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体にやさしいパン作りでパン生活を楽しむポイント

2023年12月5日
さまざまな食感や味、風味が楽しめるパンは、私たちの食卓に欠かせない存在です。パンの食べ過ぎはよくありませんが、パン生地の作り方や食べ合わせを工夫することで、楽しいパン生活をおくれます。この記事では、体に配慮したパン作り、パンの食べ方についてご紹介します。

◎パンは太りやすい食べ物?

近年、美容家やアスリートを中心に、小麦粉を避けるグルテンフリーな食事が注目されています。しかし、内閣府の食品安全委員会は、令和2年に食品中のグルテンに関して「インターネット等に医師の経験的な発信はあるが、公的機関による科学的報告書はない」と公表しています。小麦アレルギーやセリアック病の方はグルテンを避けるべきですが、そうでない場合は過剰に気にする必要はないことがわかります。
 
パンのカロリーは、ご飯や麺などほかの主食と比べて高いことがあげられます。さらに、パンを食べる際にバターやジャムを塗れば、カロリーは高くなります。パンはGI値が高いので、食べるとその後の血糖値が急上昇し、食べた分の糖が脂肪に変わりやすくなります。バターや砂糖など、パン生地に使う材料によっては、糖質や脂質が多くなることもあり、これらの理由から「パンを食べると太りやすい」と考える人もいるのです。
 
実際に、食パン100gあたりのカロリーは248kcalと、同量のご飯の156kcalやうどんの95kcalと比べるとカロリーが高いです。しかし一方で、パンは炭水化物、タンパク質、ビタミン、ミネラルを豊富に含んでいます。パンは栄養があるだけでなく、袋に入ったパンを使えば調理の手間が省けることや衛生的であること、手にとって食べやすいこともあり、病院食として重宝されています。また、アメリカやヨーロッパの主食がパンであることを踏まえても、パンは太りやすいと結論づけてしまうのは、極端な考え方といわざるを得ません。

◎体に配慮したパン生地作り

とはいえ、どのような食べ物でも食べ過ぎは厳禁です。体に配慮する場合は、パン生地を工夫してみましょう。具体的には、小麦粉の代わりに全粒粉やライ麦、大豆粉などの栄養素が豊富な粉を使う方法があります。通常のパン作りに欠かせない小麦粉は、小麦の外皮や胚芽を取り除いたものを指します。一方で、全粒粉は、小麦から外皮や胚芽を取り除かずに小麦を丸ごとすりつぶして作る粉で、ビタミンやミネラル、食物繊維が豊富です。ライ麦から作られるライ麦粉もビタミンやミネラルが豊富で、食物繊維は全粒粉よりも多く含まれます。ライ麦でパン生地を作ると酸味が強いパンになりますが、チーズなどの乳製品と組み合わせるとおいしく食べられます。
 
大豆粉は生の大豆を粉にしたもので、低糖質なパン生地を作るのに適しています。大豆粉をパン生地に使うと、大豆の栄養素である食物繊維やタンパク質が摂れるので、糖質制限をしている方やグルテンフリーなパンを求める方の食事に向いています。ただし、大豆粉を使用する場合は、パン生地が焼き色を早くつけやすくなるため、焦げないように注意が必要です。また、これらの粉を小麦粉とすべて置き換えてしまうと、パン生地が扱いにくくなったり、膨らみにくかったりするので、まずは1割程度を置き換えるところから試してみて、好みの配合にするとよいでしょう。
 
ほかにも、パン生地に加える材料を工夫することで、体に配慮できます。とくにパン生地に不足する栄養素は、食物繊維、カルシウム、ビタミンCなので、これらを補給できる具材を選びましょう。パン生地との相性がよく、パンの栄養価を高める材料として、ナッツやレーズン、チーズや野菜があげられます。ナッツにはビタミンEが含まれ抗酸化作用があります。レーズンには食物繊維が多く含まれ、腸の調子を整えてくれるので便秘改善に役立ちます。チーズにはカルシウムが、野菜にはビタミンやミネラル、食物繊維が多く含まれます。野菜は、パン生地に混ぜない場合でも生のままサンドイッチの具材として手軽に使えるメリットもあります。

◎体にやさしいパンの食べ方

体にいいパン生活にするには、食べ方にもポイントがあります。まず気をつけたいのは、パンの種類です。たとえば、菓子パンには砂糖、惣菜パンには味付けに塩、揚げパンには油がパン生地に使われるため、食べ過ぎには注意が必要です。これらのパンはときどき食べる程度なら問題ありませんが、日常的に食事として食べるのは控えた方がよいでしょう。日常的に食べるのであれば、食パンやフランスパン、バゲットなどの糖分や油分をあまり使わないシンプルなパンが適しています。また、パン作りで使われる添加物は、パン生地を短時間で作りやすくしたり、完成したパンを長持ちさせたりする働きをします。添加物は賛否両論ありますが、原材料をよく確認して選ぶとよいでしょう。
 
パンを食べる際は、献立の組み合わせを工夫してバランスの取れた食事にすることも重要です。パンはカルシウム源となる牛乳・乳製品や、タンパク源となる肉・魚類との相性がよい食品です。これらの食品をおかずやスープにして一緒に食べることで、足りない栄養素を補い、バランスのよい食事を目指しましょう。さらに、食べる順番も意識してみてください。血糖値の上昇を抑えるためには、まずは野菜を食べ、その次にタンパク質のもの、そして最後にパンの順番で食事をするのが適しています。また、やわらかいパンは咀嚼の回数が少なくなりがちです。パンは、ご飯よりも消化に時間がかかり胃に留まる時間が短いことから満足感が得られにくいです。よく噛んで食べることを意識して、満腹感を得られるようにしましょう。

◎まとめ

パンはほかの主食に比べて栄養がある食品です。パン生地の材料を工夫したり、おかずやスープで足りない栄養を補うとよいでしょう。栄養のバランスを考えながら、パン生地の材料を選ぶのもおすすめです。