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パン生地の丸めは重要な工程!製パン工場で活躍する丸目機とは

2023年2月21日
パン生地の丸めは、ただパン生地を丸くするだけと思われる方もいますが、仕上がりを左右する重要な役割を持っています。この記事では、家庭でパン作りをする際の丸めのコツや、製パン工場で丸目機が使われている理由、当社の丸目機についてご紹介します。
◎パン作りに重要なパン生地の丸め
パン生地の丸めは、ただ生地を丸くするだけでなく、適度に生地の表面を張った状態にします。表面を張らせるのは、ベンチタイムのときに発生するガスを、パン生地の外へ逃がさないようにするためです。例えば、パン生地を分割すると断面ができますが、断面をそのままの状態にしておくと、ベンチタイムのときに発生するガスがパン生地の外へ逃げてしまいます。そこで、パン生地を張った状態にして、分割したときの断面が生地の表面に出ないようにします。
 
ガスが逃げずにパン生地のなかにとどまると、ふっくらとして見た目も美しく、ボリュームのあるパンに仕上がります。パン生地の丸めは、ただ形を丸くするのではなく、断面をパン生地の表面に出ないように、きれいに張った状態にする作業になります。

◎家庭でのパン生地づくりで綺麗に丸めるコツ
家庭でパンを作るときのパン生地の丸め方ですが、まず生地を分割したときの断面を生地の内側に入れ込む作業からはじまります。断面を生地の内側に隠して生地の表面をきれいに張った状態にします。きれいに張った状態にできたら、次に生地の集まっている部分を摘まんでとじます。断面の部分はべたつくので、なるべく触らないようにすると作業がしやすくなります。
 
もうひとつの方法としては、手のひらではなく作業台で丸めを行います。分割されたパン生地を台の上で軽く押し当て、断面を内側にして二つ折りにします。次に生地の端が重なった部分を下にして台に押しつけます。台の上で丸めるときの手の形は「猫の手」のように丸くするのがポイントです。パン生地の端の部分を指先で内側に入れ込むようにして、パン生地をぐるぐると3回から4回ほど回して丸めます。小さいパンは、パン生地を両手にとり同じやり方でぐるぐる回しながら丸めると良いでしょう。
 
作業に慣れてくると、手のひらで丸めるよりも台の上の方が手早くできます。とはいえ、丸めは丁寧に行わないとパン生地の張っている面が作業の途中で破れてしまいます。破れたところがあると、ベンチタイムのときにガスが逃げてしまうので、表面が破れないように力加減に気をつけながら作業することが大切です。

◎製パン工場では丸目機を活用
家庭でパン作りをするときはひとつひとつ手作業で丸めますが、製パン工場で同様の作業をすると、時間や労力を費やします。そのため製パン工場では「丸目機」と呼ばれる丸めを行うための製パン機械を導入しています。丸目機は別名で「ラウンダー」とも呼ばれています。丸目機を使うことによって作業の効率化はもちろん、パンの品質を均一に保つことができます。家庭で手作りのパンを作るのとは違い、製パン工場では品質が同じものを大量に生産する必要があります。そのため製パン工場にとって丸目機は、欠かせない製パン機械のひとつなのです。丸目機は、作るパンに合わせて設定を変えられるのも大きな特徴になります。
 
丸目機にも種類があり、パン生地の仕上がりに応じて構造が異なります。円筒の形をした丸目機は、パン生地へのストレスが少なく、ベンチタイムでの生地の回復発酵を早められます。ほかにも、下に行くほど細くなっている逆円錐の形をした丸目機もあります。逆円錐型の丸目機は、パン生地がシリンダーの表面から覆うような形状であるため、パン生地を適度に締め付ける効果があります。
◎パン生地の仕上がりと作業能力で選べるKOKIの丸目機
丸目機は製パン工場で生地を丸めるときに欠かせない製パン機械です。当社では、丸めたパン生地の締め付け具合によって、さまざまなタイプの丸目機をご用意しております。丸めの速さや、締めつけやソフト感といった生地の硬さ、製パン工場の作業規模に合わせた丸目機をお選びいただけます。当社の丸目機は、食品を取り扱う場所では必須となる清掃のしやすさやメンテナンスといった衛生面にも配慮した構造になっているのが特徴です。
 
パン生地を適度に締めつける逆円錐形の丸目機は、吸水率が低く硬めの生地に向いています。またベンチタイムの後の再丸めや冷凍用の生地などにも適しています。トラフガイドと呼ばれる部分は、生地が付着しにくい構造となっており、機械の清掃がしやすい構造になっています。当社の逆円錐形ラウンダーは、時間あたりに丸める作業量によって3種類ご用意しております。丸める能力は、大玉で1時間あたり3,600個から7,200個、小玉になると1時間あたり7,000個から12,000個の丸目機があります。
 
円筒形の丸目機は、一定の速さで生地を傷めにくくソフトに転がりながら丸めていきます。ソフトに丸めることで、パン生地へのストレスも少なくベンチタイムを早められます。こちらの丸目機も、トラフガイドに生地が付着しにくいので清掃しやすい構造となっています。当社の円筒形の丸目機は、時間あたりの丸める能力によって2種類ご用意しております。大玉で1時間あたり4,200個のものと6,000個のものと、小玉では1時間あたり7,200個のものと12,000個の丸目機があります。

◎まとめ
パン作りで生地の丸めはとても重要な工程です。日々大量にパンを製造する製パン工場では丸目機を使って形を丸く均一にしています。KOKIが取り扱う丸目機には、生地の締め付けや作業効率に合わせた製品をご用意しております。丸目機のことに関しては、当社までお気軽にお問合せください。