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ソフトな丸目を追求!丸目機(ラウンダー)の選び方

2022年2月22日
製パンの工程のひとつに「丸め」という作業があります。「丸めるだけ」と聞くとあまり難しくないように思える工程ですが、パンの焼きあがりの出来を左右する重要な作業です。
そんな丸めの工程も、ひとつひとつ手作業で行っていると大変な時間と労力がかかるため、多くの製パンの現場で機械が導入されています。今回は、製パンの工程に欠かせない、丸目機と呼ばれる「丸め」のための機械について見ていきましょう。
◎丸目機とは
丸目機とは、ラウンダーとも言われる製パンの機械です。製パンの工程では、まず生地をこねてから発酵させ、成型するサイズに分割します。分割した生地は、ひとつひとつ丸く形を整えたあと、生地を休ませるベンチタイムを設けて、もう一度発酵させてから成型していきます。
丸目機は、分割したあとのパン生地を丸める工程で使用されており、加えてベンチタイムのあとにパン生地を成型する際の、再丸めで使用される場合もあります。分割後の丸めの作業は、パンをきちんと膨らませ、きれいに焼き上げるために大切な製パンの工程です。

そもそもパン生地を分割したあと、成型する前にベンチタイムをはさむのは、分割した際にダメージを受けたパン生地のダメージを回復したり、グルテンが刺激されて弾力が出た生地をゆるませたりすることによって、成型しやすくするといった理由があります。そのベンチタイムの前に、丸めの工程をしっかりしてから生地を休ませることで、ベンチタイム中に発酵によって出る炭酸ガスが生地の断面から漏れず、焼き上げるときにしっかり膨らむことができるのです。

またパン生地を均一の形に整えることは、同じ品質のパンを焼き上げることにもつながります。丸目機を使用して、この丸めの作業を行うことによって、作業の効率化をはかり、たくさんの生地から同じ品質のパンを製造することが可能になります。

◎丸目機の種類
丸目機には、街のパン屋さんなどで使用するような小型から中型タイプのものから、製パンの工場などで使用できる大型タイプのものまであり、そのなかでもさまざまな種類があります。
まず小型から中型タイプの丸目機は、分割と丸めがどちらもできる、一体型になっているものが多いです。プレートに生地をセットし、金型を使って生地を分割したあと、プレートを動かして生地を丸める仕組みになっています。分割は手動で行い丸めは自動など、半自動で動作する丸目機や、スイッチひとつで分割から丸めまで行う全自動の丸目機などがあります。

続いて大型タイプの丸目機は、生地作りから焼き上げまで、すべて機械を使用するような製パンのラインで使用されることが多く、分割機と一体型になっている丸目機もあります。基本的に、太い筒の周りにレーンが設置されており、そのレーンを転がすことでパン生地を丸める仕組みになっており、筒の形が異なるいくつかの種類があります。

まずは、上部が細くなる形状の傘型ラウンダーと呼ばれる丸目機です。傘型は、古くから使用されている丸目機で、柔らかい生地から硬い生地まで幅広い生地の丸めに対応しやすいと言われていますが、はじめはスピードが速く徐々にゆっくりになるため、パン生地同士がくっつきやすいという特長があります。

次に円筒型ラウンダーと呼ばれる丸目機があります。円筒型は、一定の速さで進み生地を傷めにくくソフトな丸めができる丸目機ですが、硬い生地だと丸くなりにくいデメリットがあります。

最後は、下部が細くなる形状の逆円錐型ラウンダーと呼ばれる丸目機です。ピザの生地など、菓子パンや食パンなどの生地よりも、吸水率が低く硬めの生地に最適な丸目機で、パン生地同士もくっつきにくいという特長があります。ベンチタイム後の再丸めや冷凍用の生地などにも使用しやすい丸目機です。

◎最適な丸目機とは
丸目機を選ぶ際のポイントとして、基本的なことですが、まずパン生地をきちんと丸められるかという点をあげられます。パン生地は水分量などの違いによって生地の硬さに違いが生じるため、その違いによって丸くしやすい丸目機の種類も異なります。
製造するパン生地に合う丸目機ではない場合、表面がなめらかにならなかったり俵型になってしまったりなど形が安定しない結果、上手く発酵ができずにロスが出るということが起りえます。また生地を傷めにくい丸目機か、ということも大切なポイントです。短い時間で丸めることができると、生地ストレスが少なく済むため、その後の回復や発酵の時間も早くすることができます。
ほかにも、生地がくっつきやすくないか、生地漏れが少ないかという点もポイントです。丸目機に生地がくっついてしまったり、すきまから生地が漏れてしまったりすると、せっかく正確に分割したパン生地の重量が変わってしまいます。製造するパンの品質を安定させるためにも確認を怠らないようにしましょう。

最後に、メンテナンスしやすい丸目機かという点も挙げることができます。製パンの現場は、食品を扱っているため衛生管理が必須です。丸目機に生地が付着してしまうと、手作業ではがすなどの清掃が必要になったり、付着しないように油を使用すると、さらに清掃が大変になったりといった問題も生じます。メンテナンスしやすい丸目機を選ぶことで、衛生管理のためのコスト削減や作業時間の短縮につなげることができます。

◎まとめ
丸目機は、分割後のパン生地を丸める工程で使用されている機械です。パンをきれいに焼きあげるために大切な丸めの工程において、作業効率をアップさせるために多くの現場で導入されています。KOKIでは、設置スペースや生産量などに合わせた最適な丸目機をお選びいただけます。ぜひお気軽にお問合せください。