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パンの仕上がりを決めるパン生地の丸め作業と製パン工場で活躍する丸目機

2024年8月20日
パン生地の丸め作業は、パン作りにおいて欠かせない重要な工程となります。パン生地をきれいに丸められるかどうかは、見た目だけでなく食感においても、パンの仕上がりに大きく影響するからです。この記事では、パン生地の丸め作業のポイントや製パン工場で活躍する丸目機についてご紹介します。
◎パン生地の丸め作業とは
パン生地の丸め作業とは、見た目の美しさや食べたときの口当たりに影響する大事な工程です。適切に作業ができていないと、成形しにくくなり、しっかりと膨らまなかったりコシのある食感になったりするからです。パン生地を分割したあとは、生地の形や厚みがバラバラの状態になります。丸め作業により、分割した生地の形が統一され、成形しやすくなるのです。また、分割することで生じるパン生地状態のばらつきも、均等にすることが可能です。
 
作業は、パン生地の発酵前に行います。発酵前のグルテン組織に刺激が加わり、パン生地の弾力が強くなるためです。パン生地表面は、丸め作業により平滑化し、ぴんと張った状態となります。その結果、発酵時に発生する炭酸ガスが抜け出ることを防げます。炭酸ガスをパン生地内にとどめることで、ふっくらとしたボリュームのあるパンに仕上がるのです。丸め作業は、最終的なパンの形や味を決める重要な工程といえるでしょう。
パン生地の丸め作業とは
◎パン生地をきれいに丸めるポイント
パン生地をきれいに丸める際のポイントは、生地の状態やパンの種類によって、丸め加減を調整することです。まずは、分割したパン生地の断面を内側に折り込みます。生地の断面にはべたつきがあるため、表面に出ないよう注意が必要です。折り込む際は、指先で断面をつまむようにします。パン生地を手の上で少しずつ回転させ、一周折り込んで丸くします。その後、両手で生地を転がして表面をなめらかにしていきます。このとき、力を入れすぎずに、表面のみがなめらかでぴんと張るように丸くしていきましょう。最後に、生地が集まっている部分をつまんで閉じれば、丸め作業は完了します。生地の底をしっかりと閉じることで、均一に丸く膨らむので、作業は最後まで丁寧に行うことが大切です。
 
作業の短縮を図りたいときは、こね台の上で行うことをおすすめします。作業している間にも、パン生地の発酵は進むため、時間短縮を意識することは重要です。こね台で行う場合も、生地断面を内側に折り込んでから作業します。パン生地の上に手をのせて、折り込んだ部分が下になった状態を保ちながら、円を描くようにして動かしていきます。このとき、指先を軽く曲げて猫の手をイメージし、優しく動かすことがポイントです。中央の指3本の爪を台につけたまま動かすと、パン生地が下に巻き込まれやすくなり、生地が張って丸くなります。表面が張ってきたらパン生地を裏返し、生地が集まった部分をしっかりとつまみ、閉じてください。パン生地を台に押しつけすぎてしまうと、ふっくらした焼き上がりになりません。また、丸くし続けてしまうと、パン生地表面が切れてしまうので注意が必要です。力加減は、手の動きとともにパン生地が動くくらいの余裕をもたせるとよいでしょう。
 
作りたいパンの種類によっては、作業時に力の入れ具合を調整する必要があります。たとえば、バターロールなど成形が複雑なパンの場合は、丸め加減を弱くしてください。作業時に力を加えすぎると、生地に弾力が出て成形しにくくなるからです。パン生地のやわらかさによっても、加減は変わってきます。冷蔵庫で低温発酵させたパン生地などは、通常の発酵と異なり固くなるため、同様に処理すると表面がやぶれてしまう可能性があります。このように、作りたいパンの種類や生地の状態に合わせた、適切なアプローチが大切です。

パン生地をきれいに丸めるポイント
◎製パン工場における丸目機の役割
1度に商品を大量生産するパン工場では、パン生地を丸める工程に丸目機という製パン機械を使用します。丸目機は、パンの仕上がりに影響する重要な工程をまかなうため、パン生地に合わせた機械の選定が大切です。KOKIでは、丸め具合やパン生地のやわらかさによって、さまざまな丸目機を取り扱っています。
 
逆円錐型の丸目機は、シリンダーが生地の表面を覆うような形状です。そのため、生地玉を適度に締めつけて包み込むような形ができるので、冷生地やピザなど固めの生地に適しています。丸め距離と時間の短縮が、生地玉のラウンディングによるストレスを解放し、ベンチタイムを早めてくれるのです。KOKIで扱う逆円錐型の丸目機は、サイズが3種類あります。能力はサイズによって異なりますが、1時間に小玉7,000〜12,000個、大玉3,600〜7,200個作ることが可能です。生産するパンの数や工場の大きさなど、自社の製パンに適したものを選択します。円筒型の丸目機は、生地を締めつけずに、優しく転がしながら丸くできます。そのため、パン生地に大きなストレスがかかりません。生地玉の大きさに合わせてトラフガイドを調整できるため、さまざまな分量のパン生地に対応可能です。生地漏れが少なく、また、カス受けにより生地カスの混入は改善します。ほかにも、均一にパン生地を丸めるのに適したコンベア型の丸目機や、パン生地のやわらかさを問わず幅広く対応した傘型の丸目機も取り扱っています。
 
KOKIで扱う製パン機械は、メンテナンスに優れている点が特徴です。トラフガイドにパン生地が付着しにくい加工を施しているため、水拭きで清掃が可能となっています。食品を扱う場所で重要となる衛生面に配慮しているうえに、スタッフの作業効率向上も図れます。


製パン工場における丸目機の役割
◎まとめ
パン生地の丸め作業は、焼き上がりの食感や見た目に大きく影響します。品質を一定に保ち大量生産するパン工場においては、丸め作業に丸目機は欠かせません。KOKIでは、分割機や丸目機を中心に、製パン機械に関わる開発から販売まで一連の業務を行っております。製パン機械についてのご相談やご質問は、当社までお気軽にお問い合わせください。