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掃除のしやすい製パン機械がもたらすメリット

2023年4月25日
製パン工場は、お客さまに食の安全を届けるためにも清潔さを保つことが欠かせません。それはパン作りで使用する製パン機械も同様のことがいえます。この記事では、製パン機械を掃除することの重要さや、当社の製パン機械の特徴や導入事例についてご紹介します。
◎HACCPが製パン機械に求めていること
2018年の食品衛生法の改正により、2021年の6月1日から、原則としてすべての食品事業者はHACCP(ハサップ)に沿った衛生管理に取り組むことになりました。HACCPとは、Hazard Analysis Critical Control Point(危害分析重要管理点)の略語で、食の安全を確保するための国際的な管理手法のことです。製パンにおける衛生管理については、日本パン技術研究所、全日本パン協同組合連合会、日本パン工業会が協同で2018年に作成した『HACCPの考え方を取り入れたパン類の製造における食品衛生管理の手引書』にまとめられています。
 
パン作りでは、焼成の過程で有害微生物は死滅します。そのため、一般衛生管理の徹底が基本であり、その上でHACCPの考え方を取り入れた重点衛生管理が重要となります。押さえるべき点は、原材料の扱いから従業員の健康管理に至るまで多岐に渡りますが、そのなかには製パン機械に関する項目もあります。一般衛生管理の部分では、製パン機械を日々点検すること、使用後は適切な方法で掃除をして製パン機械や器具の表面に付いた食品残渣を取り除くことが記載されています。重点衛生管理の部分では、分割や丸目、中間発酵の際には製パン機械や器具にほかの製品のパン生地が残らないようにすることなどが記載されています。これらから、一般衛生や重点衛生管理では製パン機械の掃除が非常に重要であることがわかります。

◎製パン機械の掃除が重要な理由
製パン工場では大量生産を行うので、どうしても汚れの発生は避けられません。そこで定期的な掃除が重要になります。適切な掃除は害虫の発生を防ぐことにつながります。万が一、製パン機械に原材料などの残渣が残っていると、それを餌として害虫が発生するおそれがあります。場合によっては爆発的に繁殖することもあるので、未然に防がなければいけません。常に製パン機械の掃除が行き届いていれば、異物混入のリスクを減らすことができるのと、万が一破片や毛髪などが混入しても早く発見できます。異常に気づきやすくなれば、事故発生のリスクも減らせるでしょう。
 
製パン機械に限らず、機械を長く使うポイントは、日頃のメンテナンスをしっかり行うことです。こまめに掃除をして、新品のような状態を保つことが大切なのです。また、製パン機械が汚れたままのような衛生環境が悪い場所では、従業員が体調不良を起こす可能性があります。反対に工場内の衛生環境がよければ、従業員は安心感を覚え、快適に仕事に取り組めるでしょう。従業員のモチベーションが上がれば生産性の向上や、従業員の定着率アップが見込めます。
 
製パン機械の掃除まで行き届いたきれいな工場は、安心安全なパンを消費者に提供できるだけでなく、企業のイメージアップも図れるでしょう。
◎KOKIの製パン機械の特徴と導入事例
「生地にやさしい」をテーマとしている当社の製パン機械ですが、そのほとんどに「メンテナンスがしやすい」という特徴が共通しています。具体的にはシンプルな構造、軽量化された取り外し部品、パン生地の付着しにくい加工といった工夫がされています。掃除のしやすさこそが、当社が手掛ける製パン機械の強みのひとつとなっています。たとえば、モルダーSimple Drive Moulder SDM3は、有動部分が簡素化され安全面と衛生面が向上していて、モーターとローラーは簡単に取り外しができる仕様になっています。中間プルファー Correct Proofer CP15・CP18は、投入装置をレール移動すると本体フレーム間に空間が生まれるので、掃除やメンテナンスが容易に行えます。


 
実際に、「KOKIの製パン機械を導入して掃除がしやすくなった」という声も届いています。ある取引先では、生産能力向上のために分割機 Energy Saving Divider ESD42を採用しました。その結果、時間短縮や能力アップ、人による手間の削減、新製品への取り組み開始、新たな受注を獲得するに至りました。担当の方からは「清掃時に取り外す部品が金属から樹脂になったことで軽くなり扱いが楽になった」「スタッフが女性のみなので喜ばれた」というコメントをいただいています。分割機 Energy Saving Divider ESD42をはじめとするKOKIの分割機のいくつかは、ひとつの駆動からリンク構造によって3つの動きが構成されているので、シンプルで扱いやすいのが特徴です。ホッパー内部はコーティング施工してあるので、拭き取るだけでパン生地が取れます。主ラムなどのパーツは樹脂製で、簡単に取り外せるため清掃が容易です。内部にはスプリング等の機構がないので、スペースが広く清掃しやすい構造になっています。


これまで海外製の傘型丸目機を使っていたある学校給食のパン工場では、丸目機KOKI Cylinder Rounder KCR01Mを導入していただきました。従来の傘型シリンダーにはコーティングがなく溝があって日々の清掃が大変だという悩みがありましたが、ドラムシリンダーにはコーティングが施してあって溝もないので、掃除が簡単になりました。丸目機 KOKI Cylinder Rounder KCR01Mを含め、KOKIの丸目機のトラフガイドには、パン生地が付着しづらい表面加工がしてあります。また、跳ね上げ式トラフではノブを緩めることで簡単にトラフが跳ね上がるので、ボトムプレートとの接触面を簡単に掃除ができ、より衛生面を確保できます。

◎まとめ
製パン機械を掃除することは、不具合の発生を防ぎ、機械を長く使うことができます。衛生面の向上は、従業員の体調やメンタルの安定にもつながります。当社の製パン機械に関することは、お気軽にお問合せください。