パンはそのまま食べてもおいしいですが、ホイップクリームを挟むことで見た目が華やかになり、スイーツのように楽しめます。ホイップクリームのパンを家庭で作る場合は、手軽にホイップできる道具があると便利です。一方、ベーカリーや製パン工場では、クリーム充填機などの機械がスイーツ系のパン作りを支えています。この記事では、家庭でホイップする際のコツや製パン機械についてご紹介します。
◎スイーツ系のパンに欠かせないホイップクリームの役割
ホイップクリームを挟んだスイーツ系のパンは、ふわふわの優しい口どけでおいしさを引き立てます。ホイップとは、卵白やクリームを泡立てるという意味をもち、フランス語ではクレーム・シャンティイと呼びます。ホイップするクリームの種類は、動物性脂肪(乳脂肪)のみを原材料とした、脂肪分の高い生クリームと、動物性脂肪に植物性脂肪を加えたもの、もしくは植物性脂肪のみを使用したホイップクリームです。動物性はクリームの味が濃いため、のせたり挟んだりして、クリーム自体の味を活かすパンにむいています。植物性は、乳化剤や安定剤が加えられており、安価で保存期間が長いという点がメリットです。ただしホイップして使用する場合、泡立ちの持続性が低いため、形を維持したいものには向いていません。
スイーツ系のなかでも、マリトッツォやフルーツサンドは人気があります。クリームコロネのようにクリームを絞った形もあり、見た目のかわいらしさに惹かれて、つい手に取ってしまうケースも多いのではないでしょうか。ホイップクリームは、パンの楽しみ方を広げ、朝食やおやつにも向いています。
◎家庭でつくるホイップクリームが入ったパン作りのコツ
家庭でホイップクリームが入ったパン作りをするときは、冷やすことがポイントです。クリームは混ぜるたびにクリームの脂肪球が衝撃を受けて結合し、空気を取り込むことで固まっていきます。脂肪球は温度変化の影響を受けやすく、5~10℃が最適な温度となるため、温度が高いと固まりません。ホイップすることで温度が上がってしまわないように、作業中も氷水でボウルの底を冷やしましょう。ボウル全体が冷えていれば、時間の短縮にもつながります。
ホイップクリームを作る際は、泡だて器やミキサーを使用します。手で混ぜるのが大変なときは、家庭用ミキサーがあると便利です。一般的に使われているものは、軽量で片付けも手軽なハンドミキサーやブレンダーです。ハンドミキサーは、ミキサーヘッドを装着しスイッチを入れるだけで使用できます。ホイップすることに特化しており、持っているだけで作業が可能です。ブレンダーは、アタッチメントをホイッパーに付け替えてホイップできます。食材によって砕いたりつぶしたりと1台で何役もこなすため、ホイップ以外にも広く使用可能です。ただしパワーが強いため、周囲に飛び散ることがあるので留意してください。また、ボタンを押し続けて機械を動かすため、長い時間の作業には手が疲れてしまうこともあるでしょう。最近では、ホイップクリームディスペンサーも人気で、必要な食材を入れて振るだけでホイップできます。そのうえ、美しく絞ることも可能です。クリーム作りから絞りまでの工程がひとつでまかなえるため、利便性が高くなっています。
ホイップクリームのパン作りは、ホイップしたクリームを冷蔵庫で冷やしておくことで、作業がスムーズに進みます。見た目の印象も重要なので、クリームの形を維持することが大切です。そのためにも、完成系をイメージしてクリームを選び、温度管理を意識して作業を始めていくようにしましょう。
◎ベーカリーや製パン工場で使われるホイップクリームの製パン機械
ベーカリーや製パン工場で作る場合は、ホイップマシンやクリーム充填機などが使用されます。ホイップクリームに関する全ての工程を人の手でまかなうと、時間と労力がかかってしまいます。製パン工場では、完成後食べるまでにある程度の時間を要するため、すでにできあがっているホイップクリームを使用する傾向が多いです。
1度に多量のホイップクリームを作るために、ホイップマシンは重要な役割を果たします。ホイップマシンのなかには、本体に冷却機能がついていて、温度管理が可能となっています。ほかにも、低脂肪から高脂肪まで、クリームの脂肪分に対応できる製パン機械もあります。製パン工場では、スペースが確保できるため、ホイップに特化した機械の導入が可能です。ベーカリーでは、省スペースで生産性の向上をはかるため、多用途に使える製品を選ぶことが多いでしょう。ホイップできる製パン機械は、ボウルに打ちつける強さを変えて、ホイップクリームを作ります。ビーター、ドゥフック、スクリューフック、ホイッパーなどの撹拌子が付属しているため、用途によって使い分けることが可能です。ホイップの際には撹拌子をホイッパーに変え、回転速度を速くします。
ホイップクリームを充填する際のクリーム充填機は、機械のノズルを変更できるようになっており、生地や形など種類に合わせた充填が可能です。クリーム注入時に起こりやすい生地へのダメージを減らして、端から端まで注入できます。クリームの注入穴が見えないような工夫がされているのが特徴です。ホイップクリームのパンは、クリームが注入されたものだけではありません。クリームを挟む場合には、腹割りや背割りなどにも対応できるようになっています。ホイップクリームの充填方法は、多くのバリエーションに対応できるよう考えられているのです。クリーム充填機には、コンパクトな卓上型もあり、人手が限られたベーカリーでも作業効率をあげられます。速度を調整しながら一定量のクリームを詰められるので、製パン工場やベーカリーのように多くのパンを作る場所で作業効率を向上させ、生産性がアップします。
◎まとめ
ふわふわで甘いホイップクリームは、パン作りの楽しみ方を広げてくれます。ホイップクリームを使い、見た目やおいしさ保つためには、しっかり冷やすなどコツが必要です。KOKIでは、分割機や丸目機などの製パン機械を開発しております。ご興味ありましたらお気軽にお問い合わせください。