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アフタヌーンティーだけじゃない!イギリスのパンの魅力

2024年5月28日
イギリスといえば、グルメよりも紅茶をイメージする方も多いのではないでしょうか。サンドイッチ発祥の地でもあるイギリスは、アフタヌーンティーの習慣に合わせた軽食やスイーツなど、実はパンの種類が豊富なのです。この記事では、イギリスのパンにはどのような特徴や種類があるのか、作り方のポイントについてご紹介します。 
 

◎イギリスのパンの特徴

世界有数の紅茶大国であるイギリスでは、アフタヌーンティーに合う軽食やスイーツとしてパンを食べる文化があります。カードゲームや仕事中でも空腹を満たせるよう、パンに具を挟んで食べるサンドイッチが誕生した国でもあるイギリス。そのような背景から、イギリスでは気軽に食べることができるシンプルなパンが親しまれています。 イギリスのパンは、大きく3種類に分類されています。蓋のない型に入れて焼く大型パンのローフ、焼くときに型を使用しないロール、そのほかはスコーンなどの特殊なパンです。イギリスのパンに使われる小麦粉はミネラル類が豊富で挽きが荒いため、日本のパンと比べて小麦の風味が強く感じられます。
 
イギリスで日常的に使用される小麦粉には、中力粉にあたるプレーンフラワー、膨張剤を含んだセルフレイジングフラワー、強力粉にあたるストロングフラワーの3種類があります。イギリスのパン作りでは、ストロングフラワーを使用するのが一般的です。ストロングフラワーはたんぱく質含有量が約13%と高く、グルテンが豊富なためもっちりとした食感のパンに仕上がります。イギリスでは、アフタヌーンティーのお供だけでなく食事としてパンを食べる習慣もあり、野菜やローストビーフと一緒に食べたり、トーストしてバターやジャムを塗ったりと、さまざまなアレンジで楽しまれています。 
 
イギリスのパンと日本のパンには、その味わいや製法にいくつかの違いがあります。たとえば食パンについて比較すると、どちらも強力粉を使用する点は同じですが、日本の食パンには砂糖やショートニングが多く含まれており、やわらかい食感と甘みが特徴です。一方、イギリスの食パンは砂糖やショートニングを使用する量が少ないため、甘さ控えめでさっくりとした食感です。また、イギリスの食パンは日本の食パンよりも発酵時間が長く、そのぶん空気を多く含んだ生地ができあがります。 日本の食パンは、生地を型に詰めたあと蓋をして焼き上げることにより、水分を多く含んだ密度の高い仕上がりとなります。イギリスの食パンは、型に詰めた生地を蓋をせずに焼き上げるので、焼き上がりの形はふっくらとした山型になり、水分が少なくキメの荒いパンに仕上がります。そのため、日本の食パンはしっとりとした食感になり、イギリスの食パンはサクッとした軽い食感が楽しめるのです。 

◎代表的なイギリスのパンの種類

イギリスの代表的なパンのひとつが、イギリスパンです。蓋のない「ティン」という型に入れて焼く山型の食パンで、イギリスではティンブレッドやホワイトローフと呼ばれています。使われている砂糖やバターの量が少ないため、日本の食パンよりもシンプルな味わいが特徴です。イギリスでは、薄くスライスしてトーストやサンドイッチにアレンジするのが主流とされています。 日本やアメリカでも親しまれているイギリスのパンが、イングリッシュマフィンです。専用のリング型に入れて焼き上げるイギリスの伝統的な朝食パンで、水分量が多く、もちもちとした食感が楽しめます。半分にカットして、ハムやチーズ、スクランブルエッグなどをトッピングしたり、トーストしたマフィンにジャムやはちみつを塗ってスイーツのように食べるのもよいでしょう。
 
 イギリスでは定番の食事パンとして人気なのがソーセージロールです。皮を外したソーセージの中身をパイ生地で包んで焼き上げたもので、スーパーマーケットや精肉店などにも並ぶ、手に入りやすいパンといえます。ソーセージロールをテイクアウトしてピクニックに持っていくのが、本場イギリスの一般的な楽しみ方とされています。

◎イギリスのパン作りのポイント

イギリスパンの主な材料は、強力粉、水、塩、砂糖、酵母、バターですが、風味づけのためにドライフルーツやレーズンをパン生地に加えてもよいでしょう。バター以外の材料をすべてボウルで混ぜ合わせ、粉っぽさがなくなったらバターを加えてさらに混ぜます。パン生地がまとまったら、台に出して表面がなめらかになるまで20分ほどこねましょう。こね終わったら、あたたかい室内で30~40分程度発酵させます。パン生地が2倍ほどに膨らめば発酵完了です。指先でパン生地の表面を軽く押してガス抜きしたら、二等分にして丸く成形します。計量してできるだけ正確にパン生地を分けると、きれいに焼き上がります。 
 
パン生地を丸く成形したら、濡れ布巾をかけて15分ほど休ませます。休ませたパン生地を綿棒で楕円形に伸ばし、手前からふんわりと巻きましょう。閉じ目を下にしてバターを塗った型にパン生地を入れ、再び濡れ布巾をかけて発酵させます。パン生地が型のふちの高さまで膨らめば、発酵は完了します。そして発酵させたパン生地を、200℃に予熱したオーブンで約30分焼き上げます。焼き色を均等にするために、焼き上がる5分前を目安に型の前後を入れ替えるのがポイントです。 焼き上がったパンはすぐに型から取り出し、ツヤを出すため表面に溶かしたバターを塗ります。もちろんそのまま食べてもおいしいですが、イギリスでの食べ方と同様に、トーストやサンドイッチなど自由にアレンジを楽しめます。
 

◎まとめ

紅茶文化の盛んなイギリスでは、アフタヌーンティーなどで気軽に食べることのできるシンプルなパンが親しまれています。イギリスのパンには強力粉が使われているため、日本の一般的なパンに比べて小麦の風味と深い味わいが楽しめるでしょう。食事からスイーツまでバリエーション豊富なイギリスのパンを、ぜひご家庭でも楽しんでくださいね。