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パン生地づくりで使われる油脂の役割と種類

2022年6月14日
バターやマーガリンなどの油脂は、製パンの過程で使われることが材料の1つです。なかには油脂を使わずに製パンされているパン生地もあります。
この記事では、製パンにおける油脂の役割や種類などについてご紹介します。
◎製パンにおける油脂の効果
パン生地づくりにおいて油脂は絶対に必要不可欠なわけではありませんが、製パンの過程で加えることにより、さまざまな効果をもたらしてくれます。
 
最大の効果としては、やはりパンの味わいに変化を出してくれることでしょう。ショートニングは無味無臭なので例外ですが、バターやオリーブオイル、マーガリンなど香りの強いものはパン生地に加えることによって油脂特有の風味が加わります。
 
油脂には、パン生地の進展性を高めて作業効果を高める効果もあります。
油脂なしのパン生地と比べるとよくわかりますが、パン生地に油脂を加えるとしなやかさが増大し、ふっくらとしたソフトな食感のパンに仕上がります。パン生地をこねている時は油脂なしに比べてベタつきやすいものの、パン生地を傷める危険性の低さや成形のしやすさで見ると進展性の高い油脂ありパンのほうが断然扱いやすいといえます。パン生地づくりに慣れておらず、複雑なパンの形成が難しい場合は、油脂の入っているパン生地で形成の練習してみましょう。
 
加えて、油脂はパン生地の保存性を向上させる効果もあります。これは油脂が水分を閉じ込めてパン生地を乾燥から守るためです。油がパン生地の表面をしっかりコーティングするので、なかの水分が蒸発しにくく、パンのしっとり感を長持ちさせて劣化を遅らせます。噛み応えのあるフランスパンのようなハード系のパンではなく、ふっくらとしたやわらかなパンをつくりたい場合はぜひ製パンの過程で油脂を加えてみましょう。
◎パン生地に入れる油脂の種類
製パンで使われる油脂は液体タイプと固体タイプに大きく分類されます。液体タイプはグルテンのなかになかなか入り込んでいかないため、パン生地に加えてもあまりふっくらとした仕上がりにはなりません。どちらかといえば歯切れの良いパンに仕上がります。一方、固形タイプは粘土のように形が変わるため、グルテンのなかに入り込みやすく、ボリュームのあるパンに仕上がりやすくなります。
 
このように、パン生地はどのような油脂を加えるかで仕上がりが微妙に変化します。コクや風味も変わってくるので、製パンの際は目的に合わせて使う油脂を選びましょう。ここではパン生地づくりで使われる代表的な油脂を紹介します。
 
○バター
バターは牛乳などから得られる乳脂肪を集めて練り固めた動物性油脂で、特有の香りとコクがあるのが特徴です。発酵バターと無発酵バターの2種類に大きく分けられ、国内では無発酵バター、フランスなどのヨーロッパでは発酵バターが主流で使われます。それぞれ加塩タイプと食塩不使用タイプがありますが、製パンではクセの少ない食塩不使用バターを使うのが一般的です。
 
ただし、自宅でパン生地づくりを行う際は加塩タイプのバターを使ってもとくに問題はありません。塩分が気になる場合はパン生地に入れる塩の量を減らして調整しましょう。バターをパン生地に加えると、風味豊かでリッチな味わいのあるパンに仕上がります。生地の伸びが良くなることから、クロワッサンやブリオッシュなどによく使われます。

○ショートニング
ショートニングは現在の製パンで最も使用されることが多い油脂です。植物油や動物油から作られており、無味無臭でクセがないのが大きな特徴です。バターやマーガリンと違って油脂特有の風味を与えないため、素材の味を活かしたパンをつくりたい時によく使われます。
 
また、サクサクとした食感になることから、グリッシーニなど歯切れの良いパンをつくりたい時にもおすすめです。

 
○マーガリン
マーガリンはコーン油や大豆油などを主原料とした植物由来の油脂です。バターの代用品として開発されましたが、バターに比べるとコクが少なく、あっさりとした味わいになっています。
 
バターほどコクを出さずに風味付けをしたい時や、パン生地を少し軽めに仕上げたい時におすすめです。

 
○ラード
豚の脂肪を精製した食用油で、豚脂100%の純製ラードと、豚脂に他の油脂を混ぜた調整ラードの2種類があります。特有のコクが出ることから料理によく使われますが、安定性に欠ける、日持ちがしないといった点から製パンにはあまり使用されません。
 
使用感としてはショートニングに近いため、自宅での製パンはショートニングが使われることのほうが多いようです。

 
○オリーブオイル
オリーブオイルはその名の通り、オリーブの果実から得られる油です。歯切れのいい食感のパンをつくる際に加えられることが多く、フォカッチャやピザなどをつくる場合によく使われます。
 
オリーブオイルはバターやマーガリンと異なり、液体タイプであるため、パン生地の伸びを良くする働きはあまりありません。バターの代用品として製パンに使用することはできないため、バターを使うレシピのパンをつくる際は注意が必要です。

○サラダ油
サラダ油もオリーブオイル同様、液体タイプの油脂ですが、オリーブオイルに比べるとクセが少なめです。パン生地をしっとりさせたい時によく使われます。

◎パン生地に油脂を入れるタイミング
パンの仕上がりはどんな油脂を使うかだけでなく、油脂を生地に加えるタイミングでも微妙に違ってきます。一般的にはパン生地をこね、ある程度グルテンが生成されてから油脂を加えます。バターを使用する場合はグルテンが生成されにくいため、しっかりパン生地をこねてから最後に加えることがポイントです。
 
材料を混ぜ合わせる時など、早い段階でパン生地に油脂を投入してしまうと膨らみにくくなるだけでなく、油が溶けずに作業性も悪くなってしまうので注意しましょう。
 
◎まとめ
油脂はパン生地づくりにおいて必要不可欠ではないものの、製パンの過程で使用することで進展性を高めてパンをふっくらとした仕上がりにすることができます。使う油脂によってパンの風味が変わってきますので、ぜひさまざまなものを試しながら製パンにチャレンジしてみましょう。