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パン生地を投入口まで届ける製パン機械ミキサー用ボックスエレベーター

2022年8月17日
パンの製造工程では、さまざまな製パン機械が使われています。作業者の負担を減らして作業の効率化をはかることができるため、毎日多くの製品を製造することが可能となっています。製パンの機械は、ベーカリーでも多く使われていますが、大量生産を行うパン工場ではより大型の機械が使用されています。さらにその機械を動かすために、ほかの機械が必要になる場合もあります。この記事では、パン工場で使用するミキサー用ボックスエレベーターについてご紹介します。
◎ミキサーとは
まずミキサーとは、材料を混ぜてこねるミキシングの工程を行う製パンの機械です。小麦粉や水、酵母などを混ぜてパン生地を作るミキシングは、パン作りのなかでも1番はじめに行う工程です。パン生地は、ミキシングで生地をよくこねることによってグルテンを形成します。グルテンの形成によって、しっかりふくらむパンや歯ごたえのあるパンなど、パンの食感や見た目に違いがでてきます。そのためミキシングは、パンの出来上がりを左右する大切な工程なのです。
 
多くのベーカリーやパン工場などでは、大量生産をしながらパンの品質を安定させるために、ミキサーを使用してミキシングを行っています。ベーカリーでは、縦型ミキサーやスパイラルミキサーと呼ばれる中型サイズのミキサーを使用している店舗が多いですが、さらに大量生産を行うパン工場では、大型サイズの横型ミキサーを使用しています。
 
パン工場では、中種法と言われる製法によってパン生地を作ることが多く、中種法では材料を2回にわけて混ぜます。まず1度目のミキシングで中種と言われる生地を作ってから、さらに残りの材料を加えて2度目のミキシングを行い、パン生地を作ります。中種法では、2回ミキシングを行うことによってグルテンが強化されるため、傷みにくい生地やよくふくらむ生地ができあがり、品質の安定につながります。
 
そのためパン工場では、まず1度ミキサーを使用してミキシングを行い、発酵させて中種を作ってから、もう1度ミキサーを使って中種と残りの材料のミキシングを行います。

◎ミキサー用ボックスエレベーターとは
ミキサー用ボックスエレベーターは、ミキサーにパン生地を投入するための製パンの製造機械です。パン工場で使用している大型タイプの横型ミキサー専用のボックスエレベーターとして、パン工場のみで使用されています。ボックスエレベーターは、名前の通り「ボックス」をエレベーターのように、上下に運ぶ作業を行います。
 
パン作りを行う際は、家庭やベーカリーなどでも、パン生地を混ぜるためにボウルを使用したり、パン生地を休ませるために大きなトレイを使用したりしますが、大量生産を行うパン工場では、長方形の箱型をしたドゥボックスと呼ばれる大きなボックスを使用しており、ボックスエレベーターは、このドゥボックスを運びます。
 
ドゥボックスの大きさはさまざまですが、食パン1,000斤分以上の大量のパン生地が入るような大きさのドゥボックスもあります。ドゥボックスにはタイヤが付いていて、そのまま移動させることができるため、ミキサーで1度目に材料を混ぜてできたパン生地は、そのままドゥボックスへ入れられ、ドゥボックスのまま発酵を行うための部屋へ移動し、一定の時間保管されます。
 
このようにしてできた中種は、ほかの材料と合わせてもう1度ミキサーでミキシングを行うためにミキサーに投入されますが、このときに使用するのがミキサー用ボックスエレベーターです。横型ミキサーの投入口は上部にあり、大型の機械なので高い位置にあるため、ドゥボックスを投入口まで上げる必要があるのです。ドゥボックスに入っている中種をミキサーに投入するために小分けにすると、生地に余分なダメージを与えてしまいます。そのため、ミキサー用ボックスエレベーターを使ってドゥボックスを上昇させ、ドゥボックスに入れたままパン生地を投入します。ミキサー用ボックスエレベーターで上昇したドゥボックスは、投入口部分で反転させることができる仕組みになっています。

◎ボックスエレベーターの種類
パン生地をドゥボックスに入れたまま機械へ投入する作業は、ミキサー以外の機械でも行われています。そのためボックスエレベーターには、連動する機械に合わせた種類があり、ミキサー用エレベーター以外に、分割機用ボックスエレベーターや二連式分割機用ボックスエレベーター、ドゥフィーダー用ボックスエレベーターなどのボックスエレベーターがあります。
 
分割機とは、発酵させたパン生地を、製造するパンの大きさに合わせて分割させる機械です。ドゥフィーダーとは、パン生地を連続したシート状にのばすための製造機械となっています。パン工場の製造ラインでは、それぞれの機械とパン生地を投入するためのボックスエレベーターを連動させることで、パン生地に余分なダメージを与えることを防ぎつつ、作業を効率化させて、安定した品質のパンを製造することができています。ボックスエレベーターは、パン工場で使用する専門的な機械なので、あまり取り上げられることのない製パンの機械ですが、パンの生産を陰で支える大切な製造機械のひとつです。

◎まとめ
ミキサー用ボックスエレベーターは、材料を混ぜてこねるミキシングを行うミキサーに、パン生地を投入するために必要な製パンの機械です。何キロもの重量があるパン生地をドゥボックスに入れたまま投入口まで自動で上昇させることができます。KOKIでは、パンの製造ラインに欠かせない専用機械を開発し、製造や販売まで行っています。製パンの製造機械に関するご相談やお悩みは、ぜひKOKIまでお気軽にお問合せください。