ブログ

世界に誇る食文化!独自の製法で受け継がれる中国パンの魅力

2024年10月8日
中国は、世界でも小麦料理が豊富であり、麺類や餃子など多くの種類が存在します。パンでは饅頭(マントウ)や肉まん以外にも、さまざまな種類があります。蒸すという独自の製法で作られており、多彩な料理とともに楽しめるのです。この記事では、中国のパンの特徴や種類はもちろん、作り方のポイントについても紹介します。

◎中国におけるパンの特徴

中国におけるパンの特徴は、蒸す製法が使われていることです。素材の水分を保ちつつ、やさしく火を入れられる蒸す製法が主流となり、パンにも活かされています。蒸すことを大切にしてパンを作る理由として、気候が影響しています。中国北部は寒冷な気候であるため、昔から小麦の栽培が盛んに行われてきました。中国の内陸部は、海洋から遠く離れた大陸性の気候により、空気が乾燥しています。蒸したパンは、北部の厳しい寒さと乾燥を乗り越えるエネルギー源として重宝されてきました。保存性に優れているのと、手軽に食べられることが大きなメリットです。寒い地域特有の味付けが濃い料理には、シンプルな蒸しパンが最適な組み合わせとなっています。
 
中国では、石器時代の蒸し器が発見されていることから、長い歴史のなかで蒸す製法が受け継がれてきたのがわかります。料理だけでなく、パンにも同じ製法が使われていることから、文化の奥深さが感じられるでしょう。中国では、ゴマや豆類、ナツメなどを使用したパンも多く、健康面にもこだわってきました。病気にならないためには、日常的な食事が大切だという意識が、パンにも根付いています。

◎代表的な中国のパンの種類

代表的な中国のパンは、饅頭(マントウ)です。中国では、具のないパンを饅頭、具入りを包子(パオズ)といいます。世界でも広く食べられている肉まんは、具入りの包子で、日本でもなじみ深いものです。饅頭は、パン生地を発酵させたあとに蒸して作り、白くつやつやした見た目でほんのりと甘さが感じられます。同じ生地を使用し、花形に成形したパンは花巻(ホアジュアン)です。どちらもシンプルなのでアレンジは自在で、角煮を挟んだり料理に添えたりすることが多いでしょう。主食となるため、日本人が食べるご飯のように、おかずと共に出されます。冠婚葬祭などでもよく食べられており、地域ごとに特性は異なります。文化に根付いた饅頭は、人々の食卓を支えているのです。
 
具を入れたパンの包子は、中身によって呼び方が変わります。肉を包んでいる包子は、肉包(ローパオ)、野菜は菜包(ツァイパオ)です。日本の肉まんよりも小ぶりな形に作られた包子は、黒酢をつければサッパリとした味わいで、何個でも食べられるでしょう。具の種類は豊富で、あんこやサツマイモなどの甘い餡も包みます。中国では、甘い包子のパンが好まれています。
 
馬拉糕(マーラーカオ)は、卵をたっぷり使った褐色の蒸しパンです。甘味を出すために三温糖や黒糖を使用しているため、ミネラル豊富です。しっとりとしてコクがあり、甘いカステラのような味わいが感じられます。揚げたパンは油条(ヨウティヤオ)と呼ばれています。強めのミキシングでグルテンをしっかり作ってから、1晩寝かせます。薄く伸ばした棒状の生地を2本重ね、発酵加減に注意して揚げており、さくっとした独特の食感です。お粥に添えられている揚げパンというと、イメージしやすいでしょう。中国では、甘い豆乳につけて食べることもあります。同じ揚げたパンでも、麻花(マーホア)は、発酵生地をねじねじに巻いたドーナツです。長崎で有名な「よりより」というお菓子は、中国から伝わった麻花をクッキー状に焼いたものといわれています。

◎中国のパン作りのポイント

中国の代表的なパンである饅頭を作るときには、生地をしっかりと捏ねて表面のツヤを出し、発酵させることがポイントとなります。温度や湿度などに気を配れば、発酵がスムーズに進み、見た目の美しい饅頭になるのです。基本の材料は、小麦粉に塩と砂糖、水・酵母とシンプルです。人によっては、水を牛乳に変えたりイーストではなくベーキングパウダーを使ったり、作りやすいようにアレンジしています。
 
饅頭を作るときは、まず、ぬるま湯とドライイーストを入れて泡が出るまで常温で置きます。薄力粉と強力粉に少量のラードを入れて混ぜ合わせたら、砂糖・牛乳とぬるま湯に入れたドライイーストを加えてよく混ぜてください。ある程度生地がまとまったら、つやが出るまで捏ねます。最初は生地をちぎるようにしてから捏ねて、腕全体で伸ばしていくと手が疲れません。生地につやが出たら、濡れ布巾やラップをかけて20分発酵させます。捏ね具合が足りないと、蒸しあがったときに膨らまないので注意が必要です。
 
発酵させた生地を平らに伸ばしたら、ガス抜きします。棒状に丸めるときに、生地の先端部分を指で下の方に押して伸ばすときれいにまとまります。指3本分ほどの大きさに切り分け、切り口は成型しない方が愛らしい形です。二次発酵で大きさが2倍ほどになったら、蒸し器で15分蒸します。蒸しあがった後は、鍋からおろしてゆっくり蓋を取ると、パン生地にしわがつきにくくなります。水滴がパン生地に落ちないよう、蓋を布巾で巻いてガードすることも大切です。蒸しパンは、水分が落ちてしまうと冷めて硬くなり、味が落ちるので注意しましょう。
 
饅頭はシンプルでアレンジ自在なパンであるため、花巻や包子に形を変えて、幅広く親しまれています。日本で食べられている饅頭のルーツともいわれており、長い歴史をもっているのです。

◎まとめ

中国のパンはシンプルな味わいで、料理と一緒に楽しめる存在です。気候に適して蒸すという製法が生まれ、パンにも活かされています。蒸したパンは、素朴でやさしい味わいが感じられ、長い間食卓で愛されています。多彩な料理の味を引き立ててくれる中国のパンを、1度味わってみてはいかがでしょうか。KOKIでは、分割機や丸目機を中心に製パン機械に関わる製造や販売などの一連の業務を行っております。製パン機械についてのご相談やご質問などは、当社までお気軽にお問い合わせください。