パン作りにおいて、欠かせない道具がスケールです。スケールは一般家庭で、製パン工場ではウェイトチェッカーが使用されています。機能性の高いスケールを使用すると安定したパン作りができ、生産性向上が期待できます。この記事では、スケールの必要性や、生産性の向上につながる理由をご紹介します。
◎パン作りにおけるスケールの役割
パン作りでは、ひとつひとつの生地の重さを均一にするのは大切なことです。パン生地の大きさが揃っていないと、焼き上がりに違いがでてしまいます。家庭でパン作りをする際は、素早く正確に計量してくれるスケールを使用することで、生地の重さを計る時間や重さを調整する時間を減らせるため、作業時間の短縮にもつながります。
製パン工場では、ウェイトチェッカーと呼ばれる製パン機械を使用しています。製パンの現場では、同じ品質のパンを生産する必要があるため、ウェイトチェッカーで生地の分量を正確に計る工程は大切です。パン生地の大きさがバラバラになってしまうと、規格から外れたパンが多く生産されることになるため、大きさが違うパン生地は廃棄するしかありません。ウェイトチェッカーを使用して安定したパン作りを行うことにより、廃棄するパン生地が少なくなり、食品ロスの防止につながります。このように食品ロスを防ぐことは、環境に優しい取り組みにもなるのです。
農林水産省や環境省からは、食品関連事業者による食品ロスが約半数以上あるというデータが公表されています。環境に優しい取り組みをアピールできると、企業イメージの向上にもつながるでしょう。近年は小麦粉などの原材料価格も高騰しているため、コスト削減も企業の課題となっています。パン生地の重さ管理をしっかり行うことで、作業時間の短縮や生産性の向上につながるだけでなく、食品ロス削減やコスト削減も期待できます。
◎家庭のパン作りに欠かせないスケール
重さの正確さだけでなく、作業のスピードもパン作りにおいては重要なポイントです。パン生地は発酵しており、時間が経過するにつれて生地の状態が変わってしまうため、安定したパン作りをするためにはスピード感が求められます。家庭でパン作りをする際は、素早く正確に計量できるスケールを使いましょう。
スケールには、大きく分けてアナログタイプとデジタルタイプのスケールがあります。アナログスケールは、天秤ばかりや上皿棹はかりなどがあり、パン生地をお皿の上に乗せて目盛りを見て軽量します。長年パン作りをしている職人さんのなかには、素早く安定しやすいとアナログスケールを愛用している人もいますが、一般家庭ではデジタルスケールが多く使用されています。
デジタルスケールは、計測台にパン生地を乗せると、デジタルで重さが表示されます。デジタルスケールは、種類によって機能性が異なります。デジタルスケールを選ぶ際のポイントとなるのは、最小計量単位と最大計量単位です。1番少なく計量できる最小計量単位は、0.1gや0.5g、1gなどのスケールがあります。0.1gから計量できると安定して計量しやすいため、パン作りで使用する場合は、最小計量単位が0.1gのスケールがおすすめです。1番多く計れる最大計量単位は、1㎏や2㎏、3㎏などがあります。家庭でパン作りする際は、2㎏か3㎏まで計れると安心でしょう。
◎製パン工場で使用されるウェイトチェッカー
製パン工場では、毎日大量のパンを生産しているため、パン生地の重さを正確に計量し、重さを均一にするための製パン機械、ウェイトチェッカーが必要になります。KOKIで開発しているのは、パン生地の分割を行うデバイダーとウェイトチェッカーが一体となった製パン機械です。1度に大量のパン生地を取り扱っていると、分割しはじめたときのパン生地と終わりの方のパン生地では、生地の状態に大きな違いが生じます。その生地の変化をウェイトチェッカーで計量するのですが、デバイダーとウェイトチェッカーが連動していない従来の製品では、スピードに対応しきれず目標重量からのずれを3%に抑えることが難しいとされています。
当社のウェイトチェッカーは、パン生地の重さの変化を複数のポケットごとに把握しており、現状の分割している容量とポケット位置のデータにて容積の比重をチェックしています。重量の平均値を補正するための信号をウェイトチェッカーから直接デバイダーに送り、重量モーターを動かしているため、目標の重量に合わせた正確で時間差のない重量調整が実現可能です。このようなデバイダーとチェッカーの一体化制御を行うことにより、目標重量の2%のずれで安定的に制御できるようになり、食品ロスの削減に役立っています。
また、IOTソリューションによって、全国の生産状況が遠隔で確認できるシステムを導入しており、Webサーバーを通じて各工場の情報を事務所や本社で把握できるようになっています。目標重量の誤差が大きく、ロスとなるパン生地が多い工場の情報を把握できるため、本部と製パン工場との連携を円滑にして問題点や改善点の早期発見が可能です。このようなシステムで各工場間の連携をスピーディーに行い、早期に改善していくことで、より安定したパン作りが実現し、生産性の向上につながります。
製パン機械を利用して、アナログで対応していた作業が効率化できれば、生産性の向上や労働時間の削減、コスト削減なども期待できます。安定した品質のパンを生産することで、食品ロスの防止や環境に優しい取り組みにもつながります。そして、環境に優しい取り組みは、企業イメージの向上や社会貢献へと発展します。
◎まとめ
安定したパン作りには、機能性の高いスケールを使用することが大切です。パン生地の重さを素早く正確にスケールで計量することにより、生産性の高いパン作りができるでしょう。KOKIでは、製パン工場で使用するウェイトチェッカーの開発を行っています。ウェイトチェッカーに関することは、お気軽にお問い合わせください。