、そのパンに適した生地を作ることができます。ミキサーを稼働する時間、速度、アジテーターの本数などを細かに調整してこね上げることで、メーカーオリジナルのパン生地を作ることも可能です。横型ミキサーでこね上げまで完了したあとは、ドゥボックスという保管用の器具にパン生地を移して発酵させます。そして、分割機や丸目機といった製パン機械を用いて成形までを行います。おいしいパンが焼き上がるまでには、さまざまな製パン機械の活躍が不可欠なのです。

製パン工場で使われているミキサー
◎まとめ
こね作業にフードプロセッサーを使用すれば、家庭で簡単にパン生地を作ることが可能です。また、大量生産が必要な製パン工場では、ミキサーや分割機、丸目機をはじめとした製パン機械を使用することで、各工程を効率的に行うことができます。KOKIでは、分割機や丸目機を中心に製パン機械に関わる製造や販売などの一連の業務を行っております。製品についてのご相談やご質問などは、当社までお気軽にお問合せください。
こね作業をもっと簡単に!フードプロセッサーを使ったパン生地作り