ブログ

食パンの品質を確保するために欠かせない製パン機械とは

2023年7月25日
きめ細かくしっかりと膨らんだ食パンを作るのに重要な工程が、生地の分割と丸めです。製パン工場の多くでは、作業を効率よく行うために製パン機械が導入されています。この記事では、分割や丸めの重要性や製パン機械の特徴、当社の製パン機械の特徴をご紹介します。
◎食パン作りのポイント「分割と丸め」
食パンは、こねた生地を食パン型に入れて焼きあげますが、この際に生地を適切に分割して型に入れるのが重要です。分割とは、こねた生地を必要な個数だけ同じボリュームにカットすることです。適切に分割しなければ食パンの大きさが変わるため、見た目や焼き時間にムラが生じます。
 
食パンはパンのなかでも大型に属するため、焼き上がりの形を維持できなくなると腰折れが起きやすくなります。腰折れとは、焼いてから食パンが冷めた際にクラスト(外側の皮部分)が凹むことです。腰折れの原因にはさまざまありますが、そのひとつが型に対して投入する生地量が少ない点です。生地量が少ないと食パンの生地が過発酵し、クラム(内側の白い部分)のきめが粗くなります。そうすると焼いた後に重みに耐えきれなくなるため、食パンが腰折れしてしまいます。
 
仕上がりのムラや腰折れの失敗を避けるために、食パン生地を分割する際は、スケッパーなどを使い等しく切り分けましょう。スケッパーを前後に動かして切ると、食パン生地に与えるダメージが大きくなるため、できるだけ上から押すように切りながら、重さをはかるのがポイントです。ただし時間をかけすぎると、分割中に生じた発酵度合いの差から、焼き上がりの大きさにばらつきが生じてしまいます。指の先などを目安に生地の大体の重さを覚えておくと、素早く作業できるようになり便利です。
 
分割と共に重要なのが、分割で露出した断面部分を整える丸めです。分割した生地は丸めることで表面の綺麗さを保ち、成形がしやすくなります。重さの不足から生地を足す際には、丸めているパン生地の裏や中に細切れの生地を入れ込みましょう。そうすることで、表面の綺麗さが保たれ、形が安定します。丸めの状態が不揃いのパン生地は均一に発酵しにくく、焼き上がりも均一になりにくくなります。このように分割と丸めは食パン作りにおいて重要なため、ポイントや注意点を意識して丁寧に作業しましょう。

食パン作りのポイント「分割と丸め」
◎製パン工場で使われるデバイダーとラウンダー
食パン作りにおいて重要な分割と丸めですが、これらは製パンの工程のなかでも時間がかかる部分です。製パン工場の製造ラインでは均一な品質の食パンを大量生産する必要があるため、「デバイダー」や「ラウンダー」といった製パン機械を導入しています。デバイダーとは分割機のことで、パン生地を指定の量に等しく分割する製パン機械です。デバイダーに食パン生地を入れると、事前に設定しておいた分量になるよう自動で分割されます。ラウンダーとは丸目機のことで、分割された生地の丸め作業を担う製パン機械です。デバイダーやラウンダーは小型から大型の規模まであり、生地の量や種類に応じて選ばれます。
 
食パンなど大きな生地は、大型の製パン機械を使って分割や丸めが行われます。製パン工場で多く採用されているのは、投入口から流し込まれたパン生地を圧力で押し出すように分割する分割機です。手動で分割する際は、はかりで重量をはかるのに対し、製パン工場で使われる製パン機械のデバイダーでは、食パン生地の体積をはかって分割します。食パン生地の体積をはかる仕組みには、デバイダーの内部にあるポケットが関係しています。ポケットの容量をあらかじめ希望する分割生地量に設定し、投入口から生地を流し込みます。そうすると生地はポケットに押しこまれ、設定したポケットの容量ごとに分割されて出てくる仕組みです。
 
分割されデバイダーから出てきた食パン生地は、次にラウンダーによって丸められます。ラウンダーでは生地玉が通る小さなレーンと、トラフガイドと呼ばれる部品で生地が丸められる仕組みです。レーンについたトラフガイドの角度によって、丸目機本体との隙間の大きさが変わります。トラフガイドによって作られた傾斜に沿うように丸められることで、徐々に表面の整った食パン生地に仕上がっていきます。

製パン工場で使われるデバイダーとラウンダー
◎食パン作りに適したKOKIの製パン機械
型を使うタイプの製パンでは、生地玉と呼ばれる生地の塊を型に詰めて焼き上げます。食パンのように大きなパンになるほど、型につめる生地玉ひとつのボリュームは大きくなります。当社のデバイダー「Universal Servo Divider USD.L 60L」は、大きな生地玉の分割に対応した製パン機械です。200から500gの生地を1時間で1,080〜7,200個ほど分割できます。食パン生地を押し込む部品である主ラムは従来機の約半分の圧力で押し込むため、食パン生地への負担が少ないのがメリットです。デジタル式タッチパネルのため重量の調整や運転操作が容易で、圧力や吸い込みの量を設定したプログラム化も可能です。チェーン不使用のサーボモーターには機械油がつきにくく、製パン機械の内部にも空間があるためメンテナンスや清掃がしやすくなっています。また食パン生地を押し込む主ラムは樹脂製のため、取り外して掃除する際にも負担がかかりません。

食パン作りに適したKOKIの製パン機械
 
ソフトに生地を丸めるよう設計された当社のラウンダー「KOKI Cylinder Rounder KCR01」は、きめ細かく柔らかな食パン作りに最適です。KCR01は1+3/4の回転数で、20から100gの小玉を1時間に最大12,000個、550gまでの大玉を1時間に6,000個まで丸められます。ラウンダーは本体の形状によって傘型、円筒型、逆円錐型などに分かれますが、製パン機械のKCR01は円筒型のラウンダーとなっています。円筒型は傘型のラウンダーと異なり、上部と下部の幅が等しいため、長距離を一定の速度で転がるのが特徴です。長い距離を使って徐々に丸めることで生地へのストレスを少なく、二次発酵をスムーズにするのがメリットといえます。食パン生地が触れるトラフガイド表面や製パン機械本体には、生地がつきにくいような表面加工やコーティングが施されています。こうした扱いやすい製パン機械を選択すると、製造の合間のメンテナンス時間が短縮され、より効率のよい食パン製造につながるでしょう。

食パン作りに適したKOKIの製パン機械
◎まとめ
製パン機械のデバイダーやラウンダーを活用すると、質のよい食パンを効率よく製造できます。取り扱いやすい当社の製パン機械は、食パン製造で重要とされる分割や丸めに適した設計です。食パン用の製パン機械の導入や更新をお考えの際は、お気軽にKOKIへご相談ください。

食パンの品質を確保するために欠かせない製パン機械とは