パン作りにおいて、商品の見た目と食感を左右するガス抜きと成型作業は非常に重要です。パン工場でのガス抜きと成型では、製パン機械のモルダーが一定の品質保持に大きな役割を担っています。この記事では、モルダーが行うガス抜きと成型の重要性や、家庭で行う際のポイントをご紹介します。

◎家庭のパン作りガス抜きと成型の重要性

家庭のパン作りで、ガス抜きと成型作業は大切です。上手にできていれば、しっとりした食感で適度に膨らんだ見た目にも美しい形のパンに仕上がります。ガス抜きの作業でパン生地に圧力を加えるため、グルテン組織が刺激されます。パン生地が膨化する際に、グルテン膜が張力を強化してくれるため、パンのボリュームが増して張りが出ます。ガス抜きは、発酵過程で発生し気泡となった炭酸ガスをつぶして、小さな気泡に分散させる作業です。パンの膨らみに影響を及ぼす重要な工程といえるでしょう。

 

成型もパンの見た目に関わる大切な工程です。パン生地は作業工程で発酵が進んでおり、スピードや成型のやり方によっては、パン生地にストレスを与えてしまいます。ストレスがかかれば、グルテン膜が切れてしまい、見た目にツヤのないパンができあがってしまいます。ムラができたり大きさが変わったりすると、焼き上がりに大きく影響するため、温度や湿度にも気を配り、発酵を安定させることが必要不可欠となります。

◎家庭でガス抜きや成型する際のポイント

家庭でガス抜きや成型する際のポイントは、パン生地が傷まないようにやさしく力を加えることです。上手にガス抜きできないと、焼成後のパンは、表面がぼこぼこしてパサついた食感となります。ガス抜きのタイミングは、一次発酵とベンチタイムが終わったときです。

 

ただし、一次発酵が1時間以上になるときは、炭酸ガスが生地内に溜まりすぎるので、途中でガス抜きが必要です。ガス抜きをするときは、パン生地に指をさし込んで発酵状態を確認します。ボウルのなかに生地を入れたままガス抜きすると、均等に気泡が抜けないため台に出して行うほうがよいでしょう。パン生地の中心から外側に向けて順に押していくと、中の気泡が外に出やすくなります。手で行うとムラができるため、ガス抜き用の綿棒があると便利です。

 

ガス抜きは、パンの種類によっても作業が異なります。フランスパン系のやわらかい場合は、スクレーパー等で生地をもち上げて折り込みながらガスを抜きます。菓子パンのように副材料が入っている場合は、発酵しにくいため念入りに行うことが大切です。ドライフルーツが多く使われるパンはガスが溜まりにくいため、ガス抜きによって膨らみが変わります。ガス抜きは技術が必要となり、品質を安定させることが難しい作業です。製パン機械のモルダーは品質の安定が図れるため、ベーカリーでは小型モルダーが使用されています。

 

成型作業をするときは、パン生地の表と裏を意識してください。焼きムラや見た目に影響するため、正しい方向で成型することが大切です。四角く切り出した生地を丸めるときは、カットした断面が表側に出ないよう、内側に包み込むように丸めます。一周ぐるりと内側に折り込んだら、両手で転がすかつまめば完成です。成型のときパン生地に負担をかけると、表面が破断したり膨化がかたよったりします。やさしい力でスピーディーに成型することが重要です。成型に関する繊細な作業も、パン工場ではモルダーによって問題なく進められます。大量のパンを同じクオリティーで届けるためには、製パン機械のモルダーが必須となっています。

◎パンの品質保持に欠かせない製パン機械モルダーの役割

パン工場では、ガス抜きと成型はモルダーが行います。製パン機械のモルダーは、パンの品質保持に不可欠です。モルダーを使用すれば、ガス抜きが均一に行えます。生産ラインにモルダーは組み込まれており、すべての工程が流れるように進んでいきます。製パン機械のモルダーに装着されている圧延ローラーによって、ガス抜きがされます。ローラーは、家庭における綿棒の役割です。モルダーのローラー2本で圧力をかけて伸ばしていくことで、パン生地が傷まずにガス抜きできます。ローラー同士の幅を調整すれば、大きな気泡を排除して細やかな内層にできます。きめ細かい口当たりのパンを作るためには、モルダーは重要な存在といえるでしょう。

 

KOKIでは、多種多様型の「モルダーVraiety KOKI Moulder VKM220」と単体ドライブ方式の「モルダー Simple Drive Moulder SDM3」を取り扱っています。KOKIのモルダーは、三段の圧延ローラーで速度を微調整することが可能です。徐々に圧延してガス抜きするため、パン生地のストレスを最小限にできます。ガス抜きは、パン生地にストレスをかけないことが重要となるため、製パン機械のモルダーを使えば可能となるでしょう。ベーカリーで小型のモルダーを使用する際は、投入する際にパン生地の延展方向に留意してください。パンの種類によっては、画一的に伸ばされることで生地表面が破れたように膨れあがるため、注意が必要です。

 

製パン機械のモルダーは、成型作業も行います。モルダーについているカーリングネットという金属製の網でパン生地の先端をもち上げて、ロール状に成型します。モルダーを使えば、ロールやシート成型も可能です。フランスパン系のやわらかい生地は成型作業に困難を要しますが、モルダーであればストレスなく作業できます。KOKIのモルダーはメンテナンスしやすく、スタッフにも配慮された機械となっています。製パン機械のモルダーによって、作業の効率化と生産性の向上が図れます。多種多様なパン生地のガス抜きや成型を一定化するモルダーは、品質安定に欠かせない機械といえるでしょう。

◎まとめ

モルダーは、ガス抜きと成型の工程を担う製パン機械です。見た目と味の品質を保つことが可能となり、大量のパンを生産する工場において、モルダーは不可欠といえるでしょう。KOKIでは、2種類のモルダーを取り扱っており、製パン機械に関わる製造や販売などの一連の業務を行っております。製パン機械に関するご相談は、当社までお気軽にお問い合わせください。