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分割は重さが大事!パン生地を正しく分割する方法

2023年10月17日
パン生地を焼いてみたら、仕上がりが揃わずに落ち込んでしまった経験はありませんか?そのようなときは、まず分割の工程を見直してみるといいかもしれません。この記事では、正しい分割の方法やポイント、当社のウエイトチェッカーについてご紹介します。
◎重さで分ける正しい分割の方法
パン生地を分割する上で重要なのは、重さで均等に分けることです。大きさで分けるだけでは、正確に均一にするのは難しいでしょう。もしパン生地が均一に分けられていないまま次の工程に進んでしまうと、その後の発酵の進み具合や火の通り具合にムラができ、結果的にパンの仕上がりは不揃いになってしまいます。レシピのなかには、分割のところで「○等分にする」と書かれていることがありますが、目分量で分けて等分できているように見える場合でも、必ず重さを計って均等になっているか確かめなければなりません。
 
正しいパン生地の分割の方法ですが、はじめにガス抜きが終わった段階でパン生地の総重量を計ります。そこで出た重さを元に、パン生地1個あたりの重さを出しておきます。パン生地を切るときは、手でちぎらずに必ずスケッパーやカード、ドレッジと呼ばれる道具を使って、大体のあたりをつけながら分けていきます。スケッパーは作業台に対して垂直に持ち、パン生地を上から一気に押し切るようにして使います。切ったパン生地はひとつずつ重さを計り、余計な分は切ったり足りない分は付け加えたりしながら事前に計算で出した重さとの差を微調整します。パン生地が重さによって均等に分割できたら、それらを丸めて成形の工程へと移ります。

◎パン生地を分割する際のポイント
正しい分割をしているつもりなのに、二次発酵や焼成後のパンの仕上がりが揃わないという方は、パン生地へのダメージを抑えることと、パン生地周りの環境を見直してみてください。
 
パン作りで常に気をつけなくてはいけないことのひとつは、パン生地を傷めないことです。パン生地へのダメージが大きいものほど膨らみが悪く、固い食感で風味の悪いパンに仕上がってしまいます。たとえば、パン生地を手でちぎると、パン生地内のグルテン構造が壊れたり、パン生地内にあった気泡が押し出されて潰れてしまったりします。このようなダメージを防ぐためにも、分割にはスケッパーなどの道具を使うことが大切なのです。スケッパーは斜めに傾けて使うと切り口が大きくなってしまいます。そのため、作業台に対して垂直に使うのが正しい切り方ですが、分割前のガス抜きでパン生地を少し平らにしておくことも、切ったときの断面が小さくなるのでダメージを抑えるのに有効です。また、スケッパーを包丁のように前後に動かして切るとパン生地の断面が傷んでしまうため、やらないように意識してください。
 
分割時のパン生地のカットを少なくすることも、ダメージを抑える上で重要です。なぜなら、目標の重さにするために1回のカットで済ませるのと細かく切ったパン生地を合わせるのではパン生地へのダメージが変わってしまうからです。パン生地の重さを微調整する際、減らすときは切った断面から切り分け、足すときは断面に加えるようにしてください。何もしていない表面に足してしまうと、丸めた際にでこぼこした見た目になってしまいます。しかし、調整した部分を下にして丸めれば、きれいでなめらかな表面になります。
 
分割に時間がかかるとパン生地の発酵が進んだり乾燥したりしてしまうため、手際よく少ない回数で切り分け、調整もなるべく少ない回数で済ませるようにしましょう。パン作りの経験を重ねて、パン生地の1gはこのくらい、10gならこのくらいという目安を感覚的に身につけられると作業がより捗るでしょう。分割ができたものからラップや濡れぶきんを被せて乾燥を防ぐことも大切です。さらに気をつけるポイントとしては、パン生地周りの環境があります。たとえば、パン生地にラップや濡れぶきんをかけるときは、かかり方に差が出ていないか注意してみてください。また、オーブンの発酵機能を使う際は、風の当たり方に気をつけてみるといいでしょう。

◎KOKIのKC9000とIOTソリューション
製パン工場では、安定した品質のパンを大量に生産することが求められますが、そこで重要なのが分割時の重さによる管理です。製パン工場では、デバイダーが分けたパン生地をウエイトチェッカーが重さをはかり管理するといった生産ラインが組まれています。
 
KOKIでは、デバイダーとウエイトチェッカーがひとつの製パン機械になったウェイトチェッカー Synchronize weight checker KC9000を取り扱っています。このKC9000は、パン生地の状態にあった比重を常に計算し、ポケットごとにパン生地の重さの変動を監視しています。何よりデバイダーとチェッカーが一体化したことで、双方向のデータのやり取りがスピーディーに行えるようになり、従来のウエイトチェッカーではできなかった目標重量の上・下限3%を継続維持できるようになったことが特徴です。KC9000は、一時的に分割の速度を下げることもできるため、新しいパン生地に切り替わる際などでもスムーズに対応できます。
 
KC9000に付随するシステムとして、全国にある各工場のウエイトチェッカーの情報が遠隔で確認できるIOTソリューションを開発しています。IOTソリューションを活用することで、各工場の情報はWebサーバーを通じて本社や事務所、支店に送られるため、アナログ的な作業をする必要はなくなります。情報の伝達がスピーディなので、どの工場のロスが多いかがすぐにわかります。多くの場合、製パン工場などにおいて設定された重量から外れてしまったパン生地は、廃棄処分となってしまいます。つまり、ロスに対する対応が素早く行えると、それだけ企業の損失を抑えることにつながるのです。KC9000とIOTソリューションを掛け合わせれば、パン生地のロスは減り、パンの生産性をさらに向上させることができるでしょう。

◎まとめ
正しい方法で分割を行い、きちんとポイントを押さえれば、パンの仕上がりは一段とよくなります。KOKIでは「生地にやさしい」をテーマとして、お客さまのことを第一に考えた製パン機械を各種揃えております。製品に関するご相談等は、お気軽にお問合せください。